206 / 380
空母ニューヨークVS新型Uボート
空母ニューヨーク激写される!
しおりを挟む
アマテラス改がポーツマス軍港に入る、同時に空母ニューヨークがドーバー海峡めざして、出撃だ。 まあ、警戒航行だ。 もう、完全に空母運用を米海軍は自身のものにしていた。 駆逐艦が6隻と巡洋艦が2隻、空母を囲んで進む、間隔は乱れない。 一目、見るだけで、訓練の錬度が素人眼でもわかる。 日本のマンガの巨匠に依頼してデザインした船首の自由の女神が微笑むイラストは芸術である。 日本のセーラー幼女には負けるものかの自負が空母ニューヨークの水兵連中にはあった。 著者はアマテラス改をセーラー幼女という、米国人に言いたいのだ。 空母ニューヨークの自由の女神イラストも、どう見ても9歳くらいにしか見えないのだが。 まあ、話がソレた。 先にアマテラス改を偵察した新型Uボートが、空母ニューヨークを同じく偵察にやってきたのだ。 独逸海軍も懲りないものだ。 とうぜん、アマテラス改から新型Uボートの情報は空母ニューヨークにも入っていた。 米海軍は独逸帝国がやってくるのを、手ぐすね引いて待っていたのだ。 とうぜん、待ってるからUボートの発見も早い。 それに、日本人より茶目っ気はあるのだ。 性格もユーモアあふれるのである。 それに、仮想敵国ではあるが、米国内にもドイツ系移民は少なくない。 米空母艦長は、「せいぜい歓迎してやろうじゃないか。」 との考えだ。 それは、米国海軍省も了解ずみである。 軍人は勝手な行動はしないのだ。 裁量に任されられている以外は、必ず命令系統に指揮を仰ぐのだ。 それは、どこの軍隊も同じだ。 ただ、完全にやるか、やらないかが違うだけだ。 駆逐艦からUボート発見の一報が入る。 空母艦長は、「そのまま、Uボートを駆逐艦の包囲網に入るように、艦の間隔を開けろ。」 ようは、空母のドテッ腹を見せてUボートをおびき寄せるのだ。 戦時なら、危険で出来ない。 Uボートの近くの駆逐艦が微妙に速度を上げた。 Uボート艦長は米国新型空母ニューヨークの写真を撮影することに夢中であった。 なぜなら、独逸帝国海軍は、まだ新型空母を知らなかったからだ。 初のお披露目なのだ。 独逸帝国は日本と並んで写真機の技術はすごい。 世界の半分、独裁政権側は独逸帝国製、民主主義側は日本製のカメラが幅を利かせていたのだ。 Uボートにも最新の独逸帝国製カメラが搭載されていた。 「くっそ、駆逐艦が邪魔だ、おお、退いてくれたぞ。」 「もうすこし空母に近づけ。」 「了解、シュノーケルをアクテブモードにしろ。」 カメラはシュノーケルに搭載されている。 波の動きにあわせて、シュノーケルが動く、波の頂点でカメラがシャッターを押す。 駆逐艦が画面から移動したので空母が正面だ。 「いいぞ、これでオレも十字勲章ものだ。」 艦長は総帥から直に胸に勲章を賜る夢を描いた。 有頂天のUボート艦長だが、知らない間に、ずいぶん空母に近づいていた。 艦長は空母の船首の自由の女神の幼女イラストを画面いっぱいに入れようと画策していたのだ。 まあ、どこの野郎も幼女には弱いのだ。 独逸帝国が開発した総天然色フィルムに収めてくれるのだ。 艦長はシャッターチャンスを待った。 いまだ、いけ、押すのだ、幼女イラスト写真はオレがスクープするのだ。 「カシャ。」 シャッター音が静かに聞えた。 ヤッタぞ、でかした、オレは英雄だ。 これは、騎士十字勲章ものか? 艦長は汗をキャプテンハツトを脱いで、ぬぐった。
0
お気に入りに追加
300
あなたにおすすめの小説
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
零式輸送機、満州の空を飛ぶ。
ゆみすけ
歴史・時代
ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
陣代『諏訪勝頼』――御旗盾無、御照覧あれ!――
黒鯛の刺身♪
歴史・時代
戦国の巨獣と恐れられた『武田信玄』の実質的後継者である『諏訪勝頼』。
一般には武田勝頼と記されることが多い。
……が、しかし、彼は正統な後継者ではなかった。
信玄の遺言に寄れば、正式な後継者は信玄の孫とあった。
つまり勝頼の子である信勝が後継者であり、勝頼は陣代。
一介の後見人の立場でしかない。
織田信長や徳川家康ら稀代の英雄たちと戦うのに、正式な当主と成れず、一介の後見人として戦わねばならなかった諏訪勝頼。
……これは、そんな悲運の名将のお話である。
【画像引用】……諏訪勝頼・高野山持明院蔵
【注意】……武田贔屓のお話です。
所説あります。
あくまでも一つのお話としてお楽しみください。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる