大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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また、反省会だ。 

コノハナサクヤの格納庫での反省会

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 危険手当の臨時ボーナスは探索機の膨大なガソリン代の補填で消えてしまった。 しかし、満州国皇帝の姫を偶然とはいえ、助けたことは、大金星であった。 ソ連が拉致しようとしたらしいことは公には発表されていない。 空母の乗員にも緘口令が敷かれた。 満州国でも政府からの発表はなかった。 これには、満州国宮城内の政権争いがからんでいるらしい。 それで、満州国から内密にと日本政府に要請があったとのウワサだ。 そう、あくまでウワサである。 だが、今回の遭難や結果の反省会は行われたのだ。 まあ、定番の日本らしさだ。 まず、議題はソ連の新型対空戦車であった。 直撃は免れたが月光改は不時着を余儀なくされたのだ。 ミサイル防衛が不足であるのだ。 チャフとフレアでは、まだ足りないのだ。 それに、今回はイマドコ衛星が役にたたなかった。 満州国北部まではカバーができていないのだ。 追加の衛星打ち上げまで、まだ先に何年もあるのだ。 日本は予算が・・・・ 議論は紛糾した。 それで、ソ連の新型対空戦車の画像は当然、木戸と佐藤が撮影しているな と全員から質問された。 木戸大先輩は頭をかきながら、「えーーーーっ、実はソレらしい戦車を発見したのだが、そのとき満州国の姫が逃げてきたので撮影ができなかった。」 なんとも苦しい言い訳なのだ。 佐藤君、自身が木戸に貸し与えた望遠カメラが・・・とシュンだ。 しかし、木戸は続けた。 「あの、望遠カメラはパッと見、40ミリ機関砲そっくりだ。」 「オレはワサワサ湧き出てきたソ連兵にむかって、ロシア語で(Я буду стрелятьヤボド ストリレージ)撃つぞと脅した。」 「望遠カメラを機関砲らしく構えていたからソ連兵はクモの子を散らすように退散したのだ。」 「それで、姫を助けることができたのさ。」 「あのとき、連発ピストルでは迫力が無いから負けていただろう。」 しょせん、ピストルは小さいパチンコなのだ。 「だから、ソ連兵は戦車で追いかけてきたのさ、なんせ40ミリ機関砲に対抗できるのは戦車くらいだ。」 木戸は最後に「今回の件は、不時着がなかったら、姫殿下は助けてはいないから偶然が重なっただけなのさ。」 なんとも謙虚な結論であった。 だが、空母コノハナサクヤの株が上がったのは確かだ。 それに、月光改が不時着しても整備しだいで再度飛び立てることがわかった。 不時着して尾翼が穴あきの月光改を、どう整備したのか佐藤君は詳細なレポート提出を求められてゲンナリしていた。 それもかなり、正規の整備ではなく、佐藤流のトンデモ整備ではあったが、なんとか飛び上がり、飛行したのは間違いないのだ。 それは、後ほど緊急整備マニュアルとして役立てられた。 最戦線の現場では満足に整備工具も時間もないのだ。 不時着現場で、佐藤君は自身が工夫して造った万能工具を使って、自己流の整備であったのだ。 それは、詳細に検分されて、緊急整備マニュアル作成の基本となったのだ。 もちろん、万能工具は全航空機の常備品となった。 他の操縦士らから「ところで、その例の望遠カメラとやらを見せてもらえないか。」 佐藤君は自慢の望遠カメラを取り出した。 「うわ、モロ機関砲じゃないか。」 「これでは、さすがのロシア兵も逃げ出すわ。」 レンズに光よけの長い金属製フードが付いて、肩当ての木製ストックからカメラには見えなかった。 それに35ミリフィルム入れが弾倉に見えるのだ。 なんと引き金(シャッター)や照準器(拡大スコープ))まで付いている。 ただ、胴体に帝国光学のマークが付いているからカメラとわかるのだ。 実際、持ってみると5キロぐらいであった。 40ミリ機関砲は超軽量の型でも60キロぐらいだからカメラはすごく軽いのだが。 これで威嚇さられたら、ロシア兵が逃げ出したのも,うなづけるのだ。 後日、その話から対戦車ミサイル携帯砲が造られた。(重さはなんとミサイル込みで超軽量の8キロだ。) 形は帝国光学の望遠カメラにそっくりだそうだ。 
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