109 / 222
幕間 穂村アンサー
しおりを挟む
食堂で包んでもらった弁当を片手に穂村は自室へと歩いていた。
リリエット時代からバイトを掛け持ちしてギリギリの生活をしていた穂村にとって住み込みの上に家賃・食費・光熱費免除のワンダーランドは理想的な職場だ。金銭面での負担はグッと軽くなった。無理に掛け持ちしていたバイトを減らして時間的な余裕も捻出できている。ここまで好待遇であるにも関わらず本業の方でイマイチ成果を出せていない現状が申し訳ないくらいだ。Vtuberとしての経歴なら穂村が最も長く経験豊富なはずなのだが、それが結果に結びついていない。
いや、普通の人間なら仕事の不甲斐なさではなく殺人未遂を犯したことを気にするのか。
穂村はモロホシに頬を打たれたことで、ようやくその事に気が付いた。自分の中では、いいや、自分とアリス姫の二人の間ではもうそれは過去の出来事になってしまっている。冗談で笑い飛ばせてしまう出来事になっていたのだ。
異常である。穂村雫もアリス姫も。
だが、そんな関係が穂村には何故か心地よかった。
「そりゃそうだろうね。アリス姫は君の理解者だ。心の底から人と分かり合えて仲良くなる。穂村、君にとっては未知の体験だ」
白岩姫。穂村雫の最古のバーチャルキャラクターが呼び出してもいないのに勝手に出現していた。その事に穂村は眉をひそめた。
バーチャルキャラクターが主の意図を無視して行動する。それは禁則事項に違反しない限りあり得ないからだ。
「それにモロホシにビンタされて実は嬉しかっただろう、君。無駄ではあるけれど、いや無駄であるからこそ、それでも正面からぶつかって意見を言ってくれる存在は希少だ。穂村、君のような異常者にとってはね」
モロホシは少し幼馴染みと似ているね、そう白岩姫は続けた。バーチャルキャラクターは主の記憶すら共有している。隠し事は出来ない。
白岩姫は柔らかな口調とは裏腹に凍り付いたような目で穂村を見ていた。穂村のバーチャルキャラクターの中で穂村に最も似ているのが白岩姫だ。おそらくは穂村雫の根本的な部分。本質が形となって現れたのが白岩姫なのだ。その一面だけを形にしたが故に、あるいは穂村本人よりも白岩姫は異常であるのかもしれなかった。
「何の用?」
「おいおい、何を警戒してるのさ。要件なんて決まり切ってるだろう?」
白岩姫は何でもない日常の延長であるかのように気軽に言葉を放った。
「アリス姫はいつ殺すのさ」
「っ!」
「モロホシに言っただろう君。アリス姫は死んだ方が良いって。本心でね。それは間違いない」
そう、嘘や誤魔化しではない。穂村雫はアリス姫は死んだ方が良いと思っている。
最初にアリス姫を殺そうとした時から穂村の意見は全くと言って良いほど変わってはいなかった。
「当たり前の話だよ。何故なら状況が全く変わっていないんだからね。穂村、君の予言。日本のディストピア化の話を聞いて誰か何らかの対策をしているかい?」
「……アリスさんが」
「チートを社会にバラさないようにしようって? それ、前から言ってたよね。以前と何が違うんだい?」
何一つとして変わって等いない。何もかもが以前と同じだった。
それでいて誰も危機感を持っていなかった。アリス姫を信じているのか、それとも。
「穂村、君の予言は狂人の戯言として聞き流された」
「所詮は可能性の話だから仕方ない」
「おいおいおいおい。正気か? 君が言うのか?」
驚愕した白岩姫は両手を広げて世界を嘆いた。心の底から驚いていた。
「未来予知は散々利用したんだから仕組みは分かっているだろうに。穂村、君の行動によって20秒間の運命が決まっていた。複数の未来があるように見えていたのは観測した君が別の行動をするからに過ぎない。それ以外の要因では決して運命は変わらなかった。必ず予知した通りの20秒間がやって来ていた」
だからと白岩姫は告げる。
「絶対にディストピアの未来はやって来る。可能性じゃないんだ。これは運命なんだ。変えようと動かない限り、絶対なんだぞ!?」
白岩姫にはどうしてここまで人間が愚かなのか理解が出来ない。目の前に落とし穴があると言っているにも関わらず笑って落ちていくのだ。
唯一、穂村だけが対応しようと動いていた。そのはずだった。
