大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
371 / 380
親書の内容。

ロンメロの親書

しおりを挟む
 総理官邸で、フローラより山田総理はロンメロ将軍の親書を受け取る。 総理は開いた。(原文はドイツ語だが、読者のために著者があえて日本語訳の書き直しをしたのだ。)・・ 親愛なる、日本国総理、私は独逸帝国臨時政府代表のロンメロです。 私は日本国と和解したい。 それは、先のゲッペルン総帥の願いでもあります。 不可侵条約を締結したいのです。 独逸帝国に、いきなり民主主義は早急であります。 少しの時間をいただきたい。 互いに武官と大使交換を望みます。 そして、ぜひにも空母の援軍を、それは、総帥暗殺の首魁である、ソ連へ逃亡したシュリーマン前総帥逮捕のためであります。 独逸帝国は海軍、空軍も打撃をこうむりソ連への報復は不可能であります。 ぜひにでも空母による、独逸帝国陸軍戦車隊の輸送のみ、切にお願いしたいのです。 この親書は妻に持たせました、ご返事を・・ 総理は親書を読んだ、「フローラさん、ですか内容は理解しました。」 総理は、ここで独逸帝国へ売る恩は天文学的に大きい。 なんせ、先のゲッペルン総帥の仇を取るのにカムことができるからだ。 お局士官から、ゲッペルン総帥の独逸帝国での人気は総理は聞いていた。 日本国の今上陛下ほどではないが、近い人望であったのだ。 総理は米国や英国に根回し、していたから、即答だ。 「いいでしょう、正規空母での陸軍戦車隊を引き受けましょう。」 フローラは、顔を輝かせて喜んだ。 総理は返事を書くので、待っていてくれと退出した。 もう、ハンナとフローラは何十年の旧友の態度だ。 STOL機内で、ハンナはフローラをハンナのシンパにしてしまっていたのだ。 まあ、ハンナの生まれ持った特技であった。 それで、山田君もハンナに若い頃に落ちて今現在に至るのだ。 たったの2日で、世界は大きく動いた。  独逸帝国と日本国の和解は、フローラとハンナにより、成し遂げられたのである。 不可侵条約と、互いに大使と武官の相互派遣は大きな意味を持つのである。 数日して、無敵ロンメロV型戦車軍団に出動命令が出た! 全、V型戦車250両が、ソ連へ報復攻撃の遠征命令である。 なんと、輸送するのは、泣く子も黙る日本軍正規空母のアマテラス改Ⅱだ。 あれ、アマテラス改ではないのか。 日本軍、それも無敵日本海軍は遊んでいたわけではない。 アマテラス改Ⅱは強襲揚陸艦の要素をプラスした正規空母だ。 日本は震災が多い、それも地震だ。 それで、道路破壊に左右されない海上輸送で、多くの復興工作重機を運ぶ、そして臨時避難所としても使える正規空母が、とうとう完成したのである。 重機運搬に船のクレーンでは遅いのだ。 正規空母の飛行甲板は移動でき、重機の誘導路となるのである。 何十トンの重機運搬が可能である、V型戦車なぞ軽いくらいだ。 ロンメロは海岸に停泊した正規空母から、斜め下に飛行甲板が動いて、そこからV型戦車が、簡単に空母へ搬送される様をながめて固まっていた。 なんと恐ろしい軍事技術の日本軍空母だ。 これを観たら、日本を・・・なんて、独裁者のクロ電話でも思わないわ。 250両の新型のV型戦車は正規空母の飛行甲板に軽々収まった。 そして燃料用のタンカーが空母に随伴する。 航空燃料では、独逸帝国ご自慢のV型は動かないのだ。 ハイオクタンのガソリンで動くのである。 正規空母の甲板は爆装攻撃機の重量に耐える。 重さ40トンの戦車の200両や300両で、船の重心はビクともしなかったのだ。 なお、この様子は世界配信されて、各国とも号外で伝えたのである。 日本軍正規空母が独逸帝国の最新戦車を載せるなぞ、だれが想像できよう。  空母のマストにZ旗が上がる。 これは、日本海海戦の旗艦三笠と同じだ。 Z旗がラストの旗なのだ。 つまり、この次はないのだ。 帝国の興廃、この一戦にあり、各員いっそう奮闘努力せよ。 独逸帝国の報復攻撃は、とうとう幕があがったのだ。 
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ
歴史・時代
 満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。 

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

B29を撃墜する方法。

ゆみすけ
歴史・時代
 いかに、空の要塞を撃ち落とすか、これは、帝都防空隊の血と汗の物語である。

零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ
歴史・時代
 ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

西涼女侠伝

水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超  舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。  役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。  家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。  ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。  荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。  主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。  三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)  涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。

陣代『諏訪勝頼』――御旗盾無、御照覧あれ!――

黒鯛の刺身♪
歴史・時代
戦国の巨獣と恐れられた『武田信玄』の実質的後継者である『諏訪勝頼』。  一般には武田勝頼と記されることが多い。  ……が、しかし、彼は正統な後継者ではなかった。  信玄の遺言に寄れば、正式な後継者は信玄の孫とあった。  つまり勝頼の子である信勝が後継者であり、勝頼は陣代。  一介の後見人の立場でしかない。  織田信長や徳川家康ら稀代の英雄たちと戦うのに、正式な当主と成れず、一介の後見人として戦わねばならなかった諏訪勝頼。  ……これは、そんな悲運の名将のお話である。 【画像引用】……諏訪勝頼・高野山持明院蔵 【注意】……武田贔屓のお話です。  所説あります。  あくまでも一つのお話としてお楽しみください。

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

処理中です...