大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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飛行機の開発

機動部隊ができる。

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 成功したんですか、新聞記者が聞く、ここは、岐阜県の各務ヶ原の草原だ。 
広いところだ。 草が所どころ生えている。 
 そこを地ならしして、滑走路みたいな感じだ。
吹流しが一本風に吹かれている。 あとは、建物もない。
 テントがあった。 テントには、日本飛行機開発会社岐阜研究所 と長い文字。 
エンジンの音がブルンブルンと心地よい。 
 翼が二枚のなんかでかい昆虫のような機械がある。 
でかいプロペラが廻っている。
 
 記者の質問に「いまからです、しかしなんともいえません。」 
軍の関係者と思わしき威張ったヒゲのオッサンが、軍刀を持って折りたたみイスに座っていた。 
「ええい、変なこと書くと、承知せんぞ。」と記者を脅す。 
失敗したら己の首があぶないからだ。 
 飛行軍ができて、さえない窓際族であった、自分に役が廻ってきたから、彼は、必死だ。 
飛行軍が認められれば大将もやぶさかではない。 
 さえない軍の関係者である、左内博文は必死である。 
実験搭乗員は、なんやら変な格好で登場した。 
 頭は皮の頭巾にでかいメガネ、上は紐でなんか白いおおきな袋を背負っている。 
ズボンはニッカズボンみたいだ。 靴は編み上げの軍足だ。
 座席に搭乗員を固定する。 なんやら最終点検をしている、昆虫のでかい機械の翼の一部が動く。
搭乗員が両手を開く、車輪止めを両側から作業員がはずす。 
 エンジンがうなる。 プロペラが回転を上げた。 
プロペラの起こす風がすごい。 眼が開けられないほどだ。 
 すこし機械が動いた、いや、走っている、左右に傾きながら走り出した。
速い、馬より蒸気機関車より、エンジンの音がブルブルからブーンと高くなる。 
 車輪が離れた、浮いた、飛んだ、空を飛んだ。 
ふらつきながら飛行機は飛んだ。
 一回上を廻って飛行機は降りてきた。 着陸だ。

 記者は走る、軍の窓際族も走る、会社の作業員から皆走る。 
ブルブルブルとペラを廻しながら、飛行機は周りを飛んで降りてきた。 
 もうなにがなんだかわからない。 
お祭りだ、首がつながった左内博文も、新聞記者も、開発者から研究者、作業員まで飛行機の廻りをまわりお祭り騒ぎだった。
 翌日の新聞に飛行軍認められるの記事。 飛行成功の記事は小さかった。 
まだ飛行機がなんかわからない時代であった。 
 飛行機の写真は軍の機密であると、左内が撮らせなかった。 
しかし開発助手の有賀研究員は思う、これで機動部隊ができると、日本絶対防衛ラインを日本海にできる。 
 その小さいが第一歩が成功した。 
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