「穂村。モロホシの質問をボクもするよ。君はアリス姫を殺そうとしているかい?」
「絶対命令権が」
「イエスかノーで答えろよ。モロホシにもそうだった。君は死んだ方が良いと思うと答えた。殺そうとしているとは言わなかった!」
白岩姫は穂村を睨む。もはや敵意を隠そうともしなかった。
「そもそもだ。絶対命令権でアリス姫が命じたことは一つ。『殺人するな』だ。『異能を使うな』でも『危害を加えるな』でもない。なのに君は絶対命令権の時間切れ以外に固有能力を使わなかった。油断を誘ってた? まあ一週間くらいはそれでボクも納得したさ。で、その後。君は普通にVtuberとして配信してたわけだけど、どういう理由なのかな?」
「どちらにせよ殺せないのなら意味は」
「馬鹿が、そんな言葉で誤魔化せるかよ。バーチャルキャラクターには自由意志がある。君が殺せなくてもボクらには殺せる。君は単にボクらを解き放つだけで良かった。爆弾を現実のアリス姫の部屋に転移させることだって可能だ。殺す準備をするのは殺人じゃない。バーチャル界で購入可能だった。睡眠薬でアリス姫を眠らせることだって可能じゃないか。命令の有効期限まで浚って閉じ込めりゃいいだけだ。本当にそれだけのことでアリス姫は殺せる。君が思いつかなかったはずがないだろう?」
穴だらけの命令だった。強制的に穂村雫を大人しくさせるにはまるで命令が足りなかった。
それにも関わらず穂村は大人しく命令に従ったのだ。白岩姫には裏切りとしか映らない。
「君の答えをボクが言ってやろうか。アリス姫は死んだ方が良いと思う。だけど殺そうとはしていない。これがモロホシの質問に対する本当の君の答えだ」
穂村は。
穂村は反論しなかった。
「君は。君はアリス姫との会話が楽しくて、ワンダーランドの居心地が良くて、だからアリス姫を殺したくない。殺せない。それだけだ。本当にただ、それだけだ」
白岩姫は泣きたくなった。何一つ反論してこない穂村はまるで別人のように見えた。
いや、あるいはこれこそが本来の穂村雫だったのかもしれない。リリエットでの穂村雫は冷静で礼儀正しく、そして予定外の事に弱くて楽しそうに笑うのだ。
そんな穂村に惹かれて皆が応援していた。共感性が欠如していて、空気の読めない所はあったけれど冷たくはなかった。
「茜ヨモギをバーチャル界に没収されたからだな。彼女は君の悔いだった。リリエットで絶望した君の無念の一面だった。そんな彼女の一面が君の鋼の覚悟を支えていた。能力だけじゃない。経験までバーチャル界は没収したのか。だから君は迷っているのか。君の迷いの一面である村雨ヒバナと同じように」
穂村は白岩姫の言葉を黙って聞いていた。何一つとして反論できなかった。
「それでまた繰り返すのか。リリエットの時と同じく、黙って見てるのか」
人気になりたいと、有名になりたいと、テレビに出たいとリリエットは無茶をしていた。穂村にはその気持ちはよく分からなかったが、皆と一緒にいたくて何も言わなかった。本質的に人と違う穂村をそれでも受け入れてくれたリリエットが穂村は好きだった。大事な居場所だった。
「何が残った。無茶をして、一人の少女の人格まで変わって、幼馴染みとも会えなくなって、君に何が残った。答えろ、穂村!」
「私は……」
穂村は言った。
「もうやだ」
子供のような声だった。
「もう、何も失いたくない」
それが穂村雫の本心だった。その姿を見て、白岩姫は溜息を吐いて諦めた。
「心の底から失望したよ、穂村。ボクが君に協力することは二度とない」
そうして一人、穂村雫は取り残された。
リリエット時代からバイトを掛け持ちしてギリギリの生活をしていた穂村にとって住み込みの上に家賃・食費・光熱費免除のワンダーランドは理想的な職場だ。金銭面での負担はグッと軽くなった。無理に掛け持ちしていたバイトを減らして時間的な余裕も捻出できている。ここまで好待遇であるにも関わらず本業の方でイマイチ成果を出せていない現状が申し訳ないくらいだ。Vtuberとしての経歴なら穂村が最も長く経験豊富なはずなのだが、それが結果に結びついていない。
いや、普通の人間なら仕事の不甲斐なさではなく殺人未遂を犯したことを気にするのか。
