大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

本編

貴族と種族

アーネを無理矢理夕食からこっちへ意識を向け、先に話を聞いたり、ユーリアから話を聞いた所、俺の認識…つまり、耳長種エルフやその他の種族である種族はヒト種と魔族を残して二百年ぐらい前に基本的に絶滅したらしい。
まぁ、基本的に、な。
で、貴族ってのは。
主にそういった種族とヒト種のハーフのことらしい。
いや、王族はまた微妙に違うらしいが。
ちなみにそういった血は薄れる事はなく、貴族の子には、ヒト種と別の種族の血が必ず半々で混じるからわかるらしい。
えーっと、貴族に値する種族のハーフは、耳長種エルフ、龍人種ドラゴニアン、妖精種フェアリー、巨人種ジャイアント、槌人種ドワーフ、獣人種ビーストマンの六種類。
ちなみに大貴族ってのが耳長種エルフと龍人種ドラゴニアンだそうな。
残りの四種族が何してるのかっていうと、それぞれが王都を中心に、東西南北で土地を割って、それを管理してるらしい。
具体的に、北が巨人種ジャイアント、東が妖精種フェアリー、南が獣人種ビーストマン、西が槌人種ドワーフ。
あぁ、王都は一応、王族の管理下にあるから、この六種族は関係ない…いや、耳長種エルフと龍人種ドラゴニアンは王族を守ってるわけだから、厳密には違うか？
ともかくそんな感じらしい。
「…なんでテメェそんな大事なこと言わなかったんだ？あぁ？」
「仕方ありませんわよ！(もぐもぐ、ゴキュッ)ホントに大貴族がいるなんて知りませんでしたもの！(ガツガツ)」
「せめて食うか喋るか…じゃねぇな、喋れ！」
コイツ、食うか喋るかなら、絶対に食うからな。
つーかその大貴族様、お隣の部屋だし、今現在俺達の目の前にいるわけなんだが。
「まぁ、貴族の子ならともかく、大貴族は普通、王都から出ないからな。しかも、ここは王族とは仲が悪い、教会の聖女につける英雄を育てる学校、まず有り得ないから、アーネがそう思うのも無理は無い」
ユーリアが笑いながらそう言ってくれるのがありがたい…！
ちなみに、証拠として長い髪をかき上げると、人間より少し尖ってるかな？ぐらいの耳がある。さっき見せてもらった。
「あぁそうだ、ちなみになんで王族と教会が仲悪いんだ？」
「「…」」
あ、二人が『何バカ言ってんのこいつ？』の目になった。
「ヒント一、国を治めてるのは王族」
「ヒントニ、人気があるのは教会の聖女」
あ、流石にわかったわ。
「え、何、王族って人気ないのをひがんでるの？」
「まぁ、身も蓋も無いことを言えばそうなるな」
…いや、じゃあお前、何でここにいるんだよ。