365 / 380
空襲警報だ。
ベルリン空襲!
しおりを挟む
キール軍港を破壊したギガントは、そのままベルリンを目指した。 政変のゴタゴタで、混乱していた、独逸帝国は、ギガントの攻撃で、さらに混乱する。 その混乱に乗じてキール軍港が破壊されてしまった。 そして、やっと飛び立った防空戦闘機がギガントに襲いかかる。 図体のでかいギガントに、サイズが小さい防空戦闘機が、機銃をダダダダダダと撃ち込んだ。 しかし、ギガントはびくともしなかった。 平然と編隊を崩さずに飛んでいる。 防空戦闘機は、さきの英国、ロンドン急襲の串型戦闘機ではない。 あれは、30ミリ機関砲だった。 しかし、ロンドン急襲に失敗してから整備も増産もされなかった。 会社が潰れて、役員は逐電していたからだ。 それで、防空戦闘機は9ミリ機銃である。 それが、2門付いているだけなのだ。 まあ、ギガントには豆鉄砲しか感じないのだ。 あ、あ、このままではベルリンが、独逸帝国の花の都であるベルリンが落ちる。 防空戦闘機は必死で、ギガントに襲い掛かるが、全く歯が立たなかった。 独逸帝国の防空戦闘機のパイロットは、ギガントが、これほどすごいとは思っていなかった。 そのギガントを退けたファルコンは・・・・ 「とても、我らでは防ぎきれません。」 「防空壕へ退避の連絡を。」 防空戦闘機のパイロットは無線で、基地へ悲痛な連絡だ。 ベルリンの空に空襲警報が鳴り響く。 まさか、本当か。 軍事技術では、日本に次いで世界第2位のわが国の首都に空襲警報だ。 信じられない。 多くの独逸国民が、信じられなかったのだ。 ベルリン市内の広報用の拡声器が喚く。 「市民の皆さん、地下鉄か地下道へ、避難してください、これは、演習ではありません。」 「市民の皆さん、本当です、至急に非難を・・・・」 拡声器は喚き続ける。 やがて、ごうん、ごうん、ごうん、ごうん、と4発発動機の重厚な音が響いた。 同時に雲間から多数のギガント攻撃機が姿を現した。 まだ、避難の放送は続いていた。 どうなる、ベルリン、どうなる独逸帝国。 ・・・・やがて、ギガント攻撃機の下部がパカリと開く。 独逸帝国ご自慢の75ミリ連射砲が姿をあらわした。 あ、あ、独逸帝国ベルリンが風前の灯火だ。 と、最前列の攻撃機が・・・・ バガガガガンンーーーと爆散した。 そして2機目が、また爆散した。 まただ、3機目だ。 ギガント編隊は、明らかに動揺している。 まただ、4機目だ。 あ、とうとうギガントがコースを換えた。 どうやら退却するようだ。 あ、また1機爆散した。 すごい、どこの軍だ。 ギガントの編隊は海からソ連へ帰っていった。 「よし、戦闘態勢を解除しろ。」 ロンメロ将軍が戦闘指揮車から指令した。 観ると、退避壕の盛り土にV型の新型戦車が砲を空に向けて斜め上の姿勢で、ギガントを攻撃していたようだ。 なんと、V型戦車の75ミリ砲でギガントを撃ち落したのか。 そうか、ギガントの75ミリとV型戦車の長砲身75ミリ砲は同じだ。 そして仰角が戦車砲では、足りないから盛り土を利用したのだ。 さすが、ロンメロ将軍だ。 独逸帝国、国民の信頼と期待はダテではないようだ。
0
お気に入りに追加
300
あなたにおすすめの小説
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
零式輸送機、満州の空を飛ぶ。
ゆみすけ
歴史・時代
ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる