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眼下に広がる大地は貧しい。荒野という程ではないが、痩せた草原といったところだろうか。ビフロ王国の青々と広がる植生と森林を見慣れた目には、辺境大陸の土地はとても寂しく映った。
俺達は港町フルムを出て、近くの山に登って景色を見渡せる場所から眼下の景色を見下ろしていた。
「痩せた土地ですね。これでは満足に野菜を育てることは難しいでしょう」
ここ数ヶ月で猛烈に野菜作りに詳しくなったワルキューレが大地を眺めながら、気の毒そうな目でそう感想を呟いた。
「これも魔王の影響だよ。あいつは辺境大陸を根城にして、環境そのものを変えにかかってた。呪いみたいなもんでな、地母神の神官とか学者達が色々やってるけど、時間はかかりそうだ」
これでも、かなり頑張っている方だと思う。昨年に比べれば作物の収穫見込みも増えているし、フルムを中心に土地の力は増しているという話だ。
そもそも、辺境大陸の北西部の大地には神剣の刺さった魔王の骸が存在し、今でもこの地を呪いで取り込もうとしているんだ。そう簡単に成果は出ないだろう。
「魔王というのはとんでもない存在だったのですね。神格持ちだったと推測しているのですが」
「悪神に大分気に入られてたみたいだったよ。俺一人じゃどうしようもないくらい強かった」
「それほどですか。神が一つの生命にそれほど力を与えるのは珍しいですね」
「あるいは、魔王がそれを望んでたのかもな」
今となっては事実はわからない。魔王は相当長い年月を生きた何らかの種族だったようだが、悪神からの影響を受けすぎて心まで変質していた。そこにあったのは怒りと憎しみ。暗い情念を原動力に、世界全体を揺るがしたのが魔王だ。
俺は奴を倒すため神界に行って複数の神の加護を受けたが、それでも足りなかった。
複数の神様からちょっと力をもらって能力を底上げしたくらいじゃ、一柱から本気の祝福を受けた相手にはそうそう太刀打ちできるもんじゃない。
仲間の協力や奇跡や偶然が重なって何とか倒せた。それも、完璧ではない形で。おかげで今もこうして戦うはめになっている。
ことの原因になった悪神とやらは、神界で大分酷い目にあったと神託があったのがせめてもの救いだろうか。
「魔王については今度ハスティさんからも聞くといい。来たぞ」
「見えます。あれが傭兵隊長ボルグですね」
平原にある街道を馬車を引き連れた一団が進んでいた。武装した二十人ほどの人々、フルムの町の傭兵団だ。俺達の視線は先頭にいる馬に乗った男性に集中した。
傭兵隊長ボルグ。問題の人物の一団が、周辺の警戒から帰ってきたところだ。
俺とユニアは、魔法で視覚を拡大してじっくり観察する。
年齢は三十台だろうか。髭を蓄えた、精悍な顔つきの男性だ。着ているのは金属鎧ではなく、皮鎧。細かな金属板と装飾が見えるので魔法の品だろう。馬上なので槍を持っているが、目が行くのは腰の長剣だ。頑丈そうな黒い剣で、噂ではそれで魔物を相当数倒している。
「ユニア、どう思う?」
「店長こそ、どう思いますか?」
「……もったいぶるなよ。全然わからない。普通の人間に見えるぞ」
「……わたしもです。特殊な魔力や神格を感じることができません」
ユニアの言葉を聞いて、俺は途方に暮れた。俺達二人が観察して、正体が掴めないとは。
まさか本当にただの強い人間なのか?
もしそうだったら、あいつを魔物だとして考えていた前提が完全に崩れる。
「ユニア、ワルキューレの魔法とか能力で、あいつから情報を引き出せないのか?」
「店長こそ、魔法や加護で傭兵隊長の正体を暴けないのですか」
同時に出た発言で互いに確信した。
俺達二人は、情報収集が苦手なタイプだと。
「まずいな……。捕まえることはできるだろうが、情報を上手く吐かせることができない」
「困りましたね。ハスティ様辺りが自白剤の類いでもお持ちでないでしょうか」
どんどん会話の内容が怪しくなっていく。自白させる魔法とか、そういう技能の持ち合わせはないんだよな。精神系は難しいし。一部の神なら相手と瞬間的に仲良くなる力をくれるそうだが、俺はそういうのと付き合いがない。
とはいえ出来ることをやらねば。俺はどうにかプランBを脳内で立案する。
「冒険者協会で聞いたんだが、傭兵団が魔物討伐に出るとき、手伝いを募集するそうだ。その時の戦いのどさくさで、ディスペルの魔法とか正体を見破れそうなものに巻き込むっていうのはどうだ?」
正直、苦し紛れだ。だが、少なくとも、傭兵隊長ボルグが人間かどうかくらいの判定はできる。
ちなみに討伐任務は傭兵隊が活躍するばかりで、冒険者は本当に雑用しかさせてもらえないらしい。対象的な状況を作って、あからさまな印象操作をしているのだろう。
「良い案だと判断します。……店長のことですから、いっそこの場で斬ると言い出すかと思いました」
「いや、それやってただの人間だったらまずいだろ」
「……人間でなければやっていたのですね」
「まあ、その方が早いし。あの仮面あるし」
俺の言葉にユニアがちょっと引いていた。
とりあえず方針は決まったので、下山して冒険者協会に向かうことにした。
上手いこと、傭兵団の募集した依頼に紛れ込むために。
俺達は港町フルムを出て、近くの山に登って景色を見渡せる場所から眼下の景色を見下ろしていた。
「痩せた土地ですね。これでは満足に野菜を育てることは難しいでしょう」
ここ数ヶ月で猛烈に野菜作りに詳しくなったワルキューレが大地を眺めながら、気の毒そうな目でそう感想を呟いた。
「これも魔王の影響だよ。あいつは辺境大陸を根城にして、環境そのものを変えにかかってた。呪いみたいなもんでな、地母神の神官とか学者達が色々やってるけど、時間はかかりそうだ」
これでも、かなり頑張っている方だと思う。昨年に比べれば作物の収穫見込みも増えているし、フルムを中心に土地の力は増しているという話だ。
そもそも、辺境大陸の北西部の大地には神剣の刺さった魔王の骸が存在し、今でもこの地を呪いで取り込もうとしているんだ。そう簡単に成果は出ないだろう。
「魔王というのはとんでもない存在だったのですね。神格持ちだったと推測しているのですが」
「悪神に大分気に入られてたみたいだったよ。俺一人じゃどうしようもないくらい強かった」
「それほどですか。神が一つの生命にそれほど力を与えるのは珍しいですね」
「あるいは、魔王がそれを望んでたのかもな」
今となっては事実はわからない。魔王は相当長い年月を生きた何らかの種族だったようだが、悪神からの影響を受けすぎて心まで変質していた。そこにあったのは怒りと憎しみ。暗い情念を原動力に、世界全体を揺るがしたのが魔王だ。
俺は奴を倒すため神界に行って複数の神の加護を受けたが、それでも足りなかった。
複数の神様からちょっと力をもらって能力を底上げしたくらいじゃ、一柱から本気の祝福を受けた相手にはそうそう太刀打ちできるもんじゃない。
仲間の協力や奇跡や偶然が重なって何とか倒せた。それも、完璧ではない形で。おかげで今もこうして戦うはめになっている。
ことの原因になった悪神とやらは、神界で大分酷い目にあったと神託があったのがせめてもの救いだろうか。
「魔王については今度ハスティさんからも聞くといい。来たぞ」
「見えます。あれが傭兵隊長ボルグですね」
平原にある街道を馬車を引き連れた一団が進んでいた。武装した二十人ほどの人々、フルムの町の傭兵団だ。俺達の視線は先頭にいる馬に乗った男性に集中した。
傭兵隊長ボルグ。問題の人物の一団が、周辺の警戒から帰ってきたところだ。
俺とユニアは、魔法で視覚を拡大してじっくり観察する。
年齢は三十台だろうか。髭を蓄えた、精悍な顔つきの男性だ。着ているのは金属鎧ではなく、皮鎧。細かな金属板と装飾が見えるので魔法の品だろう。馬上なので槍を持っているが、目が行くのは腰の長剣だ。頑丈そうな黒い剣で、噂ではそれで魔物を相当数倒している。
「ユニア、どう思う?」
「店長こそ、どう思いますか?」
「……もったいぶるなよ。全然わからない。普通の人間に見えるぞ」
「……わたしもです。特殊な魔力や神格を感じることができません」
ユニアの言葉を聞いて、俺は途方に暮れた。俺達二人が観察して、正体が掴めないとは。
まさか本当にただの強い人間なのか?
もしそうだったら、あいつを魔物だとして考えていた前提が完全に崩れる。
「ユニア、ワルキューレの魔法とか能力で、あいつから情報を引き出せないのか?」
「店長こそ、魔法や加護で傭兵隊長の正体を暴けないのですか」
同時に出た発言で互いに確信した。
俺達二人は、情報収集が苦手なタイプだと。
「まずいな……。捕まえることはできるだろうが、情報を上手く吐かせることができない」
「困りましたね。ハスティ様辺りが自白剤の類いでもお持ちでないでしょうか」
どんどん会話の内容が怪しくなっていく。自白させる魔法とか、そういう技能の持ち合わせはないんだよな。精神系は難しいし。一部の神なら相手と瞬間的に仲良くなる力をくれるそうだが、俺はそういうのと付き合いがない。
とはいえ出来ることをやらねば。俺はどうにかプランBを脳内で立案する。
「冒険者協会で聞いたんだが、傭兵団が魔物討伐に出るとき、手伝いを募集するそうだ。その時の戦いのどさくさで、ディスペルの魔法とか正体を見破れそうなものに巻き込むっていうのはどうだ?」
正直、苦し紛れだ。だが、少なくとも、傭兵隊長ボルグが人間かどうかくらいの判定はできる。
ちなみに討伐任務は傭兵隊が活躍するばかりで、冒険者は本当に雑用しかさせてもらえないらしい。対象的な状況を作って、あからさまな印象操作をしているのだろう。
「良い案だと判断します。……店長のことですから、いっそこの場で斬ると言い出すかと思いました」
「いや、それやってただの人間だったらまずいだろ」
「……人間でなければやっていたのですね」
「まあ、その方が早いし。あの仮面あるし」
俺の言葉にユニアがちょっと引いていた。
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