満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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両班同士の奪い合い。

生娘、奪還だ。

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 「なに、苦労して奪った生娘を奪われたと・・・」 「だれに、奪われたのじゃ。」 「おそらく、両班のチャンと。」 「なに、チャンとは同盟を組んだはずでは。」 「それが、襲ってきたのは、チャンのヤツらと思われます。」 「くそっ、騙された、くそっ騙された。」 朝鮮のコトワザに騙されるが悪いとある、そう騙される方がバカなのである。 そうと知ってはいるが、ついつい乗せられてしまうのだ。 そう、バカなのである。 「5人もの生娘とあれば密約も反故だわさ。」 「そうでげすな、騙されるリャンが悪いのだ。」 チャンが手下頭と笑っていた。 「ところで、どこに生娘を隠したのだ。」 「ハイ、屋敷ではバレるので、ハタゴ屋の裏2階に隠しました。」 「ほう、考えたな。」 「逃げられんように、見張りは大丈夫か?」 「はあ、3人で見張らせていますだ。」 「手を付けないように、絶対だぞ。」 「わかってますだ、なかなか満州生娘はオッですからな。」 両班のチャンは生娘を観ようと裏2階へ・・・ そこに、背後から切りつけられる。 振り返ると、手下頭だ。 「おまえ、裏切ったな。」 「だまされる、あんたが悪いのだ。」 手下頭は、両班貴族のキン・パクから金3貫のワイロで寝返ったのだ。 そりゃあ、1貫より3貫に寝返るわな~あ。 そして、生娘5人はキン・パクの座敷牢へご案内だ。 なんせ、50貫の値の献女だ、あつかいは丁寧にだ。 朝鮮の両班貴族は互いに奪い合い、騙しあい、殺し合いに明け暮れていたのだ。 その戦いを、はるか上から日本軍の97式が写真で撮影しているのも知らずにだ。 飛行機の音なぞ、生娘の奪い合いで、なんとも思わないのである。 ・・・ そのころ、討伐隊格納庫では、たくさんの検査係が撮影した写真の解析をしていた。 人の動きや建物の出入り、そして両班貴族の屋敷を重点に検査したのである。 「これは、朝鮮ヤクザの争いかな?」 「うむ、そのようだ、蛮刀で、斬り合いだな。」 「あれ、これは?」 「お、お、5人の娘だ。」 「おそらく、運ばれるところだ。」 「よし、時間と場所を特定だ。」 「場所はヘイジョウの北50キロの両班街だ。」 「近くに広場は無いかな。」 「あるぞ、あるぞ。」 「ここに、離着陸できる広場と思われるところが。」 「よし、では出撃だ。」 「今回は、戦闘が予想されるから、突撃銃装備で、医療員も加えるぞ。」 「では、15機ですね。」 「そうだ、3機を回収機として、12機は銃装備で、陸戦員も同乗することとする。」 「敵は殲滅で、必ず5人を奪還すべし。」 つまり、3機の5人の娘を乗せる、そして残りに機には陸戦兵を同乗するのである。 とうぜん、衛生兵も同乗するのだ。 万全の体制で5人の娘の奪還に臨んだのだ。 写真で観るに、銃撃戦だ。 おそらく、シナからのモーゼルで、朝鮮ヤクザは武装している。 そこに、殴り込むのだ。 こちらも、陸軍の開発した突撃連発ライフルで武装しないと勝ち目がないのだ。 3連バースト装置装備の最新突撃銃である。 長弾倉も予備を入れて装備したのである。 陸軍の陸戦員は防弾カブトも用意してくれた。 これは、ドイツで開発された頭を保護するカブトだ。 重いので、機上ではかぶらない。 「時間がない、すぐに出発だ。」 本郷隊長の命令で、15機の97式が爆音をあげて離陸する。 ちなみに、陸戦員は、シナとの紛争で活躍した経験者ばかりだ。 手榴弾や迫撃砲まで用意は十分だ。 迫撃砲は分解して2人で運べるすぐれ物だ。 筒で、手榴弾を上から入れると、ポンと飛びだして攻撃できるのである。 カンタンな兵器だが、実際に大東亜戦で米軍を悩ませた武器だ。 朝鮮ヤクザVS日本軍陸戦隊だ・・・・・
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