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進攻場所は?
予想はロンドンだ。
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ここは、日本の総理官邸の情報統合危機管理室である。 いつ、それが出来たかは秘密なのである。 そこで、偵察衛星の写真の検証が行われていた。 グルップ重工業の滑走路には、整然と100機のギガント輸送機が並んでいる。 4発プロペラの大型機で、100人は乗れそうである。 そして、戦車工場では、アルミ合金と思われる小型輸送車が大量に生産されつつある。 おそらく、兵員輸送用だ。 しかし、ユンケーヌ社の上空からの写真は30機あまりの戦闘機が見えるだけだ。 そして、工場裏には残骸が積んである。 それが、あるとき、残骸がすくなくなり、戦闘機が60機に増えた。 そして、数日後に30機あまりに戻ったのだ。 ナゾだ。 分析官の佐藤と大倉は、迷う。 「これは、どういうことだ。」 「わからん、生産が増えては減る。」 「いきなり倍になったと思えば、また半分だ。」 「総理になんて説明しようか。」 「まあ、本当のところ不明としか。」 「そうだな、戦闘機生産になんらかの弊害があるらしい。」 総理も後日、説明を受けたが、独逸帝国も一枚岩ではないようである。 「英国からユダヤスパイの・・・・」 「まだ、入っていない。」 そこへ、衛星通信課から緊急伝である。 総理は赤電を取る。 「総理、英国からですが、30日後らしいと、場所は不明と。」 「そうか、英国には空母の派遣を伝えてくれ。」 「わかりました。」 赤電を切る。 米国も空母を派遣するが、まだ詳細は決まっていない。 どうしてか、それは独逸帝国の戦闘機が、なんともわからないからだ。 技師らは、ファルコン危うし、の大合唱である。 しかし、新型は間に合わない。 ファルコンで対抗するしかないのだ。 日本では、ハヤブサだが、満州国で、戦車には月光改が対応した。 実際、ハヤブサもファルコンも実戦経験などは無い。 それは、相手のユンケーヌも同じだ。 しかし、ユンケーヌⅡ型は航空技師いわく、脅威であるらしい。 かつて大東亜戦争で初めてゼロ戦に立ち向かった米国戦闘機のP40カーチスはゼロ戦にとりカモであった。 P51マスタングで、始めてゼロに対抗できたのである。 ソ連製の戦闘機なぞは、ゼロにとり単なるマトであるほどだ。 もし、ファルコンにとり、ユンケーヌが勝てない相手では、英国は独逸帝国降下兵の餌食だ。 なんせ、陸軍は独逸帝国が無双である。 ゲルマン・アーリア民族の誇りであるのだ。 空挺部隊10000人が降下しては、英国は・・・・・である。 いくら英国ジョンブル魂といっても相手が悪い。 シナや露スケではないのだ。 独逸帝国は英国に橋頭堡を作ったら、弱い陸軍の英国は勝てない。 なんせ、英国は海軍国だ。 総理はここで、カケにでた。 それは、独逸帝国のユンケーヌⅡ型の航続距離を技師らに予想させたのだ。 ユンケーヌⅡ型は双発エンジンだ。 それで、燃費は良くない。 ユダヤスパイのへたな図面で見ると液令エンジンである。 総理は技師に聞いた。 「独逸帝国の英国よりの飛行場からロンドンまで飛んで、現地で30分の空戦ができるか。」の問いだ。 10人の技師が10人とも「可能。」と答えた。 投下式燃料予備タンクでロンドンまで飛んで、タンクを落として。 残りの機内燃料タンクで、空戦30分、そして帰還できるとの答えだった。 山田総理は、推理した。 奇襲の場所はロンドンだ。 空挺部隊の奇襲で、政府中央をおさえれば、まして英国王室の王女を押さえたら確実に独逸帝国の目論見は達成できるだろう。 チマチマ海岸から攻めても、数日で日本軍や米国軍が援軍に来るのは確実だ。 いきなり、ロンドンを押さえて、政府要人を確保して放送局から、プロパガンタ放送を流せば、英国征服はできるのだ。 だから輸送機100機なのだ。 新総帥は、侮れない危険人物のようだ。 山田総理は、確信したのである。 ヤツは危険だと。
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