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シュリーマンの誤算
まさか、ウソだといってくれ!
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独逸帝国のベルリン空港をSTOL(日本政府専用プライベートジェット機は長いので、以下STOLとします。)が飛び立つ。 とうぜん、フローラがハンナと乗っている。 機は、独逸帝国から中東、インドを経て、東シナ海を通過して、日本の羽田を目指した。 途中、独逸帝国支配の中東で、給油だ。 独逸帝国石油プラントの前の広場に着陸できた。 そして、離陸だ。 もうフローラは夢のような旅客機に夢中だ。 そして、日本の友好国インドで、給油した。 いままでのジェット機では、飛行場の設備がないから無理だった。 ジェットエンジンスターターの開発は大日本航空機の威信を掛けたものだけに、ハンナも鼻が高いのだ。 それに、STOL機の燃料は最悪、灯油でOKだった。 本来ならジェット燃料はケロシンだが、それに添加剤をいれて使うのだが、未開発国でも運用可のエンジンは、燃料を選ばなかったのだ。 操縦者は、開発者から最悪、ウオッカでもいけると聞いていた。 ただし、酒に強いロシア人も、たまげるほど強いウオッカが条件だ。 STOL機は、24時間で、地球を半周して、羽田へ降下した。 ロンメロ将軍夫人、日本訪問の電撃ニュースは世界を駆け巡った。 米国、英国も歓迎する論評であった。 それも、総理夫人と同伴での日本訪問だ。 なお、随伴には、米国のファルコン改が羽田までついて来てくれた。 なんと、磐石な日米の軍事同盟か。 つまり、ファルコン改もシェットエンジンが改良されているのである。 燃料を選ばないエンジンのファルコン改であったのだ。 大日本航空米国支店も日本国の本店に負けてはいないのである。 ロンメロ将軍夫人をひと目、見ようと羽田は報道陣や歓迎のヒトで埋まる。 第一印象は、なんと若くベッピンの夫人だ。 さすが、元独逸帝国総帥秘書だ。 「日本のミナサン、ナカヨクシテクダサーイ。」と愛嬌たっぷりだ。 機内で、ハンナから簡単な日本語を教わったらしい。 まあ、日本のオトコはキンパツに弱い。 ハンナから教わったとうりだった。 フローラは、ロンメロの使者を成功することができると確信したのである。 そして、羽田から総理官邸まで、いつの間に用意したのか、4頭立ての馬車で国賓待遇である。 米国や英国は6頭立て、他の国は4頭立て、大使クラスは2頭立てとなっていた。 ハンナとフローラは馬車に乗り込んだ。 もち、ボンネットは仕舞っている。 つまりオープントップだ。 フローラは正装のドレスを持ってきてよかったと、内心ホットしたとか。(まさか、ハンナのは古臭くて・・・) フローラはロンメロ将軍、つまり独逸帝国トップの妻としての体面を、なんとか保つことができたのである。 ・・・ここは、ソ連クレムリンだ、シュリーマンが独逸帝国キール軍港壊滅の立役者として威勢を振るっていた。 「わたしは、独逸帝国の防空網から海上、地上に至るまで把握している。」 「わたしに任せれば、独逸帝国は再びソ連との同盟に参加せざるをえないのだ。」 クレムリンのイワノーシェフ書記長へ、対独逸帝国の全権を渡せと詰め寄るのだ。 独逸海軍をキール空爆で、壊滅させた功績は大きいのである。 それで、独逸帝国はソ連へ軍隊を派遣が出来ない。 まさか、ローランドを独逸帝国陸軍が行軍できるはずはないからだ。 もう、自信満々のシュリーマンだ。 そこに、息を切らせて職員が、「イワノーシェフ書記、日本と独逸帝国が・・・・」 それを聞いたシュリーマンは、「イヤ、ウソだ、欺瞞情報だ、そんなナズはない。」 と叫んだまま固まっていた。
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