大東亜戦争を有利に

小さく造る才能

小型に安価に造る技術

　新谷君の応募作品は一応、評価はされた。　しかし高額でデカい。　クルマには無理だ。　船ならＯＫだ。　会社は船舶用に売りだした。　まだ、衛星が３個だから日本近海しか使えない。　しかし、現在地が天測の必要がないのだ。　船には好評をもって迎えられた。　　レーダーはこちらに向かってくる物体を識別できるが、レーダーで現在地は把握できない。　灯台があれば現在地は特定できるが、灯台は数がしれている。　夜、星がでていれば天測で位置はわかるのだが、晴れた夜ばかりではない。　嵐など天測は無理だ。　飛行機も夜は位置を天測で観測していた時代なのだ。（天測とは、星の位置を特定して現在地を調べる方法だ。）　空母など帰還用の電波は出すが、方向がわかるが、距離や現在地までは無理だ。　やはり空の上の衛星からの電波が切り札となる。　現在の日本でＧＰＳなしでは暮らせないだろう。　それほど、イマドコ衛星は革新をもたらしたのだ。　政府は民間から、民間用に開発された装置に輸出規制を当然かけた、同盟国しかダメと即規制したのだ。　新谷君の会社は政府規制がかかる会社になった。　まあ政府から補助金がでるから、潰れることはないが。　それに装置にはブラックボックスとして無理に開くと破壊回路が働いて仕組みを解析できないように作られた。　まあ自爆まではしない。　軍の装備ではないからだ。　日本は独裁国家ではない。　しかし、国の安全となると、公共の福祉が優先するのだ。　一部の異端者の（クレイマーだ。）ことなど、どうでもいいのだ。　特亜二国に渡してはならない物は多いのだ。　シナ、半島、おまけのソ連だ。　独裁国家だ。　このイマドコ装置は、まだ高額で一般の自家用車には、クルマより高くなってしまう。　日本人の超得意分野がある。　それは、同じ物を小さく安く作ることだ。　イマドコで言う一番お高い部品が極超短波受信アンテナだ。　あの昆虫の複眼みたいなものだ。　それを別の会社だが、光学印刷で、小さな基盤に印刷することを考えたヤカラがいた。　はやい話が集積回路まがいのものだ。　マッチ箱ぐらいの大きさだ。　電波の波が光に近くて細かいから可能となる。　印刷だ、つまりお安いのだ。　で、今度は本体のテレビ装置をどうするかだ。　なんと、装置の電子部品を基盤にならべて、たい焼きみたいに裏返して回路を印刷でつないだ。　これは安くできる。　まあたい焼き方式と命名する。　いままで２００万くらいの装置が、なんと２０万となる。　その会社はテレビ部品製造の下請け会社であった。　輸出規制の機械だ、会社は政府に許可申請する。　輸出規制をかけて申請は認められた。　最初の採用は政府公用車であった。　そしてタクシーやバスだ。　いくら安いとはいえ、給料の３倍だ。（平均の給金は７万くらい。）　おいそれとは買えない、だから月払いの月賦（古いいいまわしだ。）となる。　これの装置に眼をつけたのが満州派遣米軍だ。　満州では日本の衛星が使えるのだ。　新型マークⅡ戦車の全車に装備だ。　やはり、金のかけかたが違うのだ。　３００両がＧＰＳ戦車に変身した。　これは、売れた。　売れると部品などが大量生産で安くなる。　年末には、２０万が１２万までお値打ちになった。　形を微妙に変えて新型イマドコで売り出す。　トヨスの新車みたいになった。　転んでもタダでは起きないトヨス商法だ。　　新車を買うと、今なら５万で新型イマドコが装備できます、とキャンペーンだ。