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独逸帝国の領土拡張
領土を拡張した総帥
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フランス領だった、アルザス・ローレヌ地方が独逸帝国に実効支配された。 これで、何回目かの支配者の交代だ。 住民は慣れたものだ。 しかし、独逸帝国としては紛争に介入した正当性を明らかにしておく必要があった。 時代は現在のようにインターネットなぞ無い。 テレビも一部の国であるのみだ。 もっぱらラジオ放送が主な社会であった。 そのラジオ放送も欧州列強と米国、日本に普及しているくらいだ。 ソ連やシナは一部地域だが、政府の管理下であり、プロパガンタ機関であった。 ラジオは電波が強ければ海外にも届く。 夜間は、地球の電離層などの影響で遠くまで届く。 ラジオに夜間、シナや半島の言語の放送が入る。 まあ雑音だ。 独逸帝国は宣伝大臣がいた。 ゲッペルン総帥の影の存在とも言われている。 ヤサ男で一見、害のないように見える。 しかし策士にたけた要注意人物と、わが山田総理は思っていた。 本当に警戒すべきはヤツだ。・・・・・独逸帝国のラジオ国際版が総帥のテーマ音楽を高らかに鳴らして始まった。 「わが、独逸帝国は同胞の悲痛な叫びを聞いた。 以前、わが領土であったアルザス・ロレーヌ地方からだ。」 さらにラジオが鳴る。 「わが、同胞の助けの声に答えた わが暴徒鎮圧部隊で、平和が保たれると思われたが、言われ無き攻撃により犠牲がでてしまった。」 「機関砲で、鎮圧部隊に攻撃があったのだ。」 「わが、鎮圧部隊は全滅の憂き目にあった。」 ここで、沈痛な音楽が流れる。 「やむなく、わが独逸帝国は介入にはいった。」 「住民の要望により、ふたたび領土が帰って来た。」 そこで、厳粛な音楽だ。 「総帥は民衆の声をお聞き届けになった。」 声は宣伝大臣にかわった。 やがて独逸帝国国歌で放送は終わった。 「クッソ、帝国メ。」 フランス共和国、首相がラジオのスイッチを切る。 ヤラれた、今回はしてやられた。 ゲッペルンになってから独逸帝国となり宣伝がうまくなった。 近隣諸国もラィツランドやローランド以外は独逸帝国の影が濃いのだ。 このフランスも危うい。 わが国は4号戦車には、まだ負けている。 なんとか4号に勝てる戦車で挽回しなければ、住民のデモで政府も転覆しかねない。 腹が痛くなるフランス首相だった。 まだ、アルザス・ローレヌ地方には4号戦車が居座っている。 逐次、撤退するとはいえ、いつになるかは、わからないのだ。 また、チャンスがくればフランス領だ、と首相は自身を慰めた。 着々と覇権を現してきた独逸帝国だ。 遠く、極東の日本国、防衛省。 対独逸帝国、戦略部 戦略課の戦略係では、ラィツランドの現地日本支部に4号戦車のフランスでの詳細を聞いた。 明らかに、シナのトラ戦車とは違うのだ。(4号のシナの名前だ。) 速度から戦車同士の連携から作戦方法や運用まで雲泥の差だ。 これは、油断から大変なことになると上層部に緊急レポートを作成した。 ・・・・その結果は・・・・
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