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独逸帝国の戦車
決して侮れない戦車だ。
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シナはT40をソ連から買い、満州で試した。 しかしトヨスのマークⅡに敗残した。 正確には戦わずして兵が逃げた。 シナはT40で、負けたから独逸帝国に新たな戦車を求めた。 値段はソ連製T40の倍だ。 なんともお高いが、シナはメンツの国だ。 もう戦車の置き去りはコリゴリのシナの陸軍司令部だ。 で、独逸帝国から戦車が運ばれてきた。 はるばる船で運んだ。 港の揚陸用クレーンが戦車が重過ぎて使えない。 桟橋では橋げたが重さでもたない。 どうするか、砂利運搬船を加工して、戦車を運び砂浜から降ろしたらしい。 なんとも格好悪い話だ。 普通なら砲塔と車体を分解して、揚陸し、工場で組み立てるが、シナのそこまで技術がないのだ。 独逸帝国も教えない、あたりまえだが。 それで、なんとか格好だけでも15両の独逸帝国の戦車がシナに配備された。 独逸帝国戦車は、四号と独逸帝国では呼ばれていた。 つまり四番目に造ったからだ。 シナでは四号戦車をスゥゴウとは呼ばなかった。(スゥは四の中国語、読みだ。) シナの国の猛獣で、恐れられていたもの、それはトラだ。 それで、トラ戦車と呼んだ。 満州からシナに紛れ込ませていたスパイから(シナが独逸からトラ戦車を・・・)の情報が入ってきた。 満州の米軍にその話はモレる。 米軍から日本軍へモレる。 日本軍からトヨスに当然漏れる。 ここは、トヨスの山奥にある秘密研究所だ。 本社から内密にシナの独逸戦車で四号が配備された、と報告があった。 満州とシナは国境紛争でもめる。 また、あるだろう。 トヨスマークⅡで勝てるか。 実験だ。 トヨス研究所で四号と同程度の装甲板を作った。 それを、マークⅡの砲で撃ってみた。 破壊できない。 凹んだが、貫通しないのだ。 鋼鉄の厚さ10センチの板だ。 厚さ5センチで、はるかに軽いトヨス対T40用装甲と同等の対貫通と思われた。 これでは、負けないが勝てない。 時の運とは恐ろしいものだ。 悩んでいるトヨス研究員へ、砲弾工場から、新たな砲弾ができた、と報告だ。 なんとマークⅡの砲に使えるとのことだ。 神か仏かキリストかマホメッドか、研究員は、そうそうにその開発した砲弾を10センチの鋼鉄装甲に試すこととした。 聞きつけた陸軍や米軍、はては満州軍まで見学にくる。 場所は秘密研究所ではない。 当然だが。 トヨス戦車工場の広場だ。 売店まで出た。 コーラや焼きソバなど販売している。 商魂たくましい、トヨス精神だ。 コーラを飲みながらの見学となる。 用心のため退避壕から双眼鏡などで見学となる。 最初はトヨス対T40装甲だ。 砲弾は装甲板で破裂しない、なんと装甲板を熱で溶かしはじめる。 だが太陽炉で焼き固めたセラミックだ。 溶けないから砲弾の真っ赤な溶岩みたいなのが溶けただけだ。 装甲はなんともなかった。 次は厚さ10センチのトラ戦車と仮想した装甲板だ。 砲弾が当たる。 そこで溶岩様に溶ける。 装甲板も溶ける。 抜いた。 穴があいた。 説明では長いが、実際は一瞬だ。
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