250 / 380
独逸帝国からの逃亡者
ラィツランドからのSOS
しおりを挟む
ここは、独逸帝国のグルップ重工業兵器工場だ。 深夜の3時ころだ。 開発研究者の待機宿舎から、人目を忍んで3人の人影が動いた。 「オイ、あわてるな。」 「ハイ、カバンは、持ってます。」 「よし、手ハズどうりならトラックが来るころだ。」 やがて、清掃会社のゴミ収集車が入ってきた。 3人は研究員であった。 なぜ、亡命らしいことを? それは、シナで鹵獲した米軍戦車の解析を指令されたが、出来なかった責任をとらされたからだ。 米軍の戦車マークⅡを独逸帝国は苦労して鹵獲したのだ。 その貴重なマークⅡを技術解析しろ、と指令を会社から受けたが無理だ、失敗してしまった。 しまいには、ゲシュタポが周りをうろつく。 そうなると、数日後には行方不明である。 一般市民は政権に歯向かわない限り、そんなことはないが、軍事関連の研究者はあるのだ。(失敗するとだ。) 独逸帝国の裏の暗い秘密なのだ。 行方不明の行く先など不明であり、二度と娑婆には出られないらしい。 ウワサではソ連のシベリア収容所だとの話まである。 あそこは、ヤバいのだ。 30日も体がもたないらしい。 氷点下30度での暮らしだ。 想像できないのだ。 この事実は総帥は知らない、すべて宣伝大臣の画策なのだ。 自身の栄誉のために役にたつ者は持ち上げるが、役立たない者は粛清されるのだ。 まあ、独逸帝国の闇の部分だ。 ちまたに、増えてきたユダヤ人収容所も宣伝大臣のヤミの仕事であるのだ。 そして収容したユダヤ人の財産は没収である。 韓国の親日罪みたいなモノだ。 かつて、親日だった韓国人は過去にさかのぼって財産を没収されるのだ。 先祖が朝鮮併合時代に日本に協力したと判断されると親日罪で裁かれるのだ。 これは、現実の話だ。 遡及法(そきゅうほう)といって過去にサカノボリ裁かれるのだ、法治国家ではありえない法である。 まあ、半島の特亜は永遠に反日であるから、付き合わない 教えない 助けないの3原則である。 教えたり助けると、いづれ賠償や責任問題に無理やりこじつけて、金銭を要求されるのだ。(徴用工という、ウソの話がいい例だ) まあ、ヤーさんよりヒドイと思えばいいのだ。 福沢諭吉翁が、脱亜論を説いたことを忘れてはならないのだ。 話を戻そう。 工場を脱出した3人は家族もトラックに乗せて、独逸帝国を脱出する計画を実行したのだ。 深夜、ゴミ収集車は独逸帝国国境を目指した。 彼らは一般人が使う商店の地下道は使わなかった。 なぜなら、あの地下道はゲシュタポが24時間監視しているのだ。 政府に取ってどうでもいい、一般のユダヤ人などが逃げるのはゲシュタポは知らん顔だが、研究員らは顔がばれているから、つかまってしまうのだ。 そこで、独逸帝国脱出につかったのが、地下組織のユダヤ人協会から研究員の身分を英国情報局にラィツランド経由で伝えて、亡命を軍事情報と引き換えにすることであった。 すこし、時間がかかったがラィツランドから連絡があり、今日の脱出となったのだ。 ゲシュタポがくる直前であぶなかったのだ。 全員で16人であった。 英国のエージェントが伝えてきた場所と時間にトラックは停車した。 国境付近の森の中である。 トラックはライトを消して、連絡を待つ。 今回の亡命は一度に16人と多い。 どうするんだろう。 独逸帝国を逃げてきた研究員は不安になる。 ゲシュタポに逮捕されれば明日は無い。 家族共に粛清の餌食である。 正式な裁判など無いのだ。 「ポキッ。」 木の枝を踏んで折る音が背後でした。 「アマテラス。」 トラックの運ちゃんが叫ぶ。 「コノハナサクヤ。」 返事がある。 トラックの運ちゃんはホットして息を吐いた。 「では、亡命者のみ着いて来てくれ。」ドイツ語で聞える。 トラックの運ちゃんを残して16人が続いた。 すこし行くと、広い場所に出る。 真ん中に日本軍のVTOL機が着陸していた。 イツからだろう、飛行機の音など聴かなかったが。 研究員は不審におもったが、家族全員で乗り込んだ。 16人と案内の日本軍の兵と操縦者で、18人だ。 「全員のりましたか。」 と日本軍の兵がドイツ語で聞いてきた。 「ヤー。」と答えた。 ハッチが閉まる。 「シュン、シュン、シュン。」と静かな音だ。 大きなプロペラが廻り機体が浮いた。 しかし、音は静かだ。 まさか、まさか、研究員は思わず聞いた、「超伝導モーター?」 日本兵は、なにも言わずに笑っていた。 「シュン、シュン、シュン。」と静かなペラの音だけが暗黒の空を行く。 やがて、海に出た。 朝日が昇ってきた。 はるか海上に大きな平たい船が見えた。 まだ、距離があるのか、船らしきものはなかなか近づかない。 やがて、朝日が昇り、船を照らした。 飛行甲板にアの大きな文字。 艦首のセーラー幼女のでかいイラスト。 あ、あ、あれがウワサに聞く日本海軍正規空母アマテラス改か。 「助かった。」 その言葉が研究員から漏れた。
0
お気に入りに追加
308
あなたにおすすめの小説
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる