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■0.絶対に勝たなあかん選手
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「悪いんやけど、うちが勝つためには、おまえをメンバーには入れられん」
普段は厳めしい顔と迫力ある声で怒鳴り散らす顧問の顔が、そう言い切った瞬間、あからさまにほっとしたのを戸塚康平は見逃さなかった。
中学三年、誕生日は十月だからまだ十四歳。もうすぐ中総体県大会が行われるという、ある日の放課後。珍しくウォーミングアップ中の康平に声をかけてきた顧問に連れられ部室へ入ると、いかにもといった感じの苦々しい表情を作ってそう言われたのだった。
「おまえは三年間、よう頑張っとった。先生だってそれはよう見てきた。ほやけ、最後の年くらいは出させてやりたいんやけど、おまえも知ってるとおり、うちは陸上の強豪校やけ。学校側としては負けるわけにはいかんのや。それは康平もようわかっとるな?」
そう念押しするように聞かれて、はいと答える以外にどう答えればいいのだろうか。
わかっている、というように頷く仕草を添えて「はい」と返事をすると、顧問は「そうか」と申し訳なさそうな声を吐き出し、康平に目元だけで笑いかけた。
康平自身、そうだろうと思っていたことだったので、特に動揺することなく上手く受け答えができた。そこは自分で自分を褒めてやってもいいところだと思う。だがその一方では、顧問に対する一色では済まない感情が胸の中に吹き荒れていた。
ひとつも悪いと思ってないくせに体面だけ態度を作っても丸わかりだっつーの。
顧問は、有望株の部員と、康平みたいな落ちこぼれの部員とでは、笑いたくなるほど態度が違ように康平には見える。もちろん、本人にそのつもりはないだろう。でも、部員に対する気持ちの入れ方の違いが透けて見えるような気がするのだ。
もしかしなくても、康平が勝手に背負い込んだ三年ぶんの劣等感や惨めな思いが、ただ単にそうさせているに過ぎないのだろう。実際、ほかの部員が顧問の指導体制に不満をこぼしている場面なんて見たことがなかったし、特に問題になったこともない。
でもじゃあ、さっきのあの、あからさまにほっとした顔はどう説明がつくというのだろうか。やはりそれも、康平が自分自身に勝手に植え付けた劣等感が見せた幻だろうか。
そんな胸中をひた隠しにしたまま、間を空けずに返事をした康平に、顧問は重苦しいため息をひとつつくと、短髪に刈り込んだごま塩頭をじょりじょりと撫でた。
予選でもいいから出させてくださいと懇願されると思っていたのかもしれない。神妙な顔で「悪いな」と呟くが、表情の奥は明らかに安堵の色が濃いように康平には見えた。
「今年こそは絶対に勝たなあかん選手もおるで、こっちも予選からかましていきたいんや。……まあ、そういうこっちゃ。ほな先生は行くで、康平も早よ練習戻り」
ほんますまん、堪忍な。
顧問は、康平に背中を向ける格好でまたごま塩頭を撫で、部室をあとにしていく。
キィキィと油の切れた音をさせて開いたドアの向こうには、正面から西日が見えた。康平はその眩しさに反射的に目を細め、そのまま山の稜線にかかる太陽を見つめる。
あの山はなんていう山だったっけ……。そう思っている間に、またキィキィ言いながらドアがゆっくりと閉まり、遠ざかっていく顧問の足音を完全に消した。
「……わかってたし。そんなの。悔しくないし。全然」
薄暗い部室の中で康平の声だけが空気をわずかに揺らした。
なにもあそこまで、わざとらしくそれらしい顔を作らなくたって、自分が箸にも棒にもかからない存在であることくらい、康平自身が一番よくわかっていた。
〝絶対に勝たなあかん選手〟――そいつの足下にも及ばない実力しかないことも。
だっておれは、所詮、中学から陸上をはじめたに過ぎない、ただの部員だ。普通どころか落ちこぼれだし、いくら最高学年になったからって、おれより速い後輩を差し置いて落ちこぼれが試合に出られるわけがない。全部わかっていて、それでもおれがどうしても陸上から――短距離から離れられないだけだ。補欠にすら選ばれなくたって、どうしても。
小学校まではこれといって運動なんてしてこなかった康平が陸上部に入ったのは、北京オリンピックで男子四×一〇〇メートルリレー日本代表がトラック競技で初めてメダルを獲ったからだ。リアルタイムで見ることは叶わなかったが、何度となく映像で見て、そのたびに、おれもいつかあんなふうになりたいと夢を見るようになっていった。
言ってしまえば、ただそれだけの、たったそれだけのことだ。
