大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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シュリーマンの最期

こんなところで、オレはイヤだ。

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 道なき道を馬車で、進む。 付近の村で、案内人を雇った。 
しかし、案内人はある程度行くと、金をもらって引き返してしまう。
 案内人自身が、帰れなくなるからだ。 
これでは、金がいくらあっても持たない、シナではさらに金がものをいう。 
 逃亡者には、金、金、金、が必要だ。 
かなり、独逸帝国で金塊やら金貨をカバンに詰めていたが、すでにカバンが軽いのだ。 
 「くっそ、馬車屋に払った30枚の金貨は痛かった。」 シュリーマンは馬車の御者台で、怒りを・・・・  
馬ではなく馬車にしたのは、テントや防寒着、食糧などを運ぶためだ。 
 馬のみでは、シベリアで、馬のエサにも困るのだ。 
遠くで、オオカミの遠吠えだ。 え、しまった、オオカミに感づかれた。 
 ヤツラは群れで、襲ってくる。 
シュリーマンの拳銃がいくら名手でも、数には勝てない。 
 「くっそ。」 馬にムチをあてて馬車の速度をあげた。 
しかし、それもシベリアオオカミにはきかない、だんだんと遠吠えが近くなる。 
 しかし、シュリーマンも夜にはテントを張り野営しなくてはならない。 
焚き火を盛大に燃やす。 オオカミを遠ざけるためだ。 

 シュリーマンもシベリア行軍で疲れたか、こっくり、こっくり・・・ と、それは突然やってきた。 
雪を蹴立てる音が聞える。 ヤツラだ。 
 拳銃を手にシュリーマンは身構える。 
しかし、オオカミの飛びつく方が早かった。 
 あっという間に、数頭のオオカミに飛びつかれた。 
思わず仰け反るシュリーマンだ。 
 その頃には、馬は哀れ、オオカミのエサだ。 
馬車の食糧もオオカミに荒らされている。 
 「くそっ、こんなところで、くっそ。」 「おわわわわわわ・・・」 
シュリーマンは腹にオオカミの牙で食いつかれて悲鳴を上げる。 
 野生の野獣にとり、はらわたはご馳走なのだ。 
内臓を生きたまま食われて、シュリーマンは、口から泡と血糊を吐き死んでいった。 
 世界第二位の軍事大国、独逸帝国の総帥の末路としては、著者も哀れと・・・・・・  

 ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、 無限軌道の音だ。 
野生動物達、熊やオオカミまでもが、逃げて遠巻きに見守る。 
 独逸帝国、ロンメロ軍団のV型戦車だ。 
彼らは、付近の村で、案内人として雇われた猟師から不審な馬車の話を聞いて探索に出たのだ。
 雪道に馬車の車輪のわだちの跡を追ってきたのだ。 
独逸帝国ロンメロ軍団は、この追跡劇で、貴重な寒冷地での運用ノウハウを得たのだ。 
 蓄電池は寒さで、電力が落ちる。 
ラジエーターは凍りつく。 
 エンジンオイルは寒さで粘度がガタ落ちだ。 
それらを克服して討伐隊は進んできたのである。 
 戦車の車台を直接触ると手に焼けど(寒すぎて寒さで焼けどと同じだ。)を負うのである。 
牛革の分厚い手袋はかかせないのだ。 
 吹雪でのゴーグルは必須なのだ。 
やがて、野営地と思わしき場所を見つけた。 
 あれは、遭難者だ。 酷いありさまだ。 はらわたを食われて胴が半分無い。 
「オイ、あれは・・・・」 討伐隊は戦車を降りて駆け寄った。 
誰も何も言わなかった。 
 シュリーマンの食われた遺体を発見して討伐隊の任務は終了したのである。 
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