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本編
戦闘スタイルと鳥
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「なぁなぁ?」
「なんだい?レィア?」
「ナタリって明らかに強いよな?」
しかも、対人戦でも対魔獣戦でも。
何というか、センスが段違いなんだよな。
今の芋虫だって、片っ端から中身を砕くっていう事してたし。
いや、打撃を中に通せとか無理難題言ったのは自分なんだが。
あー、倒してみてわかったけど、芋虫は合計十五匹。個別にカウントしてみると、アーネが三匹、ラウクムくんとクアイちゃんが二匹ずつで、自分は一匹。残りの七匹は全部ナタリさんが片付けた。
戦い方が結構独特なんだよな…。
戦技を使わずに、純粋な技。それを使って倒していくという、異質な戦い方。
「戦技使わないって、かなり大変じゃねぇの?」
「アタイからしたら、そんな戦技とかをバカスカ使うアンタらの方が頭おかしいんだけどねぇ…」
呆れたツラされてもな…。
「アタイは戦技を使わないって言うよりも、反動が大き過ぎるからあんまり使いたくないだけだよ。間に武器とかが挟んでないからね」
そういうナタリさんの手は、一応ナックルとでもいうのか?グローブ?わからんが、そんな感じの武器で覆われてんだが。
それでも軽減出来ない威力か…。
何気にこの人、一人で昨日の魔獣達をどうにか出来そうな気がする。
「ちょっと!貴女!手伝ってくださいまし!」
…そう言えば、今何してるか言うの忘れてたな。
今現在、『交戦中』だ。
あ?芋虫は終わったんだろってか?
芋虫が終わったら、それをエサにしてる鳥の魔獣が飛んできた。
なんだ?なんで芋虫狩ったら鳥の魔獣が来るかって?
知るか。
ナナキにでも聞いてくれ。
ほとんど出番のなかったラウクムくん、クアイちゃん、アーネに任せて、自分とナタリさんは休憩中。ナタリさん、体のあちこちをさすってんな。
「すまん、自分は今とんでもなく手強い化物と闘ってるんだ。そっちには加勢出来そうにない」
これ以上ないぐらいに真面目な声を出す。
「な、なんですの…?」
「睡魔」
「ほざいてんじゃないんですわよ!」
鳥の魔獣の方だけでなく、自分の方にも炎の槍が飛んできた。
「馬鹿野郎。死活問題だ。こちとら一睡もしてねぇんだよ。集中切らすと殺られるんだぞ」
あと、炎系の魔法、使うなって自分、言ったよな?
適当に拳ぐらいの大きさの石を髪で拾って、上空の鷲?鷹?それともありゃ鳶か?わからんが、鳥目掛けて思いっきり投げた。
投げた石は狙いを外さず、鳥の眉間にごすりと当たり、馬程の巨体が空から落ちてくる。
「ほら、これでラウクムくんとかが後はなんとかしてくれるだろ。文句あるか?」
アーネが口をパクパクさせる。あんな雑魚に三十分も時間かけてられねぇよ。馬鹿。
「…やっぱりアタイとしては、アンタの方がおかしいと思うんだけどねぇ…」
ラウクムくんの使う戦技の破壊音をBGMにして、ナタリさんのそんな呟きが聞こえてきた。
「なんだい?レィア?」
「ナタリって明らかに強いよな?」
しかも、対人戦でも対魔獣戦でも。
何というか、センスが段違いなんだよな。
今の芋虫だって、片っ端から中身を砕くっていう事してたし。
いや、打撃を中に通せとか無理難題言ったのは自分なんだが。
あー、倒してみてわかったけど、芋虫は合計十五匹。個別にカウントしてみると、アーネが三匹、ラウクムくんとクアイちゃんが二匹ずつで、自分は一匹。残りの七匹は全部ナタリさんが片付けた。
戦い方が結構独特なんだよな…。
戦技を使わずに、純粋な技。それを使って倒していくという、異質な戦い方。
「戦技使わないって、かなり大変じゃねぇの?」
「アタイからしたら、そんな戦技とかをバカスカ使うアンタらの方が頭おかしいんだけどねぇ…」
呆れたツラされてもな…。
「アタイは戦技を使わないって言うよりも、反動が大き過ぎるからあんまり使いたくないだけだよ。間に武器とかが挟んでないからね」
そういうナタリさんの手は、一応ナックルとでもいうのか?グローブ?わからんが、そんな感じの武器で覆われてんだが。
それでも軽減出来ない威力か…。
何気にこの人、一人で昨日の魔獣達をどうにか出来そうな気がする。
「ちょっと!貴女!手伝ってくださいまし!」
…そう言えば、今何してるか言うの忘れてたな。
今現在、『交戦中』だ。
あ?芋虫は終わったんだろってか?
芋虫が終わったら、それをエサにしてる鳥の魔獣が飛んできた。
なんだ?なんで芋虫狩ったら鳥の魔獣が来るかって?
知るか。
ナナキにでも聞いてくれ。
ほとんど出番のなかったラウクムくん、クアイちゃん、アーネに任せて、自分とナタリさんは休憩中。ナタリさん、体のあちこちをさすってんな。
「すまん、自分は今とんでもなく手強い化物と闘ってるんだ。そっちには加勢出来そうにない」
これ以上ないぐらいに真面目な声を出す。
「な、なんですの…?」
「睡魔」
「ほざいてんじゃないんですわよ!」
鳥の魔獣の方だけでなく、自分の方にも炎の槍が飛んできた。
「馬鹿野郎。死活問題だ。こちとら一睡もしてねぇんだよ。集中切らすと殺られるんだぞ」
あと、炎系の魔法、使うなって自分、言ったよな?
適当に拳ぐらいの大きさの石を髪で拾って、上空の鷲?鷹?それともありゃ鳶か?わからんが、鳥目掛けて思いっきり投げた。
投げた石は狙いを外さず、鳥の眉間にごすりと当たり、馬程の巨体が空から落ちてくる。
「ほら、これでラウクムくんとかが後はなんとかしてくれるだろ。文句あるか?」
アーネが口をパクパクさせる。あんな雑魚に三十分も時間かけてられねぇよ。馬鹿。
「…やっぱりアタイとしては、アンタの方がおかしいと思うんだけどねぇ…」
ラウクムくんの使う戦技の破壊音をBGMにして、ナタリさんのそんな呟きが聞こえてきた。
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