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本編
休憩と帰り
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クソ眠い。休みたかった。
ほとんど俺が頑張って捕獲したバジリスクを引き連れ、何とか結界の内側に入るまでは馬車の上でそれなりに休めた。中は今立ち入り禁止だそうで、休むなら屋根の上で静かに寝てろと言われた。
さて、そう言われても結界の外で無防備に寝るほど俺も余裕じゃない。と言うか、一度寝たらこのまま熟睡しそうだし、そうなったら寝ながら戦うなんてことも出来ないし。
そんな訳で結界を超えて一安心、俺も寝ようかと思った所で
「じゃあ、あとは任せます。お願いしますね?」
「うむ、任せるが良い」
「………?」
下でそんな話が聞こえてきたので、ゴロゴロと転がって顔を出して下を覗こうとした時、下から何かが物凄い勢いで飛び上がってきた。
「っ、ぶねぇなおい。なんだ今の」
殺気と言うか、攻撃する気配が無かったので特に剣を構えたりはしないが、危なかったので少しイラつき、あらためて下を覗き込む。
そこには、同じく迷惑そうな顔をして空を睨む《臨界点》が。
「なんだ今の」
もう一度、今度はしっかり《臨界点》に向けた質問として聞いた。
「トゥーラじゃ」
やれやれと言わんばかりに頭を振る。《臨界点》
「もう影も見えぬか。速さは確かに目を見張るものがあるが、思考が少々短絡的じゃな」
「………バジリスクの輸送か?」
「それ以外に何がある?」
当然のようにそう言う《臨界点》。まぁ、あの先生はそのために呼ばれてるみたいなもんだし。
「では、我輩は中に入る故、任せたぞ」
「あ?ふざけんな。休ませろ。寝かせろ。テメェ何もしてねぇじゃねぇか」
そう言うと、《臨界点》に鼻で笑われた。
「構わんといえば構わんぞ。中の二人の調子も大分良くなってきておるそうじゃし」
「帰りの道を最後までやってくれとは言わねぇから、一眠りさせてくれよ」
身体がダルい。こう、全力疾走で一キロ近く走った末のダルさと言うかなんと言うか。
「あぁ構わんぞ。じゃが、あの二人のうち一人がまだ少し調子が悪いそうじゃ。もう一人は随分と楽になったらしいがのぅ」
「………どっちだ。あー、いや、やっぱいい。言わなくていい。あーもう、いいよ、行けよもう」
何か宜しくない笑顔が見えかけたので、とっとと中で二人の看病をしてもらうことにする。クソ、帰りも結局休めねぇ。
「安心せい。我輩は約束を違えたりはせぬ故な。ましてや貴様との約束は尚更な。すぐに楽にしてやるぞ」
「まるでトドメを刺す時のセリフだな。毒でも盛るのか?」
「あぁもちろん。毒は薬じゃしな」
《臨界点》が中に入っていくのを見、閉じた扉を睨む。
………さて、仕方ないからもうひと頑張りしますか。
「…くぁ」
ほとんど俺が頑張って捕獲したバジリスクを引き連れ、何とか結界の内側に入るまでは馬車の上でそれなりに休めた。中は今立ち入り禁止だそうで、休むなら屋根の上で静かに寝てろと言われた。
さて、そう言われても結界の外で無防備に寝るほど俺も余裕じゃない。と言うか、一度寝たらこのまま熟睡しそうだし、そうなったら寝ながら戦うなんてことも出来ないし。
そんな訳で結界を超えて一安心、俺も寝ようかと思った所で
「じゃあ、あとは任せます。お願いしますね?」
「うむ、任せるが良い」
「………?」
下でそんな話が聞こえてきたので、ゴロゴロと転がって顔を出して下を覗こうとした時、下から何かが物凄い勢いで飛び上がってきた。
「っ、ぶねぇなおい。なんだ今の」
殺気と言うか、攻撃する気配が無かったので特に剣を構えたりはしないが、危なかったので少しイラつき、あらためて下を覗き込む。
そこには、同じく迷惑そうな顔をして空を睨む《臨界点》が。
「なんだ今の」
もう一度、今度はしっかり《臨界点》に向けた質問として聞いた。
「トゥーラじゃ」
やれやれと言わんばかりに頭を振る。《臨界点》
「もう影も見えぬか。速さは確かに目を見張るものがあるが、思考が少々短絡的じゃな」
「………バジリスクの輸送か?」
「それ以外に何がある?」
当然のようにそう言う《臨界点》。まぁ、あの先生はそのために呼ばれてるみたいなもんだし。
「では、我輩は中に入る故、任せたぞ」
「あ?ふざけんな。休ませろ。寝かせろ。テメェ何もしてねぇじゃねぇか」
そう言うと、《臨界点》に鼻で笑われた。
「構わんといえば構わんぞ。中の二人の調子も大分良くなってきておるそうじゃし」
「帰りの道を最後までやってくれとは言わねぇから、一眠りさせてくれよ」
身体がダルい。こう、全力疾走で一キロ近く走った末のダルさと言うかなんと言うか。
「あぁ構わんぞ。じゃが、あの二人のうち一人がまだ少し調子が悪いそうじゃ。もう一人は随分と楽になったらしいがのぅ」
「………どっちだ。あー、いや、やっぱいい。言わなくていい。あーもう、いいよ、行けよもう」
何か宜しくない笑顔が見えかけたので、とっとと中で二人の看病をしてもらうことにする。クソ、帰りも結局休めねぇ。
「安心せい。我輩は約束を違えたりはせぬ故な。ましてや貴様との約束は尚更な。すぐに楽にしてやるぞ」
「まるでトドメを刺す時のセリフだな。毒でも盛るのか?」
「あぁもちろん。毒は薬じゃしな」
《臨界点》が中に入っていくのを見、閉じた扉を睨む。
………さて、仕方ないからもうひと頑張りしますか。
「…くぁ」
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