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第1章

立ちはだかる黒き巨漢

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ドシュゥーーーーーッ!!!!


軽い爆発音が後ろから聞こえたかと思った刹那、
逃げ出す俺の背に迫る黒い巨漢。
ギガスギガス超ギカントスだ。


「なっ!巨体に見合わず早いッ!!」


チィ!っと舌打ち虚しく一瞬で接近された俺は迎え討つ為に再び対峙する。


「俺の名はギガスギガス超ギカントス。奴隷の王なりッ!!!!」

「またそこからかよッ!」

ブゥンッと大振りのテレフォンパンチを繰り出したギガス。
これなら余裕で躱せるぜ、と身をヒョイとよじると


ボッカーーーーーーーーン!!!!


ギガスの放った拳が当たった岩壁に容赦の無い大穴が空いた。
あまりの威力に俺は軽口を叩く事が出来ずにいた。
これは当たったら死んじゃうヤツだ。
こんなのがヒョッコリ前触れもなく飛び出してくる異世界ってかなりヤバい。


「この拳の名は超絶ギカントスパンチ!!奴隷の王の拳なりッ!!」


冷汗が滴り落ちる。

この拳を躱す事は出来てもソレを続けられるかって言うと難しい。
武道を習っていた訳でもないジムにすら通った事の無い一般的な現代人な訳よ。俺は。

懐に入り岩食いで喉笛を掻っ切るぐらいしか打つ手は無い。
しかし先程の爆発的な急接近が簡単にはそれをさせないだろうと物語っている。
こんな事ならもっと本気で色んなモンを食っておけば良かった…ッ!!


【 超絶ギカントスパンチ】条件:このギガスギガス超ギカントスを殺す


よし、やってやろうじゃねーか人殺し。

コイツをブッ殺して超絶火力パンチを手に入れりゃ、
この穴倉生活からも抜け出せ………るのか?
こんな超絶火力を個人武装してるのに逃げ出せないぐらいの何かがあるのかココには?

一瞬の戸惑いが隙を作り、ギガスギガス超ギカントスの連撃を誘ってしまった。


息も絶え絶えにその全てを躱す事に成功するも背には岩壁、眼前に迫る黒い巨体。
追い詰められたってワケだ。


「ギガスさんよぉ…」

「お前か?最近調子コイてる若造ってのは?」

「……そうだぜ?ところでギガスさんの名前って何だっけ?」

「俺の名はギガスギガス超ギカントス!!」

「奴隷達のなんだっけ?」

「奴隷の王なりッ!!」

「ギガスさんよぉ…」



と、以下繰り返し。

こんな感じでなんとか時間稼ぎを成功させた俺だったが打つ手は無いに等しい。

もしロドリゲスが駆けつけてくれたとしても超絶ギカントスパンチでミンチにされちまうだろう。
意を決してギガスギガス超首筋を俺のアギトで喰い破るしか道は無さそうだ。



【 長き奴隷生活に疲れ壊れたギガスの信頼】

条件:本当は心優しい小児性愛者ギガスと何度も対話し その心を融解させる



この時間稼ぎが功を奏したのか
ギガスから得られるモノと条件に変化が生じた。

その時、ギガスの背後に表情を硬くしたロドリゲスが慌てて駆けつけた。



「ヘイ!ブラザー!!大丈夫かい!?」


「あぁ、待ってろロドリゲス。5秒だ。直ぐに終わらせる。」


 ※ ※ ※



「聞いてくれギガスよ。
俺は女子高生が好きだ。ああ、この世界ではジョシコーセーなんっつってもわかんねーかも知んねーな。
大体15歳~18歳ぐらいの年頃の制服を着た女の子が大好きだ。
最近の子は発育が良いからな、実際は12歳くらいからでも構いやしねぇ。」


「お、俺の名はギガスギガス……」


「スカートって判るか?ギガスよ?
ヒラヒラした上品な…俺達が身に着けている腰巻きみたいなヤツよ。
それがな、ヒラヒラしてるから時々見えんだよ。

中身が。

俺の居た世界ではパンティーやらショーツやらと言う可愛らしい生地の下着で
大事な部分を隠してあるが、それが逆にソソるわけよ。
チラリズム、ギガスにも判るんじゃねぇかと思う。
でもな、俺が本当に好きなのはそこじゃない。判るか?ギガスよ?」


「お、お、俺、おでの名はギガッ、ギガッ…」


「俺にはな、足の膝裏の関節部分がたまらなくご馳走なんだ。判るか?ギガスよ。
腰から垂らしたヒラヒラしたスカートと、足元から伸びるソックス。
その間にある無防備な境界線は人目に触れて良い乙女最後の聖域なのさ。

実際に本人はその部分をまじまじと確認する事を出来ずにいる。
本人が一番知り得ない部分だけに、そこにこそ価値ある美しさが際立つ。
判るか?ギガスよ。」


「お、おで、おでっ、お、お、ギガッ、ギガッ、ロッ、ロリッ…」


「だけどな、18歳過ぎちまうとダメなんだよ。
どうしてもチグハグ感が拭えなくなる。
判るか?ギガスよ。
ある時期を境にして、その制服がどう言うわけか突然似合わなくなっちまう。
俺はな、勝手にこう思ってる。
少女と言う魔法が解けた、んだってな。」


「………………判ります。同士よ。

私の場合は少女、と言うより幼女から少女へと成長の階段を登るその瞬間の眩しさから目を離す事が出来ません。
世の中の汚いモノを認識する事が出来ない濁りの無い美しい眼差しで汚物の様な私を見ている、と思うだけでエレクトしてしまいます。
まだ未発達のその身体の隅々までも舐め回したい、そんな衝動に身を焦がすのです。」


肌の黒い巨漢がやたら丁寧な口調でとんでもねぇ事をペラペラと話出した。
同士呼ばわりは頂けねえと思うぜ。流石の俺でも。
根っからの小児性愛者ロリコンは犯罪ですギガス。
厄介な奴を手なづけちまった。



「へ、ヘイ!ブラザー!!一体何の話をしてるんだい!?!?」




 ※ ※ ※


小一時間程ギガスのディープなロリコン談義にヒキながらも付き合い、ギガスと言う超火力を手に入れた。

このロリコン野郎は貴族のお嬢様に悪戯をしようとしてここにブチ込まれたらしい。
この洞窟が、山賊共が何処かの貴族の肝いりだと判明。
ロドリゲスは迂闊には動けないなと唸っていたが俺には関係ねぇ。
せいぜいギガスを暴れさせてその隙にトンズラって算段よ。

とりあえず先程の取り巻き達を見つけた俺は
ギガスにそいつらを軽く殴らせスカッとした気分で寝床に戻った。










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