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本編
決着と帰路
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あと二体。牛頭と馬頭、一体ずつ。
ここで、やっと相手も危機を察知したらしい。それぐらいの脳みそはあるか。
闇雲に攻めていた二体は、一度、距離をとった。
「ナナキ、あいつらは魔法使うのか?」
「いや、今までは使ったことないね。近接だけの脳筋だよ」
中々の言い様だな。自分達も大差無いのに。
しかし、理解はした。
近接戦闘では、恐らくナナキは自分より強い。
そして、あの魔獣達は自分より弱い。ただ武器を振るうだけなら、自分一人でも対応できる。
「手足の方は大丈夫か?」
魔獣は地面を軽く蹴り、突進の構え。やっぱり、それぐらいしか方法がないか。
「大丈夫大丈夫。これぐらいなら余裕だよ」
なら良かった。ナナキは長時間の戦闘は耐えられないからな。
さぁ――来た!
ごっ!という音が地面を蹴り、馬頭だけが突っ込んでくる。
ふぅん、さっきの牛頭馬頭よりも速いな。
距離は一瞬で零に。そして案の定、ナナキに受け止められ。
後ろから回り込んできていた牛頭は自分が盾で押し止めるが…ナナキみたいに一切動かずに、とはいかなかったか。
あの巨体からしたら考えられないほど静かに背後に回り込んだもんだが、自分の背後は髪の毛で張ってあるセンサーが、それこそ目のようにして張り巡らせてある。
自分から背後を取るなら、自分が知覚して反応する数倍早く攻撃するとか、自分が気づかないように髪に触れないようにして近づくとか。
そのどちらも出来た者はいないけどね。
「戦技…《旋風撃》!」
体を捻り、横に相手の力を流すことで体制を崩して、相手の左脇腹から入り、跳ねる。
弾丸のような勢いで飛び、左脇腹から右胸へかけて、一直線に斬りこみ、普通なら抜ける。
けど、この戦技は抜けずに、足と髪で相手にくっついた状態を維持し、そのまま連撃を繋げる。
縦に斬り下し、足払い。
ほぉら、眼前に驚いた相手の顔が。まぁ、牛の驚いた顔なんかわからんけどな。
ついにバランスを崩した牛頭。
ここで仕留めないとカッコ悪いよな?
「《火裂》!」
剣だけではなく、自分の体全体を使った、自分以外にはまず出来ない戦技。
右の剣で左腕を斬り飛ばし、左の剣で右の脚を落とす。
盾で顎をブチ抜き、首を回して、引き戻した右の剣を腹に突き刺し、右手を離し、柄の部分を蹴り、テコのようにして内側から斬り出す。
宙を舞った剣を髪で掴み、トドメに左の剣で心臓を一突き。
「レィア終わった?その戦技長すぎだよー」
「すまんな。そっちは…聞くまでもないか」
一応目を向けると、穴だらけになった馬頭が。
…うん、あれって絶対に剣ではそうはならないよね。
「人形は?先に帰した?」
「うん。《煌覇》の威力上がってたねぇ」
そんなことをいいながら、アーネを担ぐ。
コイツ、ついてくって言っときながら何かしたりしたか?
…もちろん、担ぐほど腕力がある訳では無いので髪で。非力すぎるな、自分。本気で鍛えようかな…?
本格的に日が落ちて、辺りは真っ暗。早く戻らないとみんな心配するな。
ここで、やっと相手も危機を察知したらしい。それぐらいの脳みそはあるか。
闇雲に攻めていた二体は、一度、距離をとった。
「ナナキ、あいつらは魔法使うのか?」
「いや、今までは使ったことないね。近接だけの脳筋だよ」
中々の言い様だな。自分達も大差無いのに。
しかし、理解はした。
近接戦闘では、恐らくナナキは自分より強い。
そして、あの魔獣達は自分より弱い。ただ武器を振るうだけなら、自分一人でも対応できる。
「手足の方は大丈夫か?」
魔獣は地面を軽く蹴り、突進の構え。やっぱり、それぐらいしか方法がないか。
「大丈夫大丈夫。これぐらいなら余裕だよ」
なら良かった。ナナキは長時間の戦闘は耐えられないからな。
さぁ――来た!
ごっ!という音が地面を蹴り、馬頭だけが突っ込んでくる。
ふぅん、さっきの牛頭馬頭よりも速いな。
距離は一瞬で零に。そして案の定、ナナキに受け止められ。
後ろから回り込んできていた牛頭は自分が盾で押し止めるが…ナナキみたいに一切動かずに、とはいかなかったか。
あの巨体からしたら考えられないほど静かに背後に回り込んだもんだが、自分の背後は髪の毛で張ってあるセンサーが、それこそ目のようにして張り巡らせてある。
自分から背後を取るなら、自分が知覚して反応する数倍早く攻撃するとか、自分が気づかないように髪に触れないようにして近づくとか。
そのどちらも出来た者はいないけどね。
「戦技…《旋風撃》!」
体を捻り、横に相手の力を流すことで体制を崩して、相手の左脇腹から入り、跳ねる。
弾丸のような勢いで飛び、左脇腹から右胸へかけて、一直線に斬りこみ、普通なら抜ける。
けど、この戦技は抜けずに、足と髪で相手にくっついた状態を維持し、そのまま連撃を繋げる。
縦に斬り下し、足払い。
ほぉら、眼前に驚いた相手の顔が。まぁ、牛の驚いた顔なんかわからんけどな。
ついにバランスを崩した牛頭。
ここで仕留めないとカッコ悪いよな?
「《火裂》!」
剣だけではなく、自分の体全体を使った、自分以外にはまず出来ない戦技。
右の剣で左腕を斬り飛ばし、左の剣で右の脚を落とす。
盾で顎をブチ抜き、首を回して、引き戻した右の剣を腹に突き刺し、右手を離し、柄の部分を蹴り、テコのようにして内側から斬り出す。
宙を舞った剣を髪で掴み、トドメに左の剣で心臓を一突き。
「レィア終わった?その戦技長すぎだよー」
「すまんな。そっちは…聞くまでもないか」
一応目を向けると、穴だらけになった馬頭が。
…うん、あれって絶対に剣ではそうはならないよね。
「人形は?先に帰した?」
「うん。《煌覇》の威力上がってたねぇ」
そんなことをいいながら、アーネを担ぐ。
コイツ、ついてくって言っときながら何かしたりしたか?
…もちろん、担ぐほど腕力がある訳では無いので髪で。非力すぎるな、自分。本気で鍛えようかな…?
本格的に日が落ちて、辺りは真っ暗。早く戻らないとみんな心配するな。
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