穂村はモロホシに頬を打たれたことで、ようやくその事に気が付いた。自分の中では、いいや、自分とアリス姫の二人の間ではもうそれは過去の出来事になってしまっている。冗談で笑い飛ばせてしまう出来事になっていたのだ。
異常である。穂村雫もアリス姫も。
だが、そんな関係が穂村には何故か心地よかった。
「そりゃそうだろうね。アリス姫は君の理解者だ。心の底から人と分かり合えて仲良くなる。穂村、君にとっては未知の体験だ」
白岩姫。穂村雫の最古のバーチャルキャラクターが呼び出してもいないのに勝手に出現していた。その事に穂村は眉をひそめた。
バーチャルキャラクターが主の意図を無視して行動する。それは禁則事項に違反しない限りあり得ないからだ。
「それにモロホシにビンタされて実は嬉しかっただろう、君。無駄ではあるけれど、いや無駄であるからこそ、それでも正面からぶつかって意見を言ってくれる存在は希少だ。穂村、君のような異常者にとってはね」
モロホシは少し幼馴染みと似ているね、そう白岩姫は続けた。バーチャルキャラクターは主の記憶すら共有している。隠し事は出来ない。
白岩姫は柔らかな口調とは裏腹に凍り付いたような目で穂村を見ていた。穂村のバーチャルキャラクターの中で穂村に最も似ているのが白岩姫だ。おそらくは穂村雫の根本的な部分。本質が形となって現れたのが白岩姫なのだ。その一面だけを形にしたが故に、あるいは穂村本人よりも白岩姫は異常であるのかもしれなかった。
「何の用?」
「おいおい、何を警戒してるのさ。要件なんて決まり切ってるだろう?」
白岩姫は何でもない日常の延長であるかのように気軽に言葉を放った。
「アリス姫はいつ殺すのさ」
「っ!」
「モロホシに言っただろう君。アリス姫は死んだ方が良いって。本心でね。それは間違いない」
そう、嘘や誤魔化しではない。穂村雫はアリス姫は死んだ方が良いと思っている。
最初にアリス姫を殺そうとした時から穂村の意見は全くと言って良いほど変わってはいなかった。
「当たり前の話だよ。何故なら状況が全く変わっていないんだからね。穂村、君の予言。日本のディストピア化の話を聞いて誰か何らかの対策をしているかい?」
「……アリスさんが」
「チートを社会にバラさないようにしようって? それ、前から言ってたよね。以前と何が違うんだい?」
何一つとして変わって等いない。何もかもが以前と同じだった。
それでいて誰も危機感を持っていなかった。アリス姫を信じているのか、それとも。
「穂村、君の予言は狂人の戯言として聞き流された」
「所詮は可能性の話だから仕方ない」
「おいおいおいおい。正気か? 君が言うのか?」
驚愕した白岩姫は両手を広げて世界を嘆いた。心の底から驚いていた。
「未来予知は散々利用したんだから仕組みは分かっているだろうに。穂村、君の行動によって20秒間の運命が決まっていた。複数の未来があるように見えていたのは観測した君が別の行動をするからに過ぎない。それ以外の要因では決して運命は変わらなかった。必ず予知した通りの20秒間がやって来ていた」
だからと白岩姫は告げる。
「絶対にディストピアの未来はやって来る。可能性じゃないんだ。これは運命なんだ。変えようと動かない限り、絶対なんだぞ!?」
白岩姫にはどうしてここまで人間が愚かなのか理解が出来ない。目の前に落とし穴があると言っているにも関わらず笑って落ちていくのだ。
唯一、穂村だけが対応しようと動いていた。そのはずだった。
「穂村。モロホシの質問をボクもするよ。君はアリス姫を殺そうとしているかい?」
「絶対命令権が」
「イエスかノーで答えろよ。モロホシにもそうだった。君は死んだ方が良いと思うと答えた。殺そうとしているとは言わなかった!」
白岩姫は穂村を睨む。もはや敵意を隠そうともしなかった。
「そもそもだ。絶対命令権でアリス姫が命じたことは一つ。『殺人するな』だ。『異能を使うな』でも『危害を加えるな』でもない。なのに君は絶対命令権の時間切れ以外に固有能力を使わなかった。油断を誘ってた? まあ一週間くらいはそれでボクも納得したさ。で、その後。君は普通にVtuberとして配信してたわけだけど、どういう理由なのかな?」
