125 / 380
米大統領の訪日
原子爆弾の開発
しおりを挟む
米大統領と総理は貿易センターで会談した。 日本にも貿易センターはあるのだ。 まあ米国ほど大きくはないが。 ガーランド夫人はハンナと二人で日本観光のため別行動だ。 鎌倉方面だそうだが、総理はハンナにおまかせだ。 総理と大統領は観光どころではないからだ。 英国から原子爆弾の独逸帝国での開発についての情報が入ったからだ。 日本がシナのウラン精錬工場を潰したが、ソ連にも1箇所ウラン精錬工場があり、そこから手にいれたようだ。 実験の用意にシナのゴビ砂漠を予定しているらしい。 期日までは不透明らしい。 実験に成功したらソ連とシナに完成品を渡す可能性もあるのだ。 これをなんとしても潰すのだ。 米大統領の訪日は、このことがメインであった。 これは、超極秘であり、米国や英国でも一部の政府高官しか知らされていない。 大統領は総理と新たな安保に向けて話し合いが進む。 総理の下手な英語でも大統領には通じた。(英語はハンナから教えてもらった。) 通訳など入れない。 独逸帝国は着々と軍備を整えている。 シナとソ連は原材料を独逸帝国に、軍事物資がシナとソ連に周るのだ。 「このままでは、原子爆弾の開発は時間の問題だ。」 「日本はどの程度まで。」 「まだ、半分くらいです。」 「そうか、うちもトントンだ。」 これは、シュタイン博士とシンドラー博士から双方が聞いてきた事実だ。 原子爆弾は作るのはカンタンだが、制御が難しい。 そのままでは古くなるし、管理や維持が大変なのだ。 早い話が、太陽の燃焼は核反応だ。 それを爆弾に閉じ込めるのだ。 原子爆弾は起爆装置がいるのだ。 総理は確信にせまる。 「独逸帝国の例の場所は。」 「だいたい判明したが、まだおおまかだ。」 「では、まだうごけないですな。」 「英国からは、半月ほどかかりそうだと返答があった。」 「そうですか、アマテラス改は用意できましたが。」 「それだ、ぜひ乗りたい、いまから行こう。」 大統領は立ち上がった。 総理はアポを取る。 「用意はできてます。」 の返事だ。 ヘリが貿易センターの屋上ヘリポートで待っている。 二人は機上の人となった。 ヘリは横須賀のアマテラス改まで15分だ。 アマテラス改の飛行甲板にヘリが降りた。 二人を艦長から幹部士官らが出迎える。「ようこそ、アマテラス改へ。」 二人は答礼で返した。 二人はアマテラス改の艦橋へ移動する。 エレベーターで艦橋に入る。 大統領は「すごい、これが最新空母か。」 と艦橋から見下ろした飛行甲板を見た。 艦長がいう。 「まもなく、爆撃タイプのハヤブサが発艦します。」 大統領は大きな窓に体ごと乗り出す。 エレベーターでハヤブサが上がってくる。 機の後ろに噴射ガス制御板がセットされる。 いちだんとエンジン音が高鳴る。 シュパーンと電磁火花を飛ばしてハヤブサは遙か空のかなただ。 そして空母を一周して着陸する。 アンテナが伸びる。 ハヤブサもアンテナが機首から出る。 降りてきた。 ドウウウンと重い爆装ハヤブサが着艦した。 見ると、大統領は固まっていた。 そして一言、「勝てる・・・・・。」
0
お気に入りに追加
293
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる