冒険者の学校。

危機管理ということだな。

常に最悪を想定しなければ・・・

　日本人には、悪い癖があるらしい。
たぶん、そんなことは無いだろう・・・と、良い方に物事を考えてしまうことである。
　戦後、７０年以上の平和ボケのせいである。
日本の隣国は敵ばかりだというのに・・・
　なぜ、日本が日清、日露、そして大東亜戦争で戦って来たのかを忘れているからだ。
現在の社会で、スマート・フォンが使えなくなったら・・・インターネットが繋がらなくなったら・・・混乱するだろう。　
　その時の訓練も、どうすればいいかも・・・まったく想定していない国が日本だ。

　「なんと、最新機器でもあるかと思ったら・・・」と、驚くオレである。
「あたいの偽物は、それなりに考えがあったのね。」と、納得するウズメ姫だ。
　アリスやユリコ、ユッコは・・・蒸気機関など初めてみるから・・不思議な顔だな。
「どうやら、偽物のウズメ姫も、それなりに苦労して、ここへ辿り着いたんだな。」と、思考するオレである。
　置き土産は、すべて日本製だった。　
まあ、当然だが・・・日本の職人が、こだわり抜いて作った機械だ。
　１００年は使えそうだ。
電子部品が一切、使ってないからである。
　電子部品の半導体や素子は寿命があるのだ。（経年劣化は、必ずあるのだ。）
ところが、蒸気機関は寿命というものが無い。　点検して、油をさしていれば、永遠とは言わないが１００年は使えるのだ。
　燃料は石炭や木材だ。　それは、野山から手に入る。　そして、蒸気は水だ。
まあ、油を潤滑に使うんだが・・・それくらいは、動物の油で代用はできる。
　「これは、発電装置だな。」と、水車と発電機を示す。
「これは、発電機だがモーターと同じだ。」　つまり、発電にも動力にも使えるのだ。
　効率は悪いだろうが・・・無いよりはマシだ。
そして、トイレもあった。
　「これは、洗浄装置が手動のヤツだな。」と、手押しポンプが付いた装置があるのだ。
「電源がなくても使えるようだ。」「ただし、お湯を別に入れなければならないな。」と、オレが取説を読んだ。
　「でも、単なるトイレじゃないから、ありがたいわ。」と、ウズメ姫だ。
なぜなら、洗浄トイレに慣れてしまうと、ドボンコのトイレなぞ・・・使えないからだ。
　とくに、女子は・・・オシッコの穴が・・おマンコの中にあるから・・・
まあ、それが野郎を引き付けるオンナの匂い・・・かもしれないが・・・

　「これは、電信器だな。」と、トン・ツーの電信器と電話機を見つけたオレだ。
「通信用に電線もついてるぞ。」と、なかなか親切である。
　「これは、サイド・バルブエンジンの自動車だぞ。」と、初期のガソリンエンジンのクルマまで・・・
「サイド・バルブって何？」と、アリスが聞く。
　「あ、あ、初期の内燃機関は燃やすガソリンの霧をピストンの横から入れていたんだ。」
「これなら、ユリコでも修理がカンタンだな。」と、オレだ。　ユリコが笑ってるが・・・
　「まずは、桟橋から鉄道線路を引くのが、最初の仕事になりそうだな。」と、オレが言い出した。
「えっ、いきなり土木工事なの？」と、ユッコが不満げだ。
　そろゃあ、魔法少女の仕事ではないから・・・
攻撃型魔法少女は魔物討伐が・・・役目だったんじゃあ・・・という顔のユッコだ。
　「パパ、土木工事は野郎の仕事だわ。」と、アリスが苦言をオレに・・・
でも、日本人の野郎はオレだけなんだが・・・・
　「どうするべきか。」と、悩むオレだ。
一番カンタンなのは、野郎の移民を募ることだが・・・
　オレが反対なのだ。　幼女の国を造りたいオレの野望が・・・・
野郎は、オレひとりで十分なのである。