リオ五輪では、北京五輪よりひとつ上の銀メダルを獲った。個人種目では誰も決勝に残れなかったけれど、それでも彼らは世界に衝撃と称賛をもたらし、また彼らの名前と日本という国は、五輪の歴史に深く深く刻み込まれる快挙を成し遂げたのだった。
けれどその頃には康平も、頑張っていれば自分もあの高みへ行けるとは思わなくなっていた。当然だ。〝選ばれない〟現実を知ったし、そもそものレベルが違いすぎた。
それでも、憧れや夢を捨てるには、康平はまだまだ現実を知らなかったと言える。地方の片田舎ではそこそこ名の知れた陸上の強豪校と言われるここ――境江二中陸上部の底辺にしがみつくしか、叶わない夢への抵抗を体現する術を知らなかったのだ。
「つーか、うぜーんだけど。なに弁なんだよ、あの変な訛り」
床に転がっていた誰かの履き古したスパイクを壁に向かって蹴り上げ、ロッカーを背に座り込む。どっかりと腰を下ろすと、はぁー……と湿ったため息がこぼれていった。
走れば走るだけ、練習すればするだけタイムが縮んだのは、陸上をはじめてほんの数ヵ月だけだった。それだって周りのすごいやつには到底敵わないタイムだったけれど、早く走れるようになることが康平はただただ面白くて、またたく間にのめり込んでいった。
――でも。
いつからだろう、夢は夢でしかないと気づきはじめたのは。いつからだろう、どんなに頑張っても上には上がいることを知ったのは。いつからだろう、部活に顔を出すのが、部員の応援をするのが、走ることそのものが苦痛に感じるようになっていったのは。
「……ちくしょー……」
それでも涙がこぼれるのは、どうしてなんだろう。
わかりきっていたことじゃないか、おれのタイムじゃ予選のメンバーにも選ばれないことも。おれの足が遅いせいで、後輩たちが気を使って思いっきり走れないことも。顧問の檄がおれにだけ飛んでこないことも。全部全部、わかりきっていたことじゃないか。
「なんでおれ、陸上なんかはじめたんだろ……」
中学の三年間を無駄にしたとは思っていない。ともに汗を流す仲間ができた。大会で彼らを応援するのもとても好きだった。彼らが嬉しかったら一緒に喜んだ。悔しかったら一緒に泣いた。一度も大会に出られなくても、得たものは確かにあった。
けれど、もっと自分に合った道があったんじゃないかと。本当は無駄な時間じゃなかったと思いたいだけなんじゃないかと。いよいよ引導を渡された今は思う。
競うことは本来、あまり得意なほうではない。どちらかというと、勝負事よりもみんなと同じ目標に向かって努力し達成感を味わうことのほうが康平は好きだ。それでも陸上に魅了されてしまった。オリンピックのあの舞台で、各国の有名スプリンターと十秒にも満たない世界で順位とタイムを競ってみたいと、どうしてもそう思ってしまった。
「ちくしょー、なんでおれは……」
その先は、言葉にならなかった。
才能なんてひとつもないのに、なんでおれは三年間陸上にしがみついてしまったんだろう。そう言いたかったのか、それとも、なんでおれはもっと速く走れないんだろう、そう言いたかったのか。康平自身、どの感情が先に立つのか、よくわからない。
それでも涙はあふれる。ぐちゃぐちゃになった心が、痛い痛いと悲鳴を上げる。どこにも行き場のない思いが拳となり、早く走れない自分の足に、三年間毎日踏んだコンクリートの床に、制服から練習着に着替えたロッカーに、何度も何度も叩きつけられる。
「おれはいったい、ここでなにがしたかったんだ……」
嗚咽交じりのみっともない涙声が、部室に乱反響して消えていく。
目指すものは自分では到底たどり着けないものだと知り、それでももうちょっと、もうちょっと頑張ったらもしかしたらと、この期に及んでまだ夢にしがみつこうとしてしまう自分が、ひどく滑稽で惨めだった。なんで陸上に魅せられてしまったんだろう。そう思えば思うだけ、夢は残酷でしかないものなのだと思い知らされるようだった。
その年、康平の中学は、ほかに県内に四つある強豪校のどこよりも多く一番にゴールラインを走り抜けた。一〇〇、二〇〇メートル走だけは一位の座を譲ってしまったが、それでも二位、三位と表彰台は康平の中学のオレンジ色のユニホームが占拠していた。
そのオレンジに挟まれて、芝生色のユニホームがやたらと目に映えるようだった。
〝絶対に勝たなあかん選手〟――今年もまた、そいつに負けた。
けれど、早々に引導を渡され、初めからエントリーすら叶わなかった康平からしてみれば、勝とうが負けようが羨ましかった。試合に出た選手全員が平等に。
