大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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太平洋横断航路

プロベラで太平洋横断

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 4発飛行機は完成した。 これを会社は大々的に宣伝する。 応募で旅客を募集した。 ハワイ経由でシスコからニューヨークの往復だ。 その前に、会社はハワイまでの飛行テストを済ませていた。 イマドコ衛星により航路は順調であった。  プロペラ機であるからジェット機ほどの速度はださないが、2000馬力が4発だ。 それなりの速度は出るのだ。 軽いジュラルミンの新型胴体は戦車並みの強度を誇る。 窓は以前の四角から丸い窓だ。 金属疲労を起こしにくい窓の形である。 航空機事故に万全の体制で大日本航空機は臨んだ。 空母からのハヤブサの護衛つきのテスト飛行である。 皇紀2600年、今から約80年前だが、4発旅客機は羽田を飛び立った。 日本から米国のニューヨークまでの航空路開設の意味もある。  こと飛行機に関しては日本はすごいのだ。 (日本が負けた大東亜戦争後、占領軍(GHQ)は日本に航空機の開発や研究することを禁止するほどだ。)  太平洋航路開設のための実績を積むためだ。 採算が取れそうならジェット機も視野にいれてもいいと政府の後押しもあった。 胴体の下に補助タンクを装備した。 ハワイまで往復する燃料を積むためだ。 万一ハワイに天候悪化で着陸できないとき引き返すだめだ。 万全の体制で挑む4発プロペラ機だ。 乗客は34名満員だ。 パイロットは太平洋横断の経験がある、ハヤブサ搭乗員から厳選した。 空母のメイド士官から2名選んでCAをやってもらう。 制服は紺のタイトスカートのスーツだ。 小粋な帽子が似合う。 ハワイの飛行場まで24時間かかる。 イマドコ衛星からの電波で自動操縦装置もOKだ。 日本の最高技術のカタマリの4発機が羽田を飛び立つ。 ハヤブサの偵察機タイプが随伴する。 4発プロペラのリズムが重なりエンジン音は、いい響きだ。 CAが乗客に救命胴衣の使い方を説明する。 ベルトをはずしてもOKのアナウンスがある。 機内では飲み物などを配るCAだ。 座席は2列の横が4席で通路は真ん中だ。 最後が2座席で、その後ろがトイレだ。 機長が挨拶する。 コパイが操縦している。 このやり取りも今後の運行に生かされるのだ。 3連ターボの2000馬力エンジンは以外と静かだった。 防音、防火壁のトヨス航空機用パネルは高度1万の薄い大気に耐えて平地の気圧で機内を満たしていた。 座席は広く造ってあり、外人のでかい体型にもバッチリのようだ。 夜間飛行では、乗客に映画の上映で飽きない演出だ。 映画のタイトルは米国旅行案内だ。 座席のイヤフォンで音声を聴くのだ。 やがて深夜だ。 皆、毛布を掛けて就寝である。 CAも交代で休む。 当然、操縦も自動での衛星誘導電波で飛ぶ。 一応、ひとりは操縦席に居るが、機械まかせだ。 これも試験である。 ハワイの放送電波が入ってくる。 小さく島が見えてきた。 米空母から飛んできたファルコンが出迎える。  ハワイの空港は眼の先だ。
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