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飛行録画、録音機
事故防止のために
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日本海を警戒哨戒中の双発対潜哨戒型、月光が消息を絶った。 最近、シナの潜水艦が沿岸から無人偵察機を飛ばして問題になり、その警戒飛行中とのことだ。 即座にハヤブサが展開中の空母アメノウズメから捜索に飛び立った。 海上に墜落した痕跡を残すための黄色い着色剤が漂っているのが、数時間して発見された。 ブイを投下する。 海軍では撃墜と事故の両面で現場検証をおこなう。 今は戦時ではないが、シナの潜水艦も考量しなければならない。 最近、シナは独逸帝国から新型潜水艦を手に入れたとのスパイからの情報がはいったばかりだからだ。 まだ、その新型の型や能力など、まったくナゾであった。 現場は水深が深く残骸の回収は不可能と思われていた。 海軍事故調査委員会に連絡がはいった。 海軍工廠のロボット研究室からだ。 「墜落した月光の回収の件で話を聞きました、うちの調査ロボットを派遣します。」 「ん、ロボット、場所は日本海の深い海の底だが。」 「日本海溝ですか、なら問題ありません。」 「おい、数千メートルの深海だぞ。」 「送りますから使ってやってください。」 電話が切れる。 調査委員は、「わけが、わからん、場所はとてつもない深海だからの意味がわかるらないのか。」 と仲間内で途方にくれていた。 数日して日本海軍海洋調査船が事故調査委員の居る富山港に入港した。 事故調査委員会に現場案内の要請だ。 調査委員のうち現場海域に詳しいもの五人が調査船に乗り込んだ。 「初めて眼にしますが、これはドウユウ船ですか。」 委員のひとりが聞いた。 艦長が答える、「海洋事故や海洋資源の調査のために開発されたばかりですから。」 「艦の名前はカイヨウです。」(まんまだ。)「一応、軍艦との身分です。」艦長が胸を張る。 艦尾には旭日旗がはためく。 「ただし、武器などは装備していません。」(駆逐艦などに守ってもらう。) 船首にはセーラー幼女のでかい艦娘の絵だ。 艦娘の胸の名札にカイヨウとある。 芸が細かい。 カイヨウには真ん中に大きな四角い穴が開いている。 そこから、海中に海底調査の機械をクレーンで下ろすためだ。 カイヨウは双胴船であった。 外観は巡洋艦と同じくらいだ。 船尾に豆潜水艦が搭載してある。 豆潜水艦は事故を起こした潜水艦救助用で、形はローターの無いヘリみたいだ。 でかいアクリルガラスの球体型船室だ。 アクリルガラスの厚みは軍機密だそうだ。 調査委員が「現場には定位置ブイが浮かべてあります。」 波で位置が移動しないブイだ。 「では、早々に調査海域に出港しましょう。」 「遭難者は何名ですか。」 「4名です、もう数日たってますから心配です。」 「まだ捜索していますが発見にいたっていません。」 現場付近の海域に着いた。(ラノベだから早い。) 艦長が「アクテブソナーで海底の様子を写せ。」 と指令する。 でかいモニターにシロクロで海底の様子が写る。 やがて画面に不自然な影が写る。 どうやら、墜落した月光の機体の部分だ。 「海底カメラ下ろせ。」 指令が飛ぶ。 クレーンで機械の腕が付いた、2メートル四方の四角い箱が下ろされる。(海底カメラは無人の遠隔操作ロボットカメラだ。) 別の大きな画面に海中を降りていく映像が写る。 だんだん画面が暗くなる。 「ライトつけろ。」 海底カメラの4個の明るい深海用電灯が点る。 だいたい、20メートルくらい先まで見える。 どんどん、海底カメラは下りていく。 海底が近づく。 もう6000メートルを越えた。 「ありました、だぶん翼です。」 おお、確かに日の丸だ。 銀翼輝く翼に日の丸が見える。 「カメラを、もう少し先に進めてくれ。」 調査委員が画面を見ながらいう。 カメラは音もなく進む。
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