大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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独逸帝国の切り札

双発だが、エンジンは翼にはないのだ。

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 ユンケーヌ社は独逸帝国の戦闘機メーカーだが、オランダにあるドルニエール社と提携を結んでいた。ドルニエール社は水上飛行機メーカーである。 そして双発エンジンの水上飛行機を作った。 それは、翼にエンジンはない。 水上機であり、海水をエンジンにかぶりたくはなかった。 それで、考えた。 そうして、胴体の上にエンジンを2個乗せて、前後にプロペラをつけて、互いに反対方向にプロペラを廻す水上機を考えた。 馬力が倍でて、翼に重いエンジンがなく、運動性がいい飛行機となった。 その技術を戦闘機に移植したのが、ユンケーヌの新型戦闘機である。 まあ、形は、かっこワルである。 しかし、形で戦争をするのではない。 ようは、勝って生き残れる戦闘機が望まれるのだ。 日本もうかうかしてると、独逸帝国に抜かれる。 それが、現実になりつつあるのである。 試験飛行では、時速680キロをマークしたのだ。 それに、運動性がいいのだ。 翼にエンジンがないから、ヒラり、ヒラリと羽のように動くのだ。 そしてプロペラが互いに反転して廻るから、慣性モーメントがかからずに、真っ直ぐに飛行機が飛ぶ。 大馬力のエンジンが、でかいプロペラを廻すと、どうしても片方にモーメントがかかるのだ。 それが、互いに反転すると、余分な力が加わらないから、運動性能が抜群である。
 ここに、著者がユダヤスパイが苦労して現場でスケッチした、へたくそな絵を見せよう。 素人の絵であるが、双発で、翼にエンジンがないことがわかるだろう。 機体の車輪は前と翼にあり、いままでの戦闘機の様ではない。 現在のジェット機様である。 でないと、後ろのペラが地面に当たってしまうからだ。 日本の十八試震電も試験飛行で、ペラが地面に当たり、あわてて、尾翼に尾輪を追加している。 このユダヤスパイのへたくそな絵は、複製されて、日本の大日本と日本航空機の2大メーカーに渡った。 研究員は、へたくそな絵を見て驚愕する。 このスケッチの前のペラのスピナーに穴が開いてるのである。 これは、機関砲が飛行機の軸線にあるのだ。 おそらく、30ミリか40ミリはあるかもしれない。 1発当たればファルコンといえども爆散する。 トヨス装甲の月光改は生産が少ない。 トヨス装甲は大量生産は無理なシロモノであるのだ。 それも、搭乗員の部分のみで、機体がすべてではないのだ。 「これは、もしこれが、英国進攻に使われたら、英国を日本は守りきれない。」 「なんと、それほどの脅威なのか。」 「そうです、おそらく速度は700キロにせまり、運動性もいい、それに30から40ミリの軸線機関砲では、命中率がいいから逃げられません。」 「どうする、みすみす負けるとわかっていて、月光改やファルコンは使えないぞ。」 「やはり、ボツになったZ計画の戦闘機しかありません。」 「しかし、あれは、人間では操縦できない。」 「完全に、計算機が操縦して、計算機がヒトを殺すのだぞ。」 「倫理的にどうかと、ボツになったのだ。」 「では、同盟国の操縦者に死ねというのですか。」 「まあ、待て。」 「一度、総理に相談してみよう。」 「はやくしないと、独逸帝国の英国進攻に間に合いません。」 「わかった、結論を急ごう。」 会社の幹部は研究員に、しばらく待つように返答した。 
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