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輸送機の防衛問題。

ソ連軍戦闘機の進出が予想される。

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 モンゴル騎馬軍団の領土侵犯を満州国国境警備隊が防ぎ切ったことは、満州国内に蔓延していた対ソ連軍の脅威を払拭したのである。
 奉天市にも新聞はある。(日本の江戸時代のカワラバンと同等。)
売り子が繁華街で売り歩く、カンタンな冊子様の新聞だ。
 「モンゴル騎馬軍団、殲滅だよ~っ。」と、声を張り上げて売り歩く売り子へ大衆は群がるのだ。
まだ、ラジオ放送も普及していない満州国である。
 それで、日本のカワラバンの販売方式の商売が成り立つのである。
もちろん、信ぴょう性なぞ皆無だ。
 そこは、我がラノベと同じだ。
写真も掲載されていない。
 写真器はあるが富裕層のオモチャ的なものだ。
やっと、奉天市に写真館なるモノができつつある頃合いである。(初期のガラス板へ銀蒸着で焼き付ける方式だ。)
 写真に写ると魂が抜かれると信じて疑わない満州国民だったのだ。
「諸君、現地での訓練も無しにモンゴル騎馬隊への急襲作戦を、よくこなしてくれた。」
 「これは、賞賛に値するだろう。」
「しかし、油断することなく訓練に励んでほしい。」
 「以上だ。」「敬礼。」
藤堂隊長が答礼後、退出する。
 「各自、宿舎へ戻ってよろしい。」
「軍曹殿。」と、訓練生が声を掛ける。
 「ん、なんだ。」
「奉天市を見物したいのですが・・・」
 「まだ、到着したばかりだ。」
「市民とイザコザを起こすかもしれん。」「許可は、まだだ。」
 ・・・こいつ、早速に満州娘が見当てだな・・・と、予想する係官(軍曹)だ。
 ちなみに、訓練生は身分的には陸軍の伍長クラスだ。
なぜなら、ほとんどが陸軍内で選抜された兵卒だからである。
 空挺部隊は・・・一般人が入隊できるほどやさしくはないのだ。
選抜された18歳以下の軍人からなる部隊である。
 もちろん、門戸は開かれているが・・・なかなか一般からの合格は難しいのだ。

 「しかし、いつまでも仮の隊長ということでは・・・」
「そうですね、甲班に関しては、総代が隊長ということで、他の隊員は文句ないでしょう。」
 「モンゴル騎馬隊への攻撃も的確だったようですよ、まあ聞いた話ですが。」
「そうだろうな、でなきゃ満州軍を救出はできないからな。」
 「正直、オレでも迷うような救出作戦だったからな。」
そう、藤堂大佐が感想を述べる。
 「で、乙班は、どうするんで?」
「そこなのだよ、明智君。」まさに、20面相が答えるようだ・・・
 「今回の反撃で、ソ連軍へモンゴル軍から情報が伝わるだろう。」
「だから、その情報を確認するためにソ連軍は動くと見てるんだが・・・」と、大佐がいう。
 「そうですね、偵察なり小さな紛争で様子を見るでしょうね。」
「ソ連軍にとり、モンゴルなんて弾除けだからな。」と、大佐はいう。
 実際、ソ連軍の対ドイツ戦でのモンゴル兵らの扱いだ。
地雷原で、モンゴル兵を3列横隊に並ばせるのだ。
 そして、地雷原へ前進させる。
もちろん、イヤがるモンゴル兵は銃殺だ。
 2,3人銃殺されればモンゴル兵は、イヤイヤ地雷原に進むのだ。
運がよければ・・・地雷でボカ~ンとはならないからね。
 そして、地雷原が掃除されてからソ連兵が進軍するのだ。
ロシア人とは、そういう人種なのである。(現在も同じだ。)
 だから、ウクライナを瓦礫にしても、なんともないのである。
シナ人=ロシア人なのである。
 その子分が朝鮮族だ。
ヤツラは地球が滅びるまで・・・他人を騙し、ウソを吐き、他人の不幸を喜ぶ人種なのである。