「どちらにせよ殺せないのなら意味は」
「馬鹿が、そんな言葉で誤魔化せるかよ。バーチャルキャラクターには自由意志がある。君が殺せなくてもボクらには殺せる。君は単にボクらを解き放つだけで良かった。爆弾を現実のアリス姫の部屋に転移させることだって可能だ。殺す準備をするのは殺人じゃない。バーチャル界で購入可能だった。睡眠薬でアリス姫を眠らせることだって可能じゃないか。命令の有効期限まで浚って閉じ込めりゃいいだけだ。本当にそれだけのことでアリス姫は殺せる。君が思いつかなかったはずがないだろう?」
穴だらけの命令だった。強制的に穂村雫を大人しくさせるにはまるで命令が足りなかった。
それにも関わらず穂村は大人しく命令に従ったのだ。白岩姫には裏切りとしか映らない。
「君の答えをボクが言ってやろうか。アリス姫は死んだ方が良いと思う。だけど殺そうとはしていない。これがモロホシの質問に対する本当の君の答えだ」
穂村は。
穂村は反論しなかった。
「君は。君はアリス姫との会話が楽しくて、ワンダーランドの居心地が良くて、だからアリス姫を殺したくない。殺せない。それだけだ。本当にただ、それだけだ」
白岩姫は泣きたくなった。何一つ反論してこない穂村はまるで別人のように見えた。
いや、あるいはこれこそが本来の穂村雫だったのかもしれない。リリエットでの穂村雫は冷静で礼儀正しく、そして予定外の事に弱くて楽しそうに笑うのだ。
そんな穂村に惹かれて皆が応援していた。共感性が欠如していて、空気の読めない所はあったけれど冷たくはなかった。
「茜ヨモギをバーチャル界に没収されたからだな。彼女は君の悔いだった。リリエットで絶望した君の無念の一面だった。そんな彼女の一面が君の鋼の覚悟を支えていた。能力だけじゃない。経験までバーチャル界は没収したのか。だから君は迷っているのか。君の迷いの一面である村雨ヒバナと同じように」
穂村は白岩姫の言葉を黙って聞いていた。何一つとして反論できなかった。
「それでまた繰り返すのか。リリエットの時と同じく、黙って見てるのか」
人気になりたいと、有名になりたいと、テレビに出たいとリリエットは無茶をしていた。穂村にはその気持ちはよく分からなかったが、皆と一緒にいたくて何も言わなかった。本質的に人と違う穂村をそれでも受け入れてくれたリリエットが穂村は好きだった。大事な居場所だった。
「何が残った。無茶をして、一人の少女の人格まで変わって、幼馴染みとも会えなくなって、君に何が残った。答えろ、穂村!」
「私は……」
穂村は言った。
「もうやだ」
子供のような声だった。
「もう、何も失いたくない」
それが穂村雫の本心だった。その姿を見て、白岩姫は溜息を吐いて諦めた。
「心の底から失望したよ、穂村。ボクが君に協力することは二度とない」
そうして一人、穂村雫は取り残された。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
強制的にダンジョンに閉じ込められ配信を始めた俺、吸血鬼に進化するがエロい衝動を抑えきれない
ぐうのすけ
ファンタジー
朝起きると美人予言者が俺を訪ねて来る。
「どうも、予言者です。あなたがダンジョンで配信をしないと日本人の半分近くが死にます。さあ、行きましょう」
そして俺は黒服マッチョに両脇を抱えられて黒塗りの車に乗せられ、日本に1つしかないダンジョンに移動する。
『ダンジョン配信の義務さえ果たせばハーレムをお約束します』
『ダンジョン配信の義務さえ果たせば一生お金の心配はいりません』
「いや、それより自由をください!!」
俺は進化して力を手に入れるが、その力にはトラップがあった。
「吸血鬼、だと!バンパイア=エロだと相場は決まっている!」
【悲報】ダンジョン攻略JK配信者、配信を切り忘れて無双しすぎてしまいアホほどバズって伝説になる
夜桜カスミ
ファンタジー
主人公の雷電美琴は、数十年前に突如現れたダンジョンにて、その攻略風景を配信する配信者として活動している。
「はあ……。私って、こういうのに才能ないのかなあ……」
