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本編
結末とナニカ
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「あああああああああああああ!」
が、ばづん、という音とともに、自分の視界が真っ黒になった。
「あぁくっそがァ!こんなのがいるなんて聞いてねェぞ!」
何をされたか、一瞬わからなかったが、思い当たることはただ一つ。
魔族故の、無詠唱による魔法行使。
くそ、身体が動かねぇ。連戦技の代償が。
そもそもこれは、塞がれて見えてないのか?それとも、目が直に魔法で狂わされているのか?
それすらもわからない。
ザッ、ザッ、という草を踏みしめる音。
その音が段々自分の近くに来る。
ゴスリ。
「妙な技…戦技じゃねぇ変な技を使うガキか…逃がさなくてよかったよ。本当に」
自分の頭に乗せられた足が、グリグリと踏み込まれていくのがわかる。
だが、どうにも出来ない。
「らアッ!あぁ?おい、どんな気分だ?妖魔族の魔法、それもかなりキツイ、呪術に分類されるような魔法だ。ゆっくりとお前の五感を貪っていくような、な」
呪術?なんだそれ?よくわからんが、こんな体調で連戦技を撃ったせいで身体が全く動かない。
あぁ、ダメだった。ダメだったよ。ここで死ぬんだろう。
全力を尽くしたが、仲間を多く傷つけた。アイツらじゃあ適わないだろう。ナナキも身動きすら出来ない状態だし、当然自分も。
あぁクソ、くそ、糞。
足りない。
力が、技が、魔法が、駆け引きが。
何もかも足りない。
それすらを超えるようなナニカが。
いまの状況をひっくり返せるような何かが欲しい。
たった一人の家族すら護れない。
たった一つの約束すら守れない。
「そんなのは…」
「あぁ?」
絶対に!
「御免だ!」
ぶつり。
……。
…。
あ、ああ、あ あ。
背中が。せ中ガ。背ナカが。
ああああ熱い!ああああああああああああああ痛い痛い!ああああああああ焼ける焼ける焼ける!あああああああああ千切れる!あああああああ引き裂かれる!ああああああああ砕かれる!あああああああ溶かされる!ああああああああ掻き毟る!ああああああ引き剥がされる!ああああああああ!
開放される。
今までに感じたこともない苦痛、ああそうか、あれが地獄というものだろう。そんなものを感じた。一瞬にも永遠にも感じる時間だったが、恐らく一瞬にも満たなかったのだろう。
そして、感じたこともない開放感、高揚感が自分を包む。
いや違うな。なにも自分を包んでなんかいない。解き放たれたんだ。何故かそう直感できた。
一気に自分の背中から、背中の紋様から、ナニカが外へと放たれる。
「ああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
自分は叫ぶことしか出来ない。それが苦痛によるものか、開放感によるものかは自分にもわからない。
視界は段々戻ってきた。薄らと、濁ってはいるが、段々見えてきた。
「がッ…!」
背中のナニカに魔族の男が当たったのがわかった。その瞬間、自分の叫び声が笑い声に変わった。
間違いなくこれは高揚感による笑い声だ。
しかし、それも長くは続かなかった。
その途端、急に手足から力が抜けていったのだ。
笑う事すら出来なくなった自分が最後に見たのは、自分達に近付こうとしても近づけない、誰かの姿だった。
が、ばづん、という音とともに、自分の視界が真っ黒になった。
「あぁくっそがァ!こんなのがいるなんて聞いてねェぞ!」
何をされたか、一瞬わからなかったが、思い当たることはただ一つ。
魔族故の、無詠唱による魔法行使。
くそ、身体が動かねぇ。連戦技の代償が。
そもそもこれは、塞がれて見えてないのか?それとも、目が直に魔法で狂わされているのか?
それすらもわからない。
ザッ、ザッ、という草を踏みしめる音。
その音が段々自分の近くに来る。
ゴスリ。
「妙な技…戦技じゃねぇ変な技を使うガキか…逃がさなくてよかったよ。本当に」
自分の頭に乗せられた足が、グリグリと踏み込まれていくのがわかる。
だが、どうにも出来ない。
「らアッ!あぁ?おい、どんな気分だ?妖魔族の魔法、それもかなりキツイ、呪術に分類されるような魔法だ。ゆっくりとお前の五感を貪っていくような、な」
呪術?なんだそれ?よくわからんが、こんな体調で連戦技を撃ったせいで身体が全く動かない。
あぁ、ダメだった。ダメだったよ。ここで死ぬんだろう。
全力を尽くしたが、仲間を多く傷つけた。アイツらじゃあ適わないだろう。ナナキも身動きすら出来ない状態だし、当然自分も。
あぁクソ、くそ、糞。
足りない。
力が、技が、魔法が、駆け引きが。
何もかも足りない。
それすらを超えるようなナニカが。
いまの状況をひっくり返せるような何かが欲しい。
たった一人の家族すら護れない。
たった一つの約束すら守れない。
「そんなのは…」
「あぁ?」
絶対に!
「御免だ!」
ぶつり。
……。
…。
あ、ああ、あ あ。
背中が。せ中ガ。背ナカが。
ああああ熱い!ああああああああああああああ痛い痛い!ああああああああ焼ける焼ける焼ける!あああああああああ千切れる!あああああああ引き裂かれる!ああああああああ砕かれる!あああああああ溶かされる!ああああああああ掻き毟る!ああああああ引き剥がされる!ああああああああ!
開放される。
今までに感じたこともない苦痛、ああそうか、あれが地獄というものだろう。そんなものを感じた。一瞬にも永遠にも感じる時間だったが、恐らく一瞬にも満たなかったのだろう。
そして、感じたこともない開放感、高揚感が自分を包む。
いや違うな。なにも自分を包んでなんかいない。解き放たれたんだ。何故かそう直感できた。
一気に自分の背中から、背中の紋様から、ナニカが外へと放たれる。
「ああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
自分は叫ぶことしか出来ない。それが苦痛によるものか、開放感によるものかは自分にもわからない。
視界は段々戻ってきた。薄らと、濁ってはいるが、段々見えてきた。
「がッ…!」
背中のナニカに魔族の男が当たったのがわかった。その瞬間、自分の叫び声が笑い声に変わった。
間違いなくこれは高揚感による笑い声だ。
しかし、それも長くは続かなかった。
その途端、急に手足から力が抜けていったのだ。
笑う事すら出来なくなった自分が最後に見たのは、自分達に近付こうとしても近づけない、誰かの姿だった。
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