満州国馬賊討伐飛行隊

天皇陛下バンザイ・・・

そう言って、日本軍人は突撃したのだ。

　よく、戦記もので、実際は天皇陛下バンザイなんて、言わないで、母親とか、妻の名前を叫んで突撃したという、パヨクが多い。　しかし、著者は思うのだ、自分なら日本のために死にたいのである。　なら、日本は天皇陛下の国だ。　もちろん、民主主義だから、現実は自由があり、基本的人権もある。　それは、日本が陛下の元に、まとまっているからだ。　でないと、あっという間に、シナに飲み込まれてしまうだろう。　初代、神武天皇建国以来の我が国だ。　２７００年近い歴史があるのだ。　だから、その元となる、天皇陛下バンサイとなるのだ。　著者は、飛行機に爆弾を抱いて、敵艦に突っ込んだワダツミ達も天皇陛下バンサイと叫んだと確信している。　個人の名前なぞ叫ばないのだ。　日本国バンザイなのだ。　日本イコール天皇陛下であるのだ。　なにも右翼的考えとは思わないのだ。　国のために死ねるなんて、なんと名誉なことだ。　いつかは、死ぬのだ。　永遠の命なぞないのだ。　なら、意義がある死をだ。　なお、これは著者個人の考えだから、影響を受けないで欲しい。　　そして、退役兵は、天皇陛下バンザイと叫んで突撃したのである。　それが、倉田飛曹が９７式を旋回して、降下しはじめた時と、偶然重なったのだ。　運命の神にイタズラである。　下界を観ると、馬車から日本兵が銃を腰だめに突撃だ。　馬賊はたくさん居るのに。　「いかん、これは・・・」　瞬時に判断する倉田飛曹だ。　操縦幹を引いて、ベダルを左右に調整して、馬賊の陣取る位置に機を向ける。　「なむさん、間に合うか！」　射撃ボタンを押す。　「ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ。」　１３ミリ機銃が吠える。　（海軍は７，７ミリだが、陸軍は１３ミリ機銃だ。）　馬車の警備の兵に夢中に射撃していた馬賊どもは、戦闘機の機銃掃射には勝てはしない。　残り全員が針ネズミの刑だ。　しかし、日本兵も銃を持ったまま倒れていた。　「これは、いかん。」　倉田飛曹は注意しながら山道に着陸した。　STOL機能が、すばらしい９７式の新型だ。　伊達に固定脚ではないのだ。　それなりの理由があるのである。　山道の凸凹なぞ、なんのそのだ。　幅が４メートル程度の山道に強行着陸だ。　車輪の幅がギリだ。　そして、傷ついた退役兵を乗せる。　もちろん、担架が用意してある９７式だ。　そして、問題は離陸だ。　倉田飛曹は、頑丈なロープを出して、尾輪につなぎ、そして太い樹木の幹に端を結んだ。　そして、御者に、「合図したらロープを切ってくれ。」　とナイフを渡した。　つまり、ロープをカタパルト代わりに使うのだ。　エンジン全開だ、エンジンフラップが開く。　尾輪が起き上がる。　機体がきしむ。　もうすこしだ。　「今だ。」　合図をする倉田だ。　御者がロープを切る。　９７式は、スルスルと速度をあげて、あわや崖に・・・　しかし、そこは倉田飛曹だ。　運の良さは女神（アマテラス）の加護がありそうなのだ。　９７式は、崖から落ちながら機体を立て直した。　それを、見ていたのが御者と娘らだけとは、まことに残念である。　娘らは、突然あらわれた戦闘機に唖然だ。　それも翼に、日の丸の日本軍戦闘機だ。　「初めて見たわ。」　「あれが、日本軍。」　「あっ、お礼を言う暇が・・・・」　「あとで、奉天までね・・・・」