大東亜戦争を有利に

ダム工事現場までの道のり

独逸帝国の市街地を駆ける。

　深夜に近い、夜１１時ころレンジャー５人は独逸帝国市街地に入った。　暗視ゴーグルに方向を示す矢印がでては、消える。　音も無く、５人は駆け抜ける。　一般市民とは鉢合わせたくないものだ。　ましてゲシュタポ連中には会いたくもない。　独逸帝国にはいたるところに検問がある。　その検問所はユダヤ難民からの情報があるが、新たに出来た検問所もある。　ゴーグルに止まれの赤信号だ。　５人は建物の影に急いで隠れる。　約５０に検問、とゴーグルに表示される。　 検問所だ。　声はださない。　手で合図だ。　眼は口ほどにものを言うが、レンジャーでは手は口ほどにものを言うだ。　歩道に歩哨がひとり立っている。　犬もいる。　軍用犬だ。　シェパードというワンコだ。　これ以上、近づくと感ずかれる。　発見されて騒ぎにでもなれば計画は失敗だ。　レンジャーは判断に・・・・「可憐から黒田。」　「黒田。」　「いま、しばらく待機のこと。」　・・・なんだ、空母から待機とは。　しばらくして、酔っ払いが反対側から現われて、検問所の犬に吼えられている。　あ、なんか犬に投げた。　逃げ出した。　歩哨が犬を引っ張ってるが、あ、リードが切れた。　犬が酔っ払いを追いかける。　酒ビンがころがってる。（犬に投げたやつだ。）　歩哨は犬を捜しに・・・・「今よ。」　可憐からだ。　レンジャーは検問所をすりぬける。　うまい具合に酔っ払いが現われたものだ。　レンガ造りの町並みをレンジャーは駆け抜ける。　ただいま時速６０キロだ。　たまに、路上に酔っ払いがクダを巻いている。　さすがに独逸はビールの国だ。　遠くには灯りが点いている店も見える。　なんせ、うわさではトコトン飲むらしい。　独逸帝国は総統の独裁政治だが、圧政ではない。　民族主義で、アメとムチの使い方がうまいのだ。　人々の不満などはユダヤや他の民族に向くように操作している。　なんせ、選挙でゲッペルン総統は当選して選ばれたのである。　（ヒトラー総統と同じだ。）　だんだん、町並みが閑散になってくる。　まあ、田舎になってきた。　あたりは暗闇で灯りなどない。　暗視ゴークルは遠くまでは詳細に見えない。　画素数が少ないからだ。　アナログテレビ並みだ。　まあ２５万画素くらいだ。　それで、遠くは双眼鏡の助けがいる。　しかし、空母からの指示は続く。　「もうあと、１時間くらいで、目標です。」　「市街を出ました、もう検問所はありません。」　「クルマがきます、隠れて。」　レンジャーは物影に隠れる。　しばらくしてトラックだ。　輸送トラックみたいだ。　荷台には幌がかかっていて中はわからない。　トラックをやり過ごす。　トラックは軍用と思われた。　だんだん、山並みが見えてきた。　ダム工事現場は近い。　山と山の間に灯りが見える。　それも少なくない。　クレーンの長いアーム（ジブという。）がたくさん見える。　「左の山へむかって。」と指令だ。　今のところ発見は、されていない。