そうして見上げた表彰台のてっぺんは、たとえ地方の大会でもオリンピックのセンターのようにどこまでも遠く、光の粒を撒き散らしたかの如くキラキラ輝いて見えた。
普段は厳めしい顔と迫力ある声で怒鳴り散らす顧問の顔が、そう言い切った瞬間、あからさまにほっとしたのを戸塚康平は見逃さなかった。
中学三年、誕生日は十月だからまだ十四歳。もうすぐ中総体県大会が行われるという、ある日の放課後。珍しくウォーミングアップ中の康平に声をかけてきた顧問に連れられ部室へ入ると、いかにもといった感じの苦々しい表情を作ってそう言われたのだった。
「おまえは三年間、よう頑張っとった。先生だってそれはよう見てきた。ほやけ、最後の年くらいは出させてやりたいんやけど、おまえも知ってるとおり、うちは陸上の強豪校やけ。学校側としては負けるわけにはいかんのや。それは康平もようわかっとるな?」
そう念押しするように聞かれて、はいと答える以外にどう答えればいいのだろうか。
わかっている、というように頷く仕草を添えて「はい」と返事をすると、顧問は「そうか」と申し訳なさそうな声を吐き出し、康平に目元だけで笑いかけた。
康平自身、そうだろうと思っていたことだったので、特に動揺することなく上手く受け答えができた。そこは自分で自分を褒めてやってもいいところだと思う。だがその一方では、顧問に対する一色では済まない感情が胸の中に吹き荒れていた。
ひとつも悪いと思ってないくせに体面だけ態度を作っても丸わかりだっつーの。
顧問は、有望株の部員と、康平みたいな落ちこぼれの部員とでは、笑いたくなるほど態度が違ように康平には見える。もちろん、本人にそのつもりはないだろう。でも、部員に対する気持ちの入れ方の違いが透けて見えるような気がするのだ。
もしかしなくても、康平が勝手に背負い込んだ三年ぶんの劣等感や惨めな思いが、ただ単にそうさせているに過ぎないのだろう。実際、ほかの部員が顧問の指導体制に不満をこぼしている場面なんて見たことがなかったし、特に問題になったこともない。
でもじゃあ、さっきのあの、あからさまにほっとした顔はどう説明がつくというのだろうか。やはりそれも、康平が自分自身に勝手に植え付けた劣等感が見せた幻だろうか。
そんな胸中をひた隠しにしたまま、間を空けずに返事をした康平に、顧問は重苦しいため息をひとつつくと、短髪に刈り込んだごま塩頭をじょりじょりと撫でた。
予選でもいいから出させてくださいと懇願されると思っていたのかもしれない。神妙な顔で「悪いな」と呟くが、表情の奥は明らかに安堵の色が濃いように康平には見えた。
「今年こそは絶対に勝たなあかん選手もおるで、こっちも予選からかましていきたいんや。……まあ、そういうこっちゃ。ほな先生は行くで、康平も早よ練習戻り」
ほんますまん、堪忍な。
顧問は、康平に背中を向ける格好でまたごま塩頭を撫で、部室をあとにしていく。
キィキィと油の切れた音をさせて開いたドアの向こうには、正面から西日が見えた。康平はその眩しさに反射的に目を細め、そのまま山の稜線にかかる太陽を見つめる。
あの山はなんていう山だったっけ……。そう思っている間に、またキィキィ言いながらドアがゆっくりと閉まり、遠ざかっていく顧問の足音を完全に消した。
「……わかってたし。そんなの。悔しくないし。全然」
薄暗い部室の中で康平の声だけが空気をわずかに揺らした。
なにもあそこまで、わざとらしくそれらしい顔を作らなくたって、自分が箸にも棒にもかからない存在であることくらい、康平自身が一番よくわかっていた。
〝絶対に勝たなあかん選手〟――そいつの足下にも及ばない実力しかないことも。
だっておれは、所詮、中学から陸上をはじめたに過ぎない、ただの部員だ。普通どころか落ちこぼれだし、いくら最高学年になったからって、おれより速い後輩を差し置いて落ちこぼれが試合に出られるわけがない。全部わかっていて、それでもおれがどうしても陸上から――短距離から離れられないだけだ。補欠にすら選ばれなくたって、どうしても。
小学校まではこれといって運動なんてしてこなかった康平が陸上部に入ったのは、北京オリンピックで男子四×一〇〇メートルリレー日本代表がトラック競技で初めてメダルを獲ったからだ。リアルタイムで見ることは叶わなかったが、何度となく映像で見て、そのたびに、おれもいつかあんなふうになりたいと夢を見るようになっていった。
言ってしまえば、ただそれだけの、たったそれだけのことだ。
リオ五輪では、北京五輪よりひとつ上の銀メダルを獲った。個人種目では誰も決勝に残れなかったけれど、それでも彼らは世界に衝撃と称賛をもたらし、また彼らの名前と日本という国は、五輪の歴史に深く深く刻み込まれる快挙を成し遂げたのだった。
けれどその頃には康平も、頑張っていれば自分もあの高みへ行けるとは思わなくなっていた。当然だ。〝選ばれない〟現実を知ったし、そもそものレベルが違いすぎた。
それでも、憧れや夢を捨てるには、康平はまだまだ現実を知らなかったと言える。地方の片田舎ではそこそこ名の知れた陸上の強豪校と言われるここ――境江二中陸上部の底辺にしがみつくしか、叶わない夢への抵抗を体現する術を知らなかったのだ。
「つーか、うぜーんだけど。なに弁なんだよ、あの変な訛り」
床に転がっていた誰かの履き古したスパイクを壁に向かって蹴り上げ、ロッカーを背に座り込む。どっかりと腰を下ろすと、はぁー……と湿ったため息がこぼれていった。
走れば走るだけ、練習すればするだけタイムが縮んだのは、陸上をはじめてほんの数ヵ月だけだった。それだって周りのすごいやつには到底敵わないタイムだったけれど、早く走れるようになることが康平はただただ面白くて、またたく間にのめり込んでいった。
――でも。
いつからだろう、夢は夢でしかないと気づきはじめたのは。いつからだろう、どんなに頑張っても上には上がいることを知ったのは。いつからだろう、部活に顔を出すのが、部員の応援をするのが、走ることそのものが苦痛に感じるようになっていったのは。
「……ちくしょー……」
それでも涙がこぼれるのは、どうしてなんだろう。
わかりきっていたことじゃないか、おれのタイムじゃ予選のメンバーにも選ばれないことも。おれの足が遅いせいで、後輩たちが気を使って思いっきり走れないことも。顧問の檄がおれにだけ飛んでこないことも。全部全部、わかりきっていたことじゃないか。
「なんでおれ、陸上なんかはじめたんだろ……」
中学の三年間を無駄にしたとは思っていない。ともに汗を流す仲間ができた。大会で彼らを応援するのもとても好きだった。彼らが嬉しかったら一緒に喜んだ。悔しかったら一緒に泣いた。一度も大会に出られなくても、得たものは確かにあった。
けれど、もっと自分に合った道があったんじゃないかと。本当は無駄な時間じゃなかったと思いたいだけなんじゃないかと。いよいよ引導を渡された今は思う。
競うことは本来、あまり得意なほうではない。どちらかというと、勝負事よりもみんなと同じ目標に向かって努力し達成感を味わうことのほうが康平は好きだ。それでも陸上に魅了されてしまった。オリンピックのあの舞台で、各国の有名スプリンターと十秒にも満たない世界で順位とタイムを競ってみたいと、どうしてもそう思ってしまった。
「ちくしょー、なんでおれは……」
その先は、言葉にならなかった。
才能なんてひとつもないのに、なんでおれは三年間陸上にしがみついてしまったんだろう。そう言いたかったのか、それとも、なんでおれはもっと速く走れないんだろう、そう言いたかったのか。康平自身、どの感情が先に立つのか、よくわからない。
それでも涙はあふれる。ぐちゃぐちゃになった心が、痛い痛いと悲鳴を上げる。どこにも行き場のない思いが拳となり、早く走れない自分の足に、三年間毎日踏んだコンクリートの床に、制服から練習着に着替えたロッカーに、何度も何度も叩きつけられる。
「おれはいったい、ここでなにがしたかったんだ……」
嗚咽交じりのみっともない涙声が、部室に乱反響して消えていく。
目指すものは自分では到底たどり着けないものだと知り、それでももうちょっと、もうちょっと頑張ったらもしかしたらと、この期に及んでまだ夢にしがみつこうとしてしまう自分が、ひどく滑稽で惨めだった。なんで陸上に魅せられてしまったんだろう。そう思えば思うだけ、夢は残酷でしかないものなのだと思い知らされるようだった。
その年、康平の中学は、ほかに県内に四つある強豪校のどこよりも多く一番にゴールラインを走り抜けた。一〇〇、二〇〇メートル走だけは一位の座を譲ってしまったが、それでも二位、三位と表彰台は康平の中学のオレンジ色のユニホームが占拠していた。
そのオレンジに挟まれて、芝生色のユニホームがやたらと目に映えるようだった。
〝絶対に勝たなあかん選手〟――今年もまた、そいつに負けた。
けれど、早々に引導を渡され、初めからエントリーすら叶わなかった康平からしてみれば、勝とうが負けようが羨ましかった。試合に出た選手全員が平等に。
そうして見上げた表彰台のてっぺんは、たとえ地方の大会でもオリンピックのセンターのようにどこまでも遠く、光の粒を撒き散らしたかの如くキラキラ輝いて見えた。
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