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本編
犬と猫
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「そ、その…」
俺の喉から酷く掠れた声が出たのに気づく。
一つ咳払いをし、言い直す。
「その中枢に近い人ってのは、誰だ」
「そんなの、多すぎて特定出来ないよお。けどまぁ、簡単にパッと出るとしたら、他の二つ名持ち、生徒会の役員…生徒ならそのあたりかなあ。他は先生とかだと、グラヴァ先生と学校長、あとはクードラル先生かなあ?」
ふむ、どうやら上手いこと話がアーネが攫われた話からズレたらしい。
本人達は気にしていないようなので、そこも助かった。
「グラヴァ先生?誰それ」
「「教頭先生だよ」」
知らんかった。
そういえば、見たことないかもしれないな。
「にしても、なんでクードラル先生?」
「クードラル先生は」「そういう道具を」「全部管理してるから」
なるほど。そりゃまぁ、護符に近づけそうだわな。
「けど、二つ名持ちと生徒会ってそんなに優遇されるのか?」
結界に簡易的にとはいえ扉を作る護符だ。そう何枚も量産されない貴重なものだろうし、貴重品は当然、厳重に保管される。
「されるされる!」「大体何しても許されるよ!」
オイ、大丈夫なのか。
「生徒会も結構無茶苦茶だよねえ。校則とか結構自由に変えちゃうしい。まぁ、二つ名持ちは生徒会入れないからキミ達には関係ないでしょお」
それは知らなかった…って言うか生徒会怖いな。
「さて、ここで」「最初のグループの話に戻る」
「昔から、脈々と二つ名持ちの人って大概どっちかのグループに入ってるんだけどお…両方、仲が悪いんだよねえ。理由は、犬か猫かあ」
「はぁ?」
え、何。
まさか、犬派か猫派かで一番初期の人達が喧嘩して、その怨恨が脈々と続いてるの?
「うん。学校側の狗となるか、自由を求める猫となるかあ。そういう事で分かれてるのお」
あぁ、それなら納得。
「学校側につくなら、その二つ名持ちのお願いが学校に通りやすくなる代わりに、学校側のお願いを聞かないといけないのお。逆につかないなら、まぁそんなものってかんじかなあ。それでも、結構自由はきくけどお」
「結果、今現在は狗として《勇者》、《雷光》、《臨界点》が向こう側についてて、《不動荒野》と《逆鱗》が猫って事で、つい先日の事件はこっち側じゃない。なら、向こう側に原因があるって事か」
「「そゆこと!」」
双子がパチパチと拍手。
「で、何?俺にはその勧誘?」
「端的に言えばそうなるねえ。私が二つ名持ちになれなかった以上、こっちにキミが来てくれるとパワーバランスが取れるようになって、《キャット・シー》からしたらとっても助かるかなあ」
「私達がいるから!」「パワーバランスは同じでしょ!」
「はいはい」
キャット・シー?あぁ、グループ名か。
んで、だからライナが頑張ってたのか。
父親に並ぶための一歩だけじゃなくて、この面倒なグループ…派閥だっけ?それのためか。
「ふーん。わかった」
「ホント!?」「やった!?」「こっち側に来てくれるの!?」
「いや、取り敢えず話は理解した。後日連絡するわ」
「「えー」」
「あ、それならレィアくん、多分今日の夕飯あたりに同じ話聞く羽目になるから、心しといてねえ」
げ、まさか。
「まさか、狗の方も来る?」
「そりゃ、」「当然でしょ」
…面倒な。
俺の喉から酷く掠れた声が出たのに気づく。
一つ咳払いをし、言い直す。
「その中枢に近い人ってのは、誰だ」
「そんなの、多すぎて特定出来ないよお。けどまぁ、簡単にパッと出るとしたら、他の二つ名持ち、生徒会の役員…生徒ならそのあたりかなあ。他は先生とかだと、グラヴァ先生と学校長、あとはクードラル先生かなあ?」
ふむ、どうやら上手いこと話がアーネが攫われた話からズレたらしい。
本人達は気にしていないようなので、そこも助かった。
「グラヴァ先生?誰それ」
「「教頭先生だよ」」
知らんかった。
そういえば、見たことないかもしれないな。
「にしても、なんでクードラル先生?」
「クードラル先生は」「そういう道具を」「全部管理してるから」
なるほど。そりゃまぁ、護符に近づけそうだわな。
「けど、二つ名持ちと生徒会ってそんなに優遇されるのか?」
結界に簡易的にとはいえ扉を作る護符だ。そう何枚も量産されない貴重なものだろうし、貴重品は当然、厳重に保管される。
「されるされる!」「大体何しても許されるよ!」
オイ、大丈夫なのか。
「生徒会も結構無茶苦茶だよねえ。校則とか結構自由に変えちゃうしい。まぁ、二つ名持ちは生徒会入れないからキミ達には関係ないでしょお」
それは知らなかった…って言うか生徒会怖いな。
「さて、ここで」「最初のグループの話に戻る」
「昔から、脈々と二つ名持ちの人って大概どっちかのグループに入ってるんだけどお…両方、仲が悪いんだよねえ。理由は、犬か猫かあ」
「はぁ?」
え、何。
まさか、犬派か猫派かで一番初期の人達が喧嘩して、その怨恨が脈々と続いてるの?
「うん。学校側の狗となるか、自由を求める猫となるかあ。そういう事で分かれてるのお」
あぁ、それなら納得。
「学校側につくなら、その二つ名持ちのお願いが学校に通りやすくなる代わりに、学校側のお願いを聞かないといけないのお。逆につかないなら、まぁそんなものってかんじかなあ。それでも、結構自由はきくけどお」
「結果、今現在は狗として《勇者》、《雷光》、《臨界点》が向こう側についてて、《不動荒野》と《逆鱗》が猫って事で、つい先日の事件はこっち側じゃない。なら、向こう側に原因があるって事か」
「「そゆこと!」」
双子がパチパチと拍手。
「で、何?俺にはその勧誘?」
「端的に言えばそうなるねえ。私が二つ名持ちになれなかった以上、こっちにキミが来てくれるとパワーバランスが取れるようになって、《キャット・シー》からしたらとっても助かるかなあ」
「私達がいるから!」「パワーバランスは同じでしょ!」
「はいはい」
キャット・シー?あぁ、グループ名か。
んで、だからライナが頑張ってたのか。
父親に並ぶための一歩だけじゃなくて、この面倒なグループ…派閥だっけ?それのためか。
「ふーん。わかった」
「ホント!?」「やった!?」「こっち側に来てくれるの!?」
「いや、取り敢えず話は理解した。後日連絡するわ」
「「えー」」
「あ、それならレィアくん、多分今日の夕飯あたりに同じ話聞く羽目になるから、心しといてねえ」
げ、まさか。
「まさか、狗の方も来る?」
「そりゃ、」「当然でしょ」
…面倒な。
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