大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

仕返しと雷光

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「なッ…!」
反応があったのは、シーちゃんことシオンだけ。
ウィルは無反応で、じっとこっちを見てた。
「そういう訳でウィルは《勇者》で、シーちゃんは……流石に《雷光》とか《臨界点》ってことは無いよな。精々が猫の所のライナ、構成員でも上位の付添人ってとこ?
さぁ、そろそろ俺の腹も減ってきたし、帰ってくんねぇ?」
「待ってくれないか」
適当な事言って、煙に巻こうとしたが、ウィルが引き止めた。
「貴女は結局、こちら側…《シェパード》につく気はないのか?」
さっきより鋭い視線で俺を捉えて離さないウィル。
「んー、そうだな。取り敢えずは保留。猫の方にもそう伝えてあるしな」
そう言って、話は終わりだと手をシッシッ、と振ると、流石にウィルも首を横に振り、「またいずれ」と言って去っていった。
シオン?アイツは凄まじい眼光をくれた後、俺の耳元へ口を寄せて一言。
「次に会ったら覚えておけ」
そう残した後に去っていった。
二人が去った数秒後、まさにタッチの差でアーネがこちらへ駆けてきた。
「失礼、遅くなりましたわ…って、貴女、何があったんですの?」
「あん?なにがだ?」
「それですわ」
ニヤニヤと笑いながら俺の顔を指刺すアーネ…いや、顔じゃねぇな、髪か?
触ってみると…。
「うお、なんじゃこりゃ!!」
気づかなかったが、髪の毛が全て逆立っていた。
これは…俗に言う静電気か?
「貴女、下敷きで頭を擦ってもそこまではなりませんわよ?」
「…」
「あら、どうしましたの?」
「あぁいや、別に。気にしなくていいぞ」
たとえばさ。
たとえばだけど、ほっぺたが勝手に笑ってたりだとか、指が勝手に曲がってたりすると、違和感感じるよな?
普通、俺もそうだ。髪が勝手に弄られると、普通の人の何倍も強く反応する。
けれど…今回はどうだ?アーネに言われるまで一切気づかなかった。
つまり、それ程の精度で…それこそ手足のように電気、もっと言えば雷を操る人は、多分この学校に一人ぐらいしかいねぇよなぁ…。
「なぁアーネ。お前、《雷光》って知ってるか?」
「何を唐突に…知ってますわよ。二年生で二つ名持ちになった天才ですわね」
「遠回しに褒めてくれてありがとよ」
「そんな意味合いはありませんわ!」
「んで、ソイツの見た目とか性別とかってわかる?」
まさか。いやいや、けど…ねぇ?
「黒目黒髪のキリッとした美人さんらしいですわよ」
うっわー…。
俺、《雷光》に真っ正面から喧嘩売った?
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