大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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独逸帝国の内紛

ロンメロ将軍立つⅡ

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 ロンメロは陸軍基地へ帰った。 
従卒に、「近衛連隊まで。」と伝える。 
 ロンメロ将軍のクルマは本来リムジンではない。 
現在は戦闘指揮車である。 
 6輪駆動の独逸帝国自動車技術の粋を集めて作られた戦闘車である。 
独逸帝国陸軍旗をたなびかせて車は進む。 
 戦闘指揮車であるから、とうぜん無線機は出力が、でかいものが装備されていた。 
なんと、出力100ワットだ。 
 普通、無線車の無線機は出力10ワットあればいいほうだ。(パトカーなど、そんなものだ。) 
いかに、すごいかだ。 
 近衛連隊の守衛が直立不動で敬礼するなかを、近衛連隊宿舎前に止まる。 
バウム、と重厚な音でハッチが開いた。 
 ロンメロ将軍は遠慮なく宿舎に入る。 
ちょうど、朝の点呼の時間だった。 
 ロンメロは点呼の指揮をとっていた連隊長へ、手で合図だ。 
連隊長に耳打ちした。 
 「ただいまから、ロンメロ将軍の訓示がある、傾聴せよ。」と連隊長が冷や汗まじりに・・・ 
「ロンメロだ、我が、独逸帝国の復興はだれが?」 
 前にいた近衛の幹部が、「ゲッペルン総帥であらします。」 少しカンだ。 
 「うむ、そのとうりだ、しかしゲッペルン総帥は亡くなられた。」 空を見上げて涙ぐむロンメロだ。 
「それが、暗殺だとしたら、どうする?」 近衛連隊全員がざわつく。 
 かりにも、将軍の言葉である、ウソなどではない。 
「オレは仇を取る。」 
 ロンメロは右手を上げて、握りこぶしを作った。 
「シュミットはいるか。」 「ハイ。」 
 シュミット少尉が前にでた。 
「君と、その仲間は、オレの指揮下に入れ、他の者は指示あるまで待機。」 
 「1時間後に戒厳令をだす。」 
「新聞社と放送局を押さえろ。」 
 「この、写真を複写して号外を出させろ。」 
「海軍と飛行軍は、お前達が押さえろ。」 
 「陸軍第3軍は総帥府を囲め。」 
「シュリーマン総帥はオレが押さえる。」 次々と指令が飛ぶ。 
 遅ければクーデターは失敗するのだ。 
勢いがあるうちに、放送局や新聞社を押さえて、シュリーマンを確保すれば、なんとかなるやもしれん。 

 ロンメロは勝負に出たのだ。 
躊躇していては、機会を逃すし、ゲッペルン総帥の仇なぞ取れない。 
 ロンメロはシュリーマンの秘書(ロンメロのスパイだ。)にも密かに連絡を取り、現在シュリーマンが居るところを把握していたのだ。 
 シュミットは、近衛連隊の仲間と、それぞれ班を作り、新聞社や放送局へ。 
ロンメロは、「いいか、抵抗したとしても独逸帝国民だ、なるべく殺傷は控えるように、ただ自己防衛は別だ。」 と指令する。 
 そして、戦闘指揮車が司令塔となる。 
日頃から訓練に明け暮れていたロンメロの部下にとり、クーデターなど容易なことであった。 
 それも、ゲッペルン総帥の仇を取るのだ、正義は我にありだ。 
風は、ロンメロ将軍に吹いたのである。 (蛇足だが、警察や役所もロンメロの部下が押さえた。 つまりアサルトライフルを持った軍人が制圧するのである。)
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