冒険者の学校。

ゆみすけ

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単なる、土木作業用のロボットなんだ。

ウズメ姫乙からの取説。 

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 ふと、座席の後ろへ眼がいく。 なんか紙っぽいモノが・・・
「ん、なんだ?」と、取り出す。
 それは、ウズメ姫乙が使っていたロボットの取説だった。
所々に赤ペンでメモ描きが・・・もちろん、日本語だ。
 「なんだ、ウズメ姫乙が使っていたヤツか。」と、クロ~ンのヒト型ウズメ姫が・・・現在は妖精タイプだからだ。(ウズメ姫甲)
 同じ顔だが、なぜか微妙に雰囲気に差があったのだ。
取説の最初の項目は・・・
 ① 土木作業ロボットの使い方。
と書いてある。 
 こいつは、土木作業用だったのか・・・惑星開発と思っていたんだが・・・まあ、同じようなモノかも・・・
じゃあ、クレーンタイプとかブルドーザータイプだと思うんだが・・・ 
 ② このロボットは武器として使用しないこと、と注意書きがあるのだ。
でも、ウズメ姫乙は武器使用していたような・・・
 ③ あくまで、平和利用の事、なぜが繰り返し書いてるな。
そして、シャベルや掘削用の器機の取り扱い方が・・・どうやら、ウズメ姫乙は惑星現地での調査員だったようだ。
 だから、戦闘がショボかったんだ。 穴掘りや掘削はできても、戦いは向いてなかったんだ。
ウズメ姫乙は、ある意味は苦労したのだろう・・・と、感慨深いオレだった。
 まあ、元のところへ取説は戻して、ショベルは武器として使えそうだな。
このレバーかな・・・と、レバーを入れる。
 足の部分からショベルが・・・ユッコが騒いでる。
「とうさん、なんかしたの。」で、ある。
 「あ、あ、武器になりそうかな、と思ったんだ。」
と、ショベルをアリスへ・・・
 腕が動いて、ショベルを振り回す。
「これは、腕で殴るより威力が増すわ。」と、アリスが腕でぶん回している。
 穴も掘れるが武器として敵を殴ることもできるショベルは歩兵の銃に次ぐ武器である。
確か、戦闘マニュアルにもショベルでの戦い方が・・・あったような・・・
 
 「これは、いいわ、電撃や冷凍魔法は魔力を消費するからね。」と、ご機嫌なアリスだ。
ユリコやユッコより魔力総量が劣るアリスだ。 
 ショベルはアリスの通常兵器となったのである。
弾丸も消費しないし、環境にも優しいのである。
 「パパ、ありがと。」と、オレに感謝のアリスである。
「ねえ、あたいは?」と、ユリコやユッコが・・・
 しまった、最悪だ。 エコヒイキをしてしまった父親だ。
なんか、無いかなと、あわてて取説を見るオレである。
 「おや、掘削用のドリル・・・」「これだ、電撃を操るユッコにピッタリだ。」と、操縦席のドリルのボタンを押した。
 左足の部分からドリルが付いたインパクトレンチのデカイやつが・・・
交換用のドリルがレンコン型のビットで・・・日本製で、マキタのヤツだ。
 「ありがと、とうさん。」と、ユッコがドリルの先から超電導の電撃をドリル如く回転させて撃ちだした。
そうなると、ユリコが黙っていないのだ。
 ユリコはナデシコタイプの攻撃魔法少女だ。 ナデシコとは、品性があって淑女なのである。
それで、クララやリンダのオキャン型ではないのだ。
 なんも、言わないのだ。 
それが、かえって恐ろしいのだ。 陰にこもって・・・・
 ウラメシヤ~なのである。
あわてて取説をめくるオレである。
 灼熱を操るユリコだ。 内心は熱く燃えてるのである。
「なんか、ないかよ。」と、焦るオレだ。
 ユリコが荒ん(すさん)でしまいかねないのだ。
取説のページをめくる・・・
 「ん、あったぞ。」と、牽引チェーンの項目を見つけるオレだ。
と、注意書きが・・・危険だから、振り回すなと・・・つまり、振り回すと危険ということは、武器になるということなのだ。
 牽引チェーンの赤いボタンを押すオレだ。
「ユリコ、おまえの武器だ。」と、巨大ロボのベルトが・・・なんと、ロボのベルトが牽引チェーンだったのか。
 腰からベルトを外して、ぶん回すユリコだ。 
正直、危険だ。 あぶないのだ。
 三つ首竜の首を・・・カンタンに切断できそうなくらいだ。
「ユリコ、危険な武器だ。」「はい。」「慎重に使いなさい。」「わかったわ、とうさん。」
 うう、ユリコが・とうさん・というと萌えるオレなのだ。

 「よしっ、これで皆の個人武器は、そろったな。」「え、え。」「そうね。」「はい。」
「では、あの岩石を標的にして、使ってみよう。と、身近な岩をしめす。
 「え、え。」「了解だわ。」「ハイ、パパ。」
「まずは、アリスからだ。」
 「いくわよ、パパ。」と、アリスがショベルを岩へ向かって振り下ろした。
「バリン。」と、大きな音と共に岩は・・・真っ二つだ。
 「うむ、よし次はユリコだ。」「はい、とうさん。」
ユリコが牽引チェーンをぶん回して岩石に・・・これも、岩石が粉々だ。
 「いいぞ、ならユッコは、どうだ。」「いくわよ。」
マキタの超電導ドライバーから回転するビットが・・・岩を穴だらけに・・・
 「うむ、これなら三つ首竜にも勝てるだろう。」と、試験に満足するオレである。


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