満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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おなごは、群れる。

生娘の集団だ。

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 「では、満州国の奉天への街道に網を張るんでげすな。」 「そうだ、今回は偵察だからな。」 「偵察?」 「見るだけだ、手をだすなよ。」 「つまり、生娘を誘拐はしないんで。」 「偵察は、見るだけだ。」 「はあ、わかりやした。」 「いいか、満州の討伐隊には感づかれるなよ。」 「でも、だれが討伐隊のヤツか、わからねえでげすが。」 「バカか、おみゃあ。」 と両班の貴族が手下の中人を蹴飛ばす。 アタマは叩かない。 なぜなら、朝鮮族はアタマを叩くと1000年恨むからだ。 自身の部下のあつかいは心得ている両班だ。 アタマの替わりに蹴飛ばしてムチ打ちだ。 まあ、どちらも同じと著者は思うが。 「いいか、手は出すなよ、見てくるだけだ。」 「わかりやんした。」 そして、数人で手下は満州族の農家の おのぼりさん に化けて国境を越えた。 まあ、普通の道を歩けばカンバンが立ってるだけなのだ。 「これより、満州国。」 と朝鮮語(ハングルではない。)と満州言葉で書かれている。 主な街道には関所(検問所)があるが、普通の検問所の無い道もあるのだ。 これでは、賊が入り放題であるが、柵なぞ造る予算は、無い満州国だ。 まあ、税金が安いからだが、政府は国民の生活を優先しているからだ。 それで、軍隊を維持するだけで、手が一杯なのだ。 朝鮮の手下は、数人で組となり歩く。 ひとりではない。 それは、ひとりだとウソの報告をするからだ。 両班貴族も、そこは承知しているのだ。 なんせ、朝鮮に信用とか約束とか規則、法律なぞの概念は無い。 ・・・・ 「お、お、ここが奉天か。」 手下らは、繁栄している満州国の都市を見て、顔をあげた。 平屋のワラぶき屋根なぞ無い。 瓦屋根もあるが、主にレンガの建物だ。 例えるなら、日本の田舎の、さらに田舎の、バスが日に数本の田舎から、電車に乗り東京駅から顔を出した、お上りさんだ。 そして、生娘の群れを観た。 まあ、ヤツラには眼の毒だ。 「いっぱい、いるだぞ。」 「そうだ、そうだ、献女の群れだ。」 おなごは、なぜか集団を造りたがる、そして中で序列を作るのだ。 言葉で、いうわけではない、感覚で作るらしい。 著者は、おなごではないから判らないのだ。 「これだけ、いっぱい居るなら、すこしくらいワシらがチョロまかしてもいいわな。」 「そうだ、そうだ、全部よこせとはいわない。」 「しかし、居るところには居るもんだな。」 手下には生娘の群れが、生け簀の鯉かフナに見えるんだろう。 もう、ヨダレを垂らしている手下もいた。 「いいか、手は出すなよ。」 「あ、あ、わかってらあ。」 「いいか、おなごが群れで、歩いてくる街道を偵察にきたんだぞ。」 「お、お、あんなに、おなごが、あれは生娘に違いない。」 「なにを観てる、そうヨダレを、もう変態にしか見えないぞ。」 「いいか、数人の群れの通行を偵察するんだ。」 「あれは、あのセーラーは最高だな。」 「どれだ、どれだ。」 「あの、白い線が2本の娘だ。」 「あれか、足首の締まりといい、ケツのふくよかなこと、あれを後ろから、こう。」 「ばかか、変な目で見るな。」 と手下の親玉が、そいつを蹴飛ばす。 しかし、上玉だ。 「おい、あの娘らをつけるぞ。」 とうとう、目をつけられた生娘が・・・・・・・
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