満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
79 / 212
火事だ。

献女どころではない。

しおりを挟む
 「ん、なんか、煙くないか。」 「だれうか、タバコでも。」 「いや、違うぞ。」 「これは、火事だ。」 「うわ。」 「逃げろ。」 とう、大騒動だ。 貢物の献女のことも、なんのそのだ。 おかまいなしに、逃げ出した。 さすが、逃げ足だけは、世界一の朝鮮民族だ。 そして、全員が表で網を張っていた鉄虎隊の面々に捕縛された。 そして、取調べのために、満州国の牢獄まで、運ばれたのだ。 そして、肝心の献女の満州生娘達だ。 全員が開放されて、深夜であるから、97式は危険だ。 それで、乗り合いバスで15人が奉天まで、送ることとなる。 座敷牢の一角に固まって震えていた生娘らは自由の身だ。 しかし、やはり取り調べの関係で奉天官吏の役所へ・・・ 今回は、討伐隊の97式は活躍の場がなかった。 そして、旧97式の飛竜隊も同じだ。 もちぱら、活躍したのは、日本陸軍の退役軍人と給食のおばさん、と鉄虎隊であった。 ところで、朝鮮の両班の手下の利工は? 満州側は利工の存在を知らない。 そして、隠れ家の番人であった、朝鮮族は身分でいえば、両班・中人・常人・賎人と4階級あるうちの賎人は奴隷以下で、ただの生きている動物のあつかいで、番人には無理である。 そう、常人階級である。 利工は中人階級であった。 利工という、名前から知恵はあったのか、隠れ家に、地下通路の逃げ口から、まんまと逃げ出したのだ。 (脱出用の地下通路は利工しか知らない、作った人夫は口封じで殺したからだ。) 満州官吏は朝鮮族の常人である、番人を取り調べる。 {言われたことをやってただけだ。」 「両班様の伝え人のいうがままでさあ。」 「詳しいことは、話しますが、あんまり知らない。」 「まだ、今月の給金をもらってないが、そちらで払ってくれないか。」 などと言い出すヤカラなど、調べても、いい訳しか、そして利工という役人に言われてやった、と喚くばかりだ。 満州国の官吏も、「なんと、いい訳と己の保身しか無い、クズ以下だ。」 とサジを投げる。 そして、朝鮮側に捕縛した者らの素性を問い合わせても、「そんなヤカラは、我が方にはいない、打ち首なぞ、どうぞ勝手に。」 と伝えてくる始末だ。 もとより、満州側は、今後いっさい献女のために満州娘の誘拐をやめてほしいのだが、なんともなりませんでした、と官吏は・・・・ 斉藤空尉は、「ここでけの、話だが。」と言い訳して。 「ヤツラとかかわってはダメだ。」 「そして、ヤルなというと、よけいにヤルやつらなんだ。」 「そして、献女はシナがあるかぎりなくならない。」 「聞くところでは朝鮮の生娘を、ほとんど献女に出してしまい、それで考え出したらしい。」 「満州国は、とんだ災難ですね。」 「あ、あ、日本とは海(日本海)があるからな。」 日本の生娘らは、ありがたい日本海に守られているのだ。 「やつら、朝鮮族は泳げないんだ。」 「まさか?」 「本当さ、海で魚を漁る漁師でさえ、ほとんど泳げないらしい。」 「どうしてですかね。」 「さあ、オレは、かかわらないから知らないが。」 とは斉藤空尉の言葉だ。 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ
歴史・時代
 ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・

蒼雷の艦隊

和蘭芹わこ
歴史・時代
第五回歴史時代小説大賞に応募しています。 よろしければ、お気に入り登録と投票是非宜しくお願いします。 一九四二年、三月二日。 スラバヤ沖海戦中に、英国の軍兵四二二人が、駆逐艦『雷』によって救助され、その命を助けられた。 雷艦長、その名は「工藤俊作」。 身長一八八センチの大柄な身体……ではなく、その姿は一三○センチにも満たない身体であった。 これ程までに小さな身体で、一体どういう風に指示を送ったのか。 これは、史実とは少し違う、そんな小さな艦長の物語。

大航海時代 日本語版

藤瀬 慶久
歴史・時代
日本にも大航海時代があった――― 関ケ原合戦に勝利した徳川家康は、香木『伽羅』を求めて朱印船と呼ばれる交易船を東南アジア各地に派遣した それはあたかも、香辛料を求めてアジア航路を開拓したヨーロッパ諸国の後を追うが如くであった ―――鎖国前夜の1631年 坂本龍馬に先駆けること200年以上前 東の果てから世界の海へと漕ぎ出した、角屋七郎兵衛栄吉の人生を描く海洋冒険ロマン 『小説家になろう』で掲載中の拙稿「近江の轍」のサイドストーリーシリーズです ※この小説は『小説家になろう』『カクヨム』『アルファポリス』で掲載します

ソラノカケラ    ⦅Shattered Skies⦆

みにみ
歴史・時代
2026年 中華人民共和国が台湾へ軍事侵攻を開始 台湾側は地の利を生かし善戦するも 人海戦術で推してくる中国側に敗走を重ね たった3ヶ月ほどで第2作戦区以外を掌握される 背に腹を変えられなくなった台湾政府は 傭兵を雇うことを決定 世界各地から金を求めて傭兵たちが集まった これは、その中の1人 台湾空軍特務中尉Mr.MAITOKIこと 舞時景都と 台湾空軍特務中士Mr.SASENOこと 佐世野榛名のコンビによる 台湾開放戦を描いた物語である ※エースコンバットみたいな世界観で描いてます()

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?

俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。 この他、 「新訳 零戦戦記」 「総統戦記」もよろしくお願いします。

独裁者・武田信玄

いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます! 平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。 『事実は小説よりも奇なり』 この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに…… 歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。 過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。 【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い 【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形 【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人 【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある 【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。 (前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

処理中です...