冒険者の学校。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
57 / 273
火竜と地竜の違い。

同じ竜族とは思えない。

しおりを挟む
 「あれが、そうか。」 地上から火炎が噴出している。 
まるで、火山の爆発のようだ。 
どこが、地竜と同族なのだ。 まるで、ウルトラマンの怪獣である。 
ドロ~ンを少しヤツの側に・・・ 
「しまった・・」 火炎を浴びたドロ~ンは画像が消えて、通信途絶だ。 
エラー表示が点滅している。 もったいないことをした。
 以外にヤツは動作が機敏なようだ。
 大きさは、ルイザの言う通り、地竜と変わらない。 
ただ、眼球が真っ赤だ。 地竜は黒い眼の玉だったが。
 そして、皮膚がウロコだ。 硬そうだ。 この建設機械のツメが耐えるか心配なんだが・・ 
しかし、メイドインジャパンだ。 クボタと日本語で描いてある。 
耐火壁が火竜の火炎に負けるとは思えない。 
なんせ、オレが造ったからだ。 試行錯誤の果てに、あの土を見つけたのだ。 
耐火煉瓦は土で決まるのだ。 陶器もそうだ。 
「ここは、正面からではな。」 「どこか、待ち伏せるのに、いい地形はないかな。」 
火竜は、ここから約、1キロの地点だ。 
「ぐずぐずできないぞ。」 自分で焦り始めた。 
「いかん、落ち付かねば・・」 しかし、火竜が来るのだ。 
落ち着いていられないのだ。 
ふと、逃げるか・・・と、いかん、いかん、オレが討伐しなければライラをはじめ、ルイザもフーボーも燃えて消し炭だ。 
オレは、もう行くところがないんだ。 
そう、ここに骨をうずめるしかないのだ。
 ライラは、おそらくオレの死に水を取ってくれるはずだ。 
互いに尻の穴まで、舐めあった仲だ。 無駄な時間を潰してしまった。 
森から上へ火炎があがってるのが見える。 
もうすぐ、火竜とご対面だ。 「くそっ。」と、カツを入れる。 
手が、震えて操作レバーが握れない。 
オレは、それほど熱血漢でもないし、意気地もない単なるオッサンなのだ。 
「くそっ。」手の震えが止まらない。 ここで、終わりなのか。 
「ユミスケ、ユミスケ。」と、声が奥から・・・ 
「ユミスケ、あなたが頼りです。」と、聞こえるのだ。 
「あなたが最後の希望なのです。」と、聞こえるのだ。 
「わかりますが、マジ怖いんですよ。」と、本音を漏らした。 
「ユミスケ、ライラやルイザやツキヨミまでが頼りにしてるんですよ。」
「もちろん、私もですわ。」と、アマテラス様だ。 
「死にたくないです。」と、こぼす。 
「いいでしょう、では銀河最速の計算機が計算結果を伝えますよ。」
「ユミスケ、あなたは火竜に勝つことが決まってるんです。」
「そう、私の計算機が回答を出しました。」「それで、自信をもって戦いに臨むのです。」
「さすれば、勝利はユミスケのものですわ。」「ただし、油断は禁物ですよ。」・・・
 マジなのか・・・ 勝てるのか・・・ そうだ、オレは地竜の首をもぎ取った討伐人だ。  
あばれ熊から猛虎、そして地竜まで討伐した討伐人だ。 
オレの右に出る者は居ないのだ。
 もう、素人ではないのだ。 歴戦の強者(ツワモノ)なのだ。 
いつしか、震えは収まっていた。 
レバーを操作して、機械の両腕の操作を確認する。
 さすが、日本製だ。 鋼のツメは輝き、決して火竜には負けるものかと光っている。 
そう、オレは吹っ切れたのだ。 
正面から討伐してやるぞ。 
堂々と火竜、何するものぞだ。 
そして、オレが機械の両腕を構えたとき、森から火竜が飛び出してきた・・・・・
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

魔法のせいだからって許せるわけがない

ユウユウ
ファンタジー
 私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。  すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...