28 / 37
実習
しおりを挟む
淑女科の実習の日になった。今回のお題は刺繍。わたくしの得意分野ですわ。
教室にはわたくしとシェラミリア様と教師しかいない。
「では、刺繍を始めてください」
教師の合図で刺繍を始める。刺繍するものは己の獣魔。わたくしは2体いるため大変ですわ。
まずはセインから刺繍していく。この日のために銀の糸を錬金で作り上げた。治癒効果があるものが出来て軽い傷なら治せる。
セインが終わりダークを刺繍する。ダークの黒の糸も錬金して汚れを浄化する効果があるものになった。
半日かけて刺繍が終わり提出する。シェラミリア様は既に終えていた。
「とても素晴らしい出来ですわ」
教師にも褒められ嬉しくなる。
「アレクシア様、お疲れ様ですわ」
「シェラミリア様も」
「アレクシア様はこの後、どうなさいますの?」
「午後からは錬金術の実習ですの」
「まぁ! 頑張ってください」
「ありがとうございます」
2人で食事をとったあと、錬金術の部屋に行く。Sクラスに錬金術のスキルを持ってるのはわたくしだけで教師と2人きりだ。
「まずは治癒ポーションを作ってみよう。初級、中級、上級、最上級どれでもいいから錬金してみてくれ」
それならば最上級の治癒ポーションを作ってみましょう。材料を錬金窯にいれて錬金棒で混ぜながら魔力を流す。家の窯より質が悪いためいつもより時間がかかった。それでも淡く光成功する。出来たポーションを教師に提出すると、鑑定の魔道具で品質チェックをされた。
「最上級治癒ポーションの最高品質だ。文句なしの出来だ」
「ありがとうございます」
錬金術の実習もうまくいきよかったと胸を撫で下ろす。自信はあったがいざとなると緊張した。
屋敷に帰るとフォルトゥナート様が出迎えてくれる。
「おかえり。アレクシア」
「ただいま戻りました」
「実習はどうだった?」
「緊張しましたが、良い結果が出せましたわ」
部屋までエスコートしてもらい、一旦わかれる。ドレスに着替えてリビングに行くとフォルトゥナート様がきてソファーまで一緒に行く。侍女が紅茶をいれてくれて、それを一口飲んだ。
「フォルトゥナート様はお仕事は終わったのですか?」
「魔術師団のほうは今日はお休みでね。公爵の仕事の手伝いに来たんだよ」
お休みの日なのに手伝いに来て下さるなんて申し訳ないわ。早くわたくしも役に立ちたいです。
「明日も実習だよね」
「はい。明日は領主科の実習ですの。どのようなことをするのか聞いてもいいですか?」
「それは秘密だよ」
「まぁ! 少しでいいので」
「結構、無理難題なことかな」
無理難題ですか。怖いですわ。
夕食はフォルトゥナート様とお父様と一緒にとった。前回、お父様はほとんど屋敷に帰ってこなかったが、今回は毎日帰ってきて一緒に食事をしている。毎日、わたくしの話を聞いてくださって楽しい日々を過ごせてる。
領主科の実習になった。Sクラスの殿方4人もいる。
「では、実習を始める。君たちが治めるのは不毛の地だ。植物は何も生えない。海も勿論ない。資金は100万Gだ。それで領地を運営してみよ」
たったの100万G!? 無理難題ですわ。
そうですわ。あれを作って売りましょう。そのお金で人材を育てるのですわ。そして派遣するのです。
レポートに詳しいことを書き提出した。
「アレクシア嬢は面白いことを考えたな。しかし、これは実行可能なのか?」
「こちらの料理は絶品ですわ。ですが、真似をするのも簡単ですので、人材派遣を考えましたの」
料理の方は前世の知識だ。
「しかしこの食材は毒があるぞ」
「毒があるのは芽だけですわ。それ以外は食べれますのよ」
「では次の実習までに作ってきてみてくれ。判定はその後になる」
「かしこまりましたわ」
教室にはわたくしとシェラミリア様と教師しかいない。
「では、刺繍を始めてください」
教師の合図で刺繍を始める。刺繍するものは己の獣魔。わたくしは2体いるため大変ですわ。
まずはセインから刺繍していく。この日のために銀の糸を錬金で作り上げた。治癒効果があるものが出来て軽い傷なら治せる。
セインが終わりダークを刺繍する。ダークの黒の糸も錬金して汚れを浄化する効果があるものになった。
半日かけて刺繍が終わり提出する。シェラミリア様は既に終えていた。
「とても素晴らしい出来ですわ」
教師にも褒められ嬉しくなる。
「アレクシア様、お疲れ様ですわ」
「シェラミリア様も」
「アレクシア様はこの後、どうなさいますの?」
「午後からは錬金術の実習ですの」
「まぁ! 頑張ってください」
「ありがとうございます」
2人で食事をとったあと、錬金術の部屋に行く。Sクラスに錬金術のスキルを持ってるのはわたくしだけで教師と2人きりだ。
「まずは治癒ポーションを作ってみよう。初級、中級、上級、最上級どれでもいいから錬金してみてくれ」
それならば最上級の治癒ポーションを作ってみましょう。材料を錬金窯にいれて錬金棒で混ぜながら魔力を流す。家の窯より質が悪いためいつもより時間がかかった。それでも淡く光成功する。出来たポーションを教師に提出すると、鑑定の魔道具で品質チェックをされた。