着物姿と薙刀一つでダンジョンを攻略する配信者はいないだろうと踏んでこのスタイルで始めたが、武器と服装が他よりやや奇抜なだけでやっていることはその他大勢と大差なく。どれだけSNSで配信の告知をしても、サムネイルを凝っても観にきてくれる視聴者の数は常に一桁にとどまっていた。
そんなある日、いつも通りダンジョンに潜ってモンスターを薙刀一つでバッサバッサ薙ぎ倒していく配信をして、いつも通り同時接続者は一人からゼロのまま過ごし、心が折れかけたので早めに切り上げて家に戻ろうと配信を終わらせる準備をした。
その時、ダンジョンに潜って探索する探索者の三人組パーティが、大型モンスターの軍勢に襲われているのを目撃した。
「逃げろ! スタンピードだ!」
「どいて。今、私、とってもむしゃくしゃしているの」
どれだけ頑張っても増えない同時接続者数にチャンネル登録。ネットで徹底的に調べて人目を引くようなサムネイルにしても効果はなかった。
必死に頑張っても伸びず、一ヶ月ぶりに送られたコメントに批判されて、ストレスはマッハで溜まっていた。
ゆえに、美琴はモンスターに八つ当たりしてしまう。それはもう一方的に、蹂躙という言葉がぴったりなほど徹底的に薙ぎ倒していった。
「はあ、こんな八つ当たりしたって、再生数も登録者も伸びやしないのに。何やってんだか……」
モンスターだったもの達の残骸のそばでため息を吐き、黙って立ち去る美琴。
「大型モンスターのスタンピードを、たった一人で全部倒した!?」
「なんだよあの雷撃!? 消し炭どころか消滅しちゃってんじゃん!?」
「あの女の子、一体何者!?」
一方で、助けられた三人組は登録者数が70万人いる大人気チャンネルを運営する攻略系配信者であり、安定して強いモンスターを相手に戦える実力者達だった。
そんな三人組でも逃げるしかできなかったモンスターの軍勢、スタンピードを蹂躙という表現以外つけられないほど一方的に倒した美琴の姿は、ばっちりとその配信と、美琴が切り忘れた自分の配信に映っていた。
「消えたと思ったらモンスターが細切れに!?」
「なんだ今の動き!? というかこの雷は何!?」
「この子は一体なんなんだ! 特定班はまだか!」
モンスターの軍勢を一方的に蹂躙するその配信の切り抜きは瞬く間に拡散されていき、美琴がぐっすりとベッドの上で眠っている間にバズりにバズりまくっていき、朝起きたら『雷神少女』という名前と共に伝説となっていたのだった。
※小説家になろうとカクヨムにも掲載しています
かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる
竜頭蛇
ファンタジー
伊藤淳は都内の某所にあるダンジョン配信者事務所のマネージャーをしており、かつて人気配信者を目指していた時の憧憬を抱えつつも、忙しない日々を送っていた。
ある時、ワーカーホリックになりかねていた淳を心配した社長から休暇を取らせられることになり、特に休日に何もすることがなく、暇になった淳は半年先にあるS級ダンジョン『破滅の扉』の配信プロジェクトの下見をすることで時間を潰すことにする.
モンスターの攻撃を利用していたウォータースライダーを息抜きで満喫していると、日本発のS級ダンジョン配信という箔に目が眩んだ事務所のNO.1配信者最上ヒカリとそのマネージャーの大口大火と鉢合わせする.
その配信で姿を晒すことになった淳は、さまざまな実力者から一目を置かれる様になり、世界に名を轟かす配信者となる.
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!
海夏世もみじ
ファンタジー
旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました
動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。
そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。
しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!
戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる