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新たなミサイル対策
日本の軍事技術の試行錯誤
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空母コノハナサクヤによる満州国の姫救出劇は極秘とされた。 しかし、ソ連の対空戦車に、我が月光改が破れたことは確かであり、世界を駆け巡る大ニュースとなった。 日本海軍破れる! の見出しの新聞が独逸帝国をはじめ米国やハテはパラオ共和国まで号外が町を舞ったのだ。 独逸帝国では、ゲッペルン総帥が演説する、「我が同胞諸君、ソ連と満州国の紛争にシャシャリ出てきた余計な者に鉄槌が下った、我が国の技術が勝ったのだ。」 「やはりアーリア人種こそが世界を統べるにふさわしいのだ。」 数万の群集は熱狂する。 米国では、マスコミが冷ややかな分析を紙面に展開していた。 なんせ、月光改は米国ではファルコンなのだ。 米国マスコミは撃墜ではなく、不時着であり。 確かに対空戦車は月光改に優位であったかもしれない、程度であり、細かい分析で軍事ジャーナリスト達が私論を展開していた。 一番、紛糾したのは、日本の国会であった。 野党は山田政権解散だ、総理は退陣だ、の大合唱だ。 国会の答弁は苦しい山田総理であった。 「月光改の乗員二人は月光改を修理して空母まで帰艦しております。」 「では、撃墜か不時着はウソなのですか。」 議長が「山田総理返答を。」 ネクタイを結びなおして、我らがアベ イヤ山田総理は、「不時着は本当なところであります。」 「では、不時着した、それを修理して、また飛び上がったのですか。」 「ハイ、そう聞いています。」 「総理、飛行機はそうカンタンに修理できたり、また飛び上がれるんですか。」 「イヤ、私は専門ではありませんので。」 「言い訳なんか聞きたくありません。」 また、山田総理はネクタイを直す。 これはマズい、山田総理は考えがまとまらないとネクタイを直すクセがある。 それを、見た副総理が、質問に答える。 「では、実際にヤッタものを呼んで聞こうではありませんか。」 それで、とにかく乗り切った、山田内閣であった。 ・・・・で、ここは、コノハナサクヤの格納庫だ。 呼び出しだ、「サトウ機銃員は艦橋まで。」 「おい、おまえ、何かしたのか。」 と相方の木戸大先輩が脅す。 「イヤ、なにも、思いつかないですが。」 再度、「サトウ機銃員いたら、早く艦橋まで。」 うわ、佐藤君、走って艦橋のエレベーターに乗った。 艦橋入り口で、「サトウ機銃員参りました。」 「よし、艦橋入りを許す。」 と、山田艦長が直に、「オイ、サトウ、おまえ国会召喚がかかってるぞ。」 「え、なにも・・・・。」 「最悪、おまえの骨は拾ってやる。」 「なお、満州国の姫の件は絶対口外無用だ。」 「了解しました。」 もう泣きしゃべりの佐藤君であった。 見るに見かねた木戸大先輩が、「オレが乗せてってやる。」 と月光改で二人で飛び立った。 行き先は横須賀飛行軍基地だ。 そこから電車で国会入りすることとなった。 なお、軍から特別に召喚対策員が随伴することとなる。 まあ、余計なことを言わないかの監視員みたいなものだ。 はやい話がMPつまり軍警察官が二人付いたのだ。 もう、佐藤君生きた心地がしなかった。 横須賀基地で国会召喚のレクチャーを受けたが、質問に答える前に、十分内容を検討することだの、軍事機密は国会ではご法度だとか、もう佐藤君ワケがわからないのだ。 とにかく、オタクの佐藤君としては逃げたいのだが、随伴員が眼を離さないから無理であった。 電車を乗り換えて、とうとう国会議事堂前駅に電車(帝都営団地下鉄だ。)が停まる。 ドアが開く、もう死刑執行の受刑者の面持ちの佐藤君は両手を持たれてホームになんとか出たのだ。 「オイ、着いたぞ。」 「え、もう、・・・・・。」 「軍はおまえの味方だ。」 「最悪、骨は拾ってやる。」 もう、死刑台の階段を上る気分の佐藤君であった。
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