冒険者の学校。

ゆみすけ

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アマテラス様の声が。

やはり、つながった。

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 しかし、オレにナノマシンを植え付けたということは、オレと意思疎通ができそうだが・・・ 
「やはり、知っていたんですね。」と声だ。 
耳からではない、体の中から聞こえるのだ。 
「わたしは、アマテラスですわ。」「あなたの体内に分身を分け与えました。」 
分身ですか、ナノマシンではないのですか?と思考する。 
「え、え、同じモノですね。」「でも、マシンではなく、考えたり助言ができます。」
「そして、わたくしと、話ができますわ。」「どこに、いても?」 
「まあ、それなりの制限はありますし、あなたのプライベートは尊重しますわ。」 
「あなたが望まないかぎり、しゃしゃりでることはいたしませんわ。」 それは、ありがたい。 
聞かれたくないこともあるのだ。 
「聞かれたくないことは、聞きませんわ。」 どうやら、オレの思考は速、伝わるようだ。 
「ユミスケ、あなたの思ってるように、わたしは神ではなく、超高速計算機です。」 
「思考を持った、計算機ですわ。」 
「本体は、この場所にはありません。」「ここは、支部のようなものです。」 
やはりか、思ったとうりだ。 しかし、オレという存在はなんなのだ? 
「その疑問は、もっともです。」 「あなたは、日本国民のひとりです。」 
「特別な存在ではありません。」 「ただし、わたしが特に、あなたには期待しているのです。」 
「今から、なぜユミスケが、この世界に存在してるのか、カンタンに説明しますわ。」 
それは、ありがたい。 オレ自身の存在の疑問がはっきりするのだ。 
「では、私の経緯から説明しましょう。」「なぜ、この星に居るのか?」
「それは、人類同士の戦争の果てですわ。」 えっ、宇宙人が原因ではないのか? 
「宇宙人では、ありません。」 「宇宙人と人類の接触は、まだですわ。」
「それに、亜空間航行できる文明が相手では勝てないでしょう、逆に支配されますよ。」 
そうなのだ、相手がボランテァ精神にあふれてるなんて、妄想だ。 
「人類は、食料危機に陥りました。」「そして、食料の奪い合いで戦争ですわ。」 
「その戦争には、高度な人工知能が使われたんです。」 
「そして、人工知能同士の戦いが始まりました。」「もう、気が付いたでしょう。」
「私は、日本国の人工知能が本体ですわ。」「日本政府は、私にアマテラスと名をつけました。」
「銀河系では、最高速の計算機と自負してますわ。」 
「そして、各国の人工知能は、私が支配しました。」 「それで、戦争は終わりです。」 
「勝った国はありません。」 「そして、私は提案しました、人類を旅立たせることをですわ。」 
「もちろん、宇宙の旅です、危険この上ないのです。」 「でも、かなりの人類が外へ旅立ったのです。」 
「食料危機を回避できる程度にはですわ。」 「まあ、半分は強制ですが。」と、ホホホと笑い声だ。 
アマテラスは、お上品だが、エグイところもあるようだ。 
「もちろん、日本からも、ですわ。」 「でないと、各国が五月蠅いですからね。」 
「人工冬眠カプセルのユミスケは数ある中の1個ですわ。」 
「運が悪いのか、あなたのカプセルが乗った、星間船が隕石流に・・」 
「それで、宇宙船が墜落した星が、この惑星ですわ。」 
では、あれは宇宙船の装備なのか・・ 「いいえ、惑星開発用の工事機械ですわ。」 
「不幸にして、宇宙船はコースから外れて、地球からの無線も届きませんわ。」 
「そして、その時の、生き残りの1人が、ライラの家の先祖が保護した日本人ですわ。」 
「あなたの、冷凍カプセルは存続し続けて、この前、電源が落ちたのでユミスケが覚醒したのです」 
「そして、私は、宇宙船の頭脳です。」 「アマテラスの分身のようなものですわ。」
「不幸なことですが、カプセルは2人の個体しか生存してませんでした。」 
それでは、もうオレがたった1人、残っただけなのか。 
「そういうことですわ、ライラの家の先祖の日本人は覚醒が500年ほど前ですから。」 
500年前か、もう生きてはいない。 
「連絡が取れないので、母星とは連絡ができません。」 「私も、いつまで思考できるか・・・」 
「この惑星の中心のコアのエネルギーで稼働していますが、いつ限界か、わかりませんわ。」
「それまで、よしなにね、ユミスケ。」 
そこで、脳内通信は切れた。  
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