冒険者の学校。

さあ、凱旋へ出発だ。

ワナにハマってしまった・・・

　「用意はできましたか。」「あ、あ、なんとかできたよ。」「では、行くわよ。」と、馬車の馬に鞭だ。　
火竜の首を載せて、馬車は（なんと、６頭だてだ。）出発した。　
そして、ライラが見繕った土産も載せている。　
全部で、３台の馬車である。　フーボーが手伝いの為に同行する。　
学校の運営はルイザであるが、この王都行きにはルイザも同行している。　
学校は、医院のナデシコ先生任せである。　
まあ、７日程度のつもりだからだ。　
ルイザまでもと疑問だったが、まあいいのだ。　
ルイザも策士では、姉のエリーゼと、いい勝負のようである。　
いくらライラが日本人の子を孕んでも、公爵家が認めなければ単なる私生児の子である。　
そこで、肝入りとしてルイザの同行となったのである。
内心、ライラ任せでは、心配が尽きないからだが・・・策士としては、ルイザも侮れないのである。
火竜の首は目立つので、覆いをかけてある。　
でも、外観から、わかりそうだが・・・　６頭立の馬車なのは、首が重いからである。　
さすがに、王都までは、建設機械では無理である。　
ランクルでは載せられない。　それに、馬車が目立たないから無難である。　
王都までは、３日ほどかかるようだ。　途中に村もあり、野宿はしなくてもダイジョウブらしい。　
ライラは貴族としての位を使い、村長は子爵様として歓迎せざるを得ないようだ。　
それなりに、宿賃は弾むのだが・・・　まあ、貴族様だ、気を使わざる負えないのである。　
そして、フーボーとオレが交代で、火竜の首の警備である。　
牙か角が盗られたら大変だからだ。　
「ユミスケ、王都に着いたら、宿で休むから心配しないで。」と、ライラだ。　
「リンダの宿ってところよ。」「へえ～っ。」と、答えて「フロはあるの？」って聞いた。　
「上宿よ、当然あるわよ。」と、ライラだ。　
「ふふ、二人部屋にする？」と、ニャリと笑うので、「いや、まだライラの親の許しが・・」「そうね、バレるとまずいわね。」と、ライラだ。　
ルイザいわく、ライラの父親へは、王都でユミスケが貴族の爵位が得られてからの紹介が妥当とのことだった。　
それだけ、ライラの父親は娘に眼がないらしい。　
そこは、ルイザに、散々脅されたオレである。　
さすがに、２回目の王都は慣れたモノだった。　
「ここが、リンダの宿よ。」と、紹介するライラだ。　
どうやら、それなりの顔であるようだ。　顔バスで入るライラだ。
　部屋まで決まっているらしい。　
それで、オレはライラの向かいの部屋だった。　
フーボーと二人部屋である。　
オレはひとり部屋を、だったがルイザが二人部屋と決めたのだ。
　部屋は、メイド部屋つきで、フーボーはメイド部屋へである。　
ルイザもライラのメイド部屋へ泊ったのだ。
　ルイザがフーボーへ事細かに指示をしていたが、そこまで心配は必要ないような・・・
「まあ、火竜の首は、明日にでも運び込むから、今日は体を休めてよ。」と、ライラだ。　
それで、ゆっくり疲れた体を休めることとしたのだ。　
三日間の馬車の旅は結構疲れたのだ。　貴族用の宿だから、部屋にフロもあり助かったのだ。　
そして、明日に備えて、ドロのように眠ったのである。