 藤堂大佐の思惑どうり、モンゴルと満州国の国境であるモンモンハンで再度の越境紛争が起こった。
なんと、今度は騎馬隊ではない。
 ソ連軍の戦車隊にモンゴル軍の旗を掲げての侵攻だった。
まあ、ソ連軍の旧式であるT-2戦車(軽戦車)だ。
 シベリア鉄道で運ぶには新型戦車は重すぎるからである。
戦車単独では長距離走破は無理である。
 前線まで鉄道かトレーラーで運搬しなければならない。
日本軍の八九式は満州平原の長距離運行を平気でこなしたが・・・日本のジーゼル・エンジンはハンパ無いのだ。
 戦車用の空冷ジーゼル・エンジンは現在のヒトマル式戦車でも使っているのだ。
1500馬力から1200馬力の戦車用ジーゼル・エンジンを開発できる国は、我が国だけだろう。
 米軍はジェツト・エンジンを使ってる。
ドイツは、ジーゼル・エンジン開発国だが・・・エンジン性能は日本製の比ではない。
 それは、第三次世界大戦が始まればわかるだろう・・・
満州国国境警備隊から緊急無線が入る。
 もちろん、満州国国防本部へである。
奉天市の宮城(皇帝の城)の側にあるらしい。
 そこから、馬で急使が奉天飛行場の強襲空挺部隊訓練所の宿舎内に・・・
「司令部。」と、部屋の肩書を読んで・・・
 「大佐殿、戦車アルヨ~。」と、急使が急を告げる。
「なに、場所と時間と数は?」と、係官(軍曹)が叫んだ。
 「わからないアルヨ。」「でも、無線では鉄虎と・・・」
シナでは、戦車を鉄虎と呼ぶのだ。
 すると、大佐が、「擲弾筒を全員へ装備。」「乙班に司令しろ。」
「わかりました。」と、軍曹が部屋から飛び出した。
 伝令員が非常警報のボタンを押す。
宿舎内に警報音が鳴り響く。
 「相手の戦車の種類はわかるのか?」
満州国の急使は首を振る。
 まあ、戦車といったら日本軍の八九式しか見たことないからね・・・
藤堂大佐は、「当方の八九式と同程度と思っていいだろう。」
 「シベリア鉄道で30トン以上あるらしい新型は運べないからな。」と、予想するのだ。
敵が八九式と同程度なら・・・日本軍の秘密兵器である擲弾筒で殺れる!
 そう踏んだ、大佐である。

 陸軍では歩兵が1名で運べる擲弾筒を対戦車対策の兵器として考えていたのだ。
なぜなら、戦車は上部の装甲が薄いからだ。
 戦車は前面の装甲が一番厚いのだ。
なるべく敵の攻撃が当たるところを装甲を厚くするのはセオリーだからである。
 もちろん、動力で重量は決まる。
そして、その限られた重量から装甲などを決定するのだ。
 そして、敵の攻撃を受ける前面装甲が厚くなるのだ。
ドイツ軍の定番のティーゲル戦車で前面が11センチくらいかな・・・
 砲塔の防盾などは、いままでで撃ち抜かれたことは無いそうだ。
ティーガーは無双ドイツ軍神話を造ったのである。
 落下傘で降下するには当然、制限重量があるのだ。
それで、重機関銃などは別の落下傘で降ろす。
 ところが、擲弾筒の筒は軽い、なぜなら単なる筒だからだ。
大きさはバズーカ砲の半分より短いのだ。
 だから、降下部隊全員が持てるのだ。
もちろん、ハチハチ機関銃も加えてである。
 「乙班、全員は擲弾筒携行。」と、指示が出る。
もちろん、手榴弾も4,5発持参だ。
 擲弾筒用の手榴弾はシッポに折りたたんだ羽があり・・・
飛ばすと、羽が開いて・・・先端の起爆装置を下にして落ちてくるのだ。
 起爆装置が戦車の屋根に当たると・・・爆発して超高温のガスが噴出するのだ。
それが、戦車の装甲を溶解して・・・穴を開ける。
 そして、超高温のガスが戦車内へ噴出するのだ。
そうなると、戦車内の兵は・・・どうなるか、想像はしたくない・・・焼き豚以上に炭となるかも・・・
 まあ、そのままお墓へ埋められるから・・・いいかな?(消し炭だから。)

 訓練生は擲弾筒で地面の目標へ命中させる訓練を・・・暇な時間があればヤラされるのだ。
降下して・・・敵の戦車だっ!ということも十分に考えられるらだ。
 大東亜戦争でインドネシアの油田には敵戦車はいなかったようだ。
戦車1両でもあれば・・・陸軍降下部隊は苦戦しただろう。
 「いいか、角度が一番大切だ。」
「この角度なら、あそこへ命中すると想像して100発100中になるまで訓練だ。」
 と、教官から鍛えられている降下部隊訓練生だ。
考えなくても体が動いて肩に擲弾筒を・・・そして手榴弾を・・・
 擲弾筒用の手榴弾は起爆装置が擲弾筒の落下衝撃で爆発するようになっている。
単に落としたくらいでは・・・まったく爆発なぞしないのだ。
 日本軍の武器は安全第一なのである。
1万個に1個も不良品は無い。
 不良品を発見して製造会社へ送れば・・・懸賞金が・・・
しかし、いままでで懸賞金が払われた記録は無いそうだ。

 暖気運転でペラが廻る零式輸送機2号機の前に30名の空挺隊員が並ぶ。
仮の隊長が搭乗の合図だ。
 滑走路から双発エンジンをハミングさせて飛び立つ・・・
見送る藤堂大佐以下の派遣強襲空挺部隊員である。
 

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