大東亜戦争を有利に

さらなる空母の開発

同時、離着艦型だ。

　日本の空母には欠点がある。　発艦と着艦が同時に出来ない。　電磁カタパルトは長さが必要だ。　着艦にも長さが必要だ。　空母の開発黎明期には２段式の空母があった。　甲板が多段式だ。　鎌倉造船の開発部に新人が入社した。　学歴などない、しかし鎌倉造船にレポートを出した。　それが、おもしろいと採用したのだ。　会社は空母受注で景気がよかった。　ここでもう１隻と、とうぜん会社は動く。　新人は名を森島と名乗る。　海軍大臣に提出する設計図の簡単なラフを描く。　２段式だ、上が着艦用で、下が発艦用だ。　胴体はタンデムだ。　双胴船である。　特徴は他にもある。　煙突がない。　動力は帝大の原子物理学の権威である、アインマンの設計した原子炉だ。　これは、最高軍機密だった。　アインマンは行方不明で、国際手配が独逸帝国からされていた。　日本は完全黙秘を貫いた。　アインマンの日本名は、シュタイン博士だ。　妻は日本人だ。（アインマンはオタクであり、童貞３６歳の魔法使いであった。）　一族も日本とのかかわりが強くなった。　完全に日本に取り込まれたシュタイン博士は、この国に骨をうずめるそうだ。　妻はもちろん、婚姻するとき処女の１８歳だ。　３６歳のシュタイン博士は完全に尻に敷かれて、空が黄色く見えるそうだ。　肝心の空母のはなしだった。　で、海軍工廠で検討して、鎌倉造船に発注となった。　動力機関は空洞で作る。　完成後、海軍工廠で原子炉が取り付けられるのだ。　まだ原子炉の大きさから、潜水艦までは、無理だが。　現在、海底軍艦は艤装中だ。　しかし原子炉の小型化が成功すれば海底軍艦の動力を原子炉に交換できるように改良してある。　空母の２段式は電磁カタパルトが２５０メートル必要だからだ。　爆装して重いジェットを加速させる距離がいるのだ。　予算は今までの正規空母の倍かかる。　　それでも現政権は予算を認めた。　それは、Ａ国もローランドも空母の恫喝外交が成功したからだ。　Ａ国やローランドへの日本からの投資や企業の工場の誘致は進んでいる。　景気はうなぎ登りなのだ。　亜細亜友好国からの労働者の入国はＡ国やローランドにも及んでいる。　その経済圏をＮＡＡＲと呼んだ。　つまりＮは日本、Ａは亜細亜、Ａ国、Ｒは、ローランドだ。　このＮＡＡＲに加盟したい国はたくさんあるが、基本的に民主主義であり、三権分立、信仰、言論の自由など日本と共通の理念が必要だ。　特亜三国など持っての外だ。　この経済圏に英国と米国が参加したいと、言ってきた。　彼らも指をくわえて見てるだけでは、いたたまれなくなったのだ。　植民地政策より利益があがるからだ。　奴隷労働と自らの進んでの労働では天地の開きがあるのだ。　山田総理は訪米して米国や英国の真意をさぐることとした。　無敵空母、アマテラスでだ。　６万トンのジェット機搭載空母で行くのだ。　現在、太平洋を４５ノット（時速８０キロくらい）でニューヨークを目指している。　アマテラスには、政府出先機関があり、首相官邸と同じ能力があるのだ。　　高速ランダム衛星通信により完全に秘匿できる回線がアマテラスと官邸をつないでいる。　独逸帝国のエニグマなど比ではない。　　しかしパナマ運河を艦が、でかいから使えないのが弱点か。　しかし１５日でニューヨークまで行くのだ。（アマテラスは最高６５ノットを記録したことがある。）　それを聞いた米国大使の、あんぐり開いた口が忘れられない。　しかしこの訪問では、米国の結論はでなかった。　反対する白人勢力が少なくないのだ。　もう少し強い空母がいる、と山田総理は思った。