「最上級治癒ポーションの最高品質だ。文句なしの出来だ」
「ありがとうございます」
錬金術の実習もうまくいきよかったと胸を撫で下ろす。自信はあったがいざとなると緊張した。
屋敷に帰るとフォルトゥナート様が出迎えてくれる。
「おかえり。アレクシア」
「ただいま戻りました」
「実習はどうだった?」
「緊張しましたが、良い結果が出せましたわ」
部屋までエスコートしてもらい、一旦わかれる。ドレスに着替えてリビングに行くとフォルトゥナート様がきてソファーまで一緒に行く。侍女が紅茶をいれてくれて、それを一口飲んだ。
「フォルトゥナート様はお仕事は終わったのですか?」
「魔術師団のほうは今日はお休みでね。公爵の仕事の手伝いに来たんだよ」
お休みの日なのに手伝いに来て下さるなんて申し訳ないわ。早くわたくしも役に立ちたいです。
「明日も実習だよね」
「はい。明日は領主科の実習ですの。どのようなことをするのか聞いてもいいですか?」
「それは秘密だよ」
「まぁ! 少しでいいので」
「結構、無理難題なことかな」
無理難題ですか。怖いですわ。
夕食はフォルトゥナート様とお父様と一緒にとった。前回、お父様はほとんど屋敷に帰ってこなかったが、今回は毎日帰ってきて一緒に食事をしている。毎日、わたくしの話を聞いてくださって楽しい日々を過ごせてる。
領主科の実習になった。Sクラスの殿方4人もいる。
「では、実習を始める。君たちが治めるのは不毛の地だ。植物は何も生えない。海も勿論ない。資金は100万Gだ。それで領地を運営してみよ」
たったの100万G!? 無理難題ですわ。
そうですわ。あれを作って売りましょう。そのお金で人材を育てるのですわ。そして派遣するのです。
レポートに詳しいことを書き提出した。
「アレクシア嬢は面白いことを考えたな。しかし、これは実行可能なのか?」
「こちらの料理は絶品ですわ。ですが、真似をするのも簡単ですので、人材派遣を考えましたの」
料理の方は前世の知識だ。
「しかしこの食材は毒があるぞ」
「毒があるのは芽だけですわ。それ以外は食べれますのよ」
「では次の実習までに作ってきてみてくれ。判定はその後になる」
「かしこまりましたわ」
82
お気に入りに追加
799
あなたにおすすめの小説
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
恋愛
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
【完結】貴方のために涙は流しません
ユユ
恋愛
私の涙には希少価値がある。
一人の女神様によって無理矢理
連れてこられたのは
小説の世界をなんとかするためだった。
私は虐げられることを
黙っているアリスではない。
“母親の言うことを聞きなさい”
あんたはアリスの父親を寝とっただけの女で
母親じゃない。
“婚約者なら言うことを聞け”
なら、お前が聞け。
後妻や婚約者や駄女神に屈しない!
好き勝手に変えてやる!
※ 作り話です
※ 15万字前後
※ 完結保証付き
チートな幼女に転生しました。【本編完結済み】
Nau
恋愛
道路に飛び出した子供を庇って死んだ北野優子。
でもその庇った子が結構すごい女神が転生した姿だった?!
感謝を込めて別世界で転生することに!
めちゃくちゃ感謝されて…出来上がった新しい私もしかして規格外?
しかも学園に通うことになって行ってみたら、女嫌いの公爵家嫡男に気に入られて?!
どうなる?私の人生!
※R15は保険です。
※しれっと改正することがあります。
私のバラ色ではない人生
野村にれ
恋愛
ララシャ・ロアンスラー公爵令嬢は、クロンデール王国の王太子殿下の婚約者だった。
だが、隣国であるピデム王国の第二王子に見初められて、婚約が解消になってしまった。
そして、後任にされたのが妹であるソアリス・ロアンスラーである。
ソアリスは王太子妃になりたくもなければ、王太子妃にも相応しくないと自負していた。
だが、ロアンスラー公爵家としても責任を取らなければならず、
既に高位貴族の令嬢たちは婚約者がいたり、結婚している。
ソアリスは不本意ながらも嫁ぐことになってしまう。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
悪意か、善意か、破滅か
野村にれ
恋愛
婚約者が別の令嬢に恋をして、婚約を破棄されたエルム・フォンターナ伯爵令嬢。
婚約者とその想い人が自殺を図ったことで、美談とされて、
悪意に晒されたエルムと、家族も一緒に爵位を返上してアジェル王国を去った。
その後、アジェル王国では、徐々に異変が起こり始める。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる