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独逸帝国の考え?
新型が持ち帰ったもの。
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新型Uボートが独逸帝国のキール軍港に帰還した。 艦長は、歓迎レセプションも、ほどほどに詳細報告だ。 ドーバー海峡は水深が浅い。 深いところは60前後だ。 平均45メートルと浅い海だ。 しかし、ラノベは現実とは違うのである。 読者には許していただきたいのだ。 でないとチタン合金の新型Uボートが光らないではないか。 まあ、この話を現実と混同するヒトはいないとおもうから続けよう。 ちなみにドイツ語読みではUボートではなくウーボートと聞える。 独逸帝国海軍省に直々に政府高官が集まる。 さすがに、総帥は時間のつごうで無理だ。 艦長は、「わが艦はアマテラスを偵察してきました。」 「お、お、あのセーラ幼女の艦か。」 どうやらドイツでも名前でなく、艦首のセーラ幼女の印象が強いようだ。 「駆逐艦6隻と巡洋艦2隻が空母の周りに展開しています。」 「工作艦は随伴していません。」 「どうやら、体制として警戒運行ではありますが、空気的には危機感をもってるようには見えませんでした。」 「新型は感づかれてはいないんだな。」 「ハイ、数時間たってから駆逐艦には気づかれましたが。」 「近づきすぎたかもしれませんが、写真を鮮明に撮影できました。」 「新しいシュノーケルは使えると思います。」 「ヤーパン(日本人)には感づかれなかったのだな。」 「そうです、すくなくとも数時間は感づかれませんでした。」 「ふむ、シュノーケルはつかえそうだな。」 「それで、水中投擲爆雷装置は、艦長はどう思う。」(新型兵器だ。) 「使っていないので、なんとも。」 「わかった、下がってよし。」 艦長は敬礼して会議室を退出した。 これから、海軍の幹部による作戦会議だ。 その結果を総帥に進言するわけだ。 「まだ、米国の新型空母を偵察していない、それからでも。」 「なにを悠長なことをいってるのだ。」 「チャンスを逃せば、機会はめぐってこない。」 「しかし、作戦に失敗は許されない。」 「まだ、英国本土の防空網もすべてをつかんではいないのだ。」 「上陸作戦は空、海の一体作戦でなければ。」 「しかし、わがルフトバッフェ(戦闘機)は航続距離が不足している。」 「ヤツらの空母が当方にあれば。」 「それを、言ってはおしまいだ。」 空母モドキは港で埃をかぶっている。 「海軍としては、新型は使える、これを総帥に進言する。」 「そうだ、それしかない。」 独逸海軍として、なにか結果を出さなければと焦る幹部連中であった。 ・・・・・ここは独逸帝国、作戦本部だ、 「では、新型は使えるのだな。」 「そうです、いままでのUボートではシュノーケルに問題があり実用的ではありませんでした。」 「ふむ、では、新型を対空母に使えるように増産だな。」 「では、いままでのUボートは通商破壊作戦で、新型を対空母で。」 「うむ、それで良いだろう。」 「帝国に栄光を。」 海軍大臣が退出する。 総帥は地政学を知っていた、電撃作戦でフランスは下した。 今のところ、アメの甘い政策は成功して、フランスでは帝国に抵抗する勢力は、それほど大きくは無い。 いづれ、アメはムチに変化するのだが、まだ時期ではない。 フランス人が独逸帝国領だと気づかないほどに、甘いアメ政策を続けてドーバーを渡るまで続ける、そして欧州統一したときが、わが独逸帝国が世界を制するときだ。 総帥は背後の世界地図を眺める。 欧州はラィツランドとローランド、英国以外はわが領土だ。 ソ連やシナはどうにでもなる。 それまで、甘い夢でも見させておくわ。 トン、トン、とノックだ。 秘書のカレンが「総帥、午後から孤児院の視察予定ですが・・・・。」 「わかった、用意を頼む。」 総帥は現実に戻った。
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