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禿げ山の半島
山が禿げてるのが半島だ。
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朝鮮の山は禿げ山だ。 なぜなら、朝食の支度に木を切るからだ。 そして植林なぞヤラない。 だから、だんだん禿げ山だ。 それが、緑の山に変化する境がある。 観ればわかるのだ。 あちらは禿山、こちらは、緑の山。 その境は国境だ。 そう、おわかりと思うが、朝鮮と満州の国境である。 朝鮮は植林をしないのだ。 将来の何十年先のことは考えないヤツらだ。 さて、その満州の緑の森が紅葉で、色づいた。 紅葉狩りである。 イクレイ寺への遠足だ。 寺は、お参りをすればお茶で接待してくれるそうな。 紅葉で、お茶を楽しむ。 なんと風流なことだ。 奉天のレイカ女学校の1年の20人が遠足だ。 遠足でも、歩きではない。 通学バスでの遠足だ。 付き添いに女教師が3人付いた。 そして、ガイドの婆さんだ。 オトコは、運転士と警備の退役軍人の2人だ。 計、26人がバスに乗った。 皆、お弁当を持参だ。 そして、甘みの店から、差し入れのお饅頭もあるのだ。 ウサギの形の名物饅頭だ。 ・・・ 朝鮮の両班貴族の作戦は、イクレイ寺までは、すこし山道があるのだ。 バスで、寺門には入れないのだ。 その山道を狙うのだ。 まずは、護衛の退役軍人を殺るのだ。 運転士はバスの番でいない。 野郎は退役軍人だけだ。 あとは、婆さんはどうでもいい。 女教師も、同時にさらえば売女として売れるだろう。 問題は20人の生娘を運ぶ方法だ。 馬車には20人は無理だ。 せいぜい、5人だ。 バスなんて朝鮮には無い。 「なら、上玉の5人だけさらうんだ。」 「あとの娘は。」 「猿ぐつわでもかまして転がしておけ、来年にでも誘拐すればいいのだ。」 「いいか、欲を欠くなよ。」 「婆と教師は五月蠅いようなら始末してかまわん。」 「そして、今回は取り戻される危険があるから、直接シナ様まで運べ。」 「いいんですかい。」 「あ、あ、話は通してある。」 「いいか、欲をかくなよ、失敗するぞ。」 両班貴族は、口をすっぱくいう。 「これが、シナ様から頂いた銃だ。」 とライフルを渡される手下だ。 「これで、警備のヤツを殺れ。」 「わかりゃした。」 「いいか、間違っても生娘を突っこうなんてダメだぞ。」 「わかりやした。」 しかし、手下は内心、余った娘は現場で味見するつもりだ。 なんせ、ヨダレたらたらだからだ。 清楚で、可憐な生娘を頂くなんて、思っただけでも最高だ。 手下はライフルを構えてヤル気満々だ。 どうやら、遠足は明日らしい。 朝鮮馬賊は、シナ様から借りてきた馬車をイクレイ寺の付近に隠す。 山道を見渡せる場所にライフルを配置する。 生娘を放り込む袋も用意した。 あとは、退役軍人を・・・ 「あ、来やしたぜ。」 送迎バスが寺の山道の下まで来たようだ。 なんか、キャアキャアと黄色い声が聞える。 間違いない、生娘らだ。 「いいか、おそらく最後に警備のヤツがいるはずだ。」 「あ、あ。」 「よく、狙えよ、外せば計画は終わりだ。」 朝鮮馬賊は、生娘らの後ろから歩く銃を担いだ老人を慎重に狙った・・・・・
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