大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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衛星軌道兵器

原爆に対抗する兵器

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 総理は、かねて研究していたビーム兵器の実用化について開発者に聞き取りをおこなった。 「実験の段階です。」 「実用化には20年以上は必要です。」 「かならずやりとげますが、時間が必要です。」 との言葉ばかりだ。 おそらく、独逸帝国は数年で原爆を実用化するであろう。 米国も数年だろう。 そうなれば米国と独逸帝国で原爆の数の争いになるのは間違いない。 それまでに対原爆兵器が完成するか、怪しい。 爆発したら防ぎ様がない核爆発だ。 太陽のカケラが爆発するのだ。 かなりの装甲でも耐えられないだろう。 都市全体となると防ぐのは無理だ。 となると、早期の段階で発見して爆発させないことだが、神でないかぎり無理だろう。 イチバンカンタンな方策がシュタイン博士の、こちらもあるよ、だ。 こちらも原爆があれば、相手は報復をおそれて使えないだろう。 まだ、開発段階のビーム兵器なら防げるが、未来の話だ。 日本国は海底軍艦と、その搭載機であるロケット爆撃機の切り札があるが、如何せん、数が少ない。 大量配備は予算的に無理だ。 やはり、原爆を持つことが防衛につながるしかないのか。 しかし、地球がヒトが住めない星になる可能性が原爆にはある。 国際条約で決めたところで、隠して持っていればわからない。 総理は悩んだ。 悩みぬいた。 それでも糸口は見つからない。 基本理念や宗教が違う外国と、信頼関係など築けるわけがないのだ。 日本が火の中の栗を拾うわけにはいかない。 現在のところ日本海に展開している正規空母艦隊でシナやソ連を押さえているが、独逸帝国から原爆が入るとなると変わるだろう。 やはり、持たなくてはならないか。  ・・・・ シュタイン博士から連絡だ。 総理に話らしい。 早々にアポで会見した。 博士は片言の日本語が今はペラペラだ。 メイド士官は教育妻でもあった。 「原爆開発で悩んでいると聞きました。」 「まあ、そうだな。」 「で、提案ですが。」 「偽善かもしれませんが、原爆にもなるが、原爆ではない物なら。」 「原爆ではないが原爆になると。」 「つまり、原子炉は原爆の核反応をすごく遅らせて作動させています。」 「うむ。」 「それで、やりようによっては原爆にもなります。」 「持ってないが、すぐに出来るのです。」 「具体的には何時間で。」 「そうですね、組み合わせれば数分で可能かと。」 「なに、数時間でなく、数分で。」 「え、え、原子炉爆弾方式です。」(これはラノベですから。) 「それを衛星にし軌道を周回させます。」 「ふむ。」 「報復専門ですが、これで相手は日本には落とせないでしょう。」 「衛星の動力をかねて、原子炉機関は5年くらいは持ちます。」 「それで、寿命が終われば軌道から外宇宙に放出して爆発させれば危険はありません。」 「そのために、衛星に姿勢制御スラスターをつけます。」 「まあ、小さいロケットエンジンみたいなものです。」 「報復攻撃は衛星を、敵国に落下させればOKです。」 「間違って違う国へ落ちることは。」 「ご心配には及びません、衛星制御技術は日本のオハコですから。」 そうだ、遠隔操縦技術は、なぜか日本はすごいのだ。 ニホンジンの生まれ持った性格といってもいいほどに。 マッド科学者須藤君をはじめ、たくさんの制御技術技師や開発者が多いのだ。 大きな物を小さく高性能に改造したり、高額な機械を安価に改造したり、遠隔操作することをニホンジンには生まれ持ってある、といってもいいほど能力のある人材が多いのだ。 こと手先の器用さとオタク度で諸外国に負けたことなど一度も無い。 無双だ。 総理は、強くうなずいた。
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