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93 卒業祝賀舞踏会
しおりを挟む卒業祝賀舞踏会………って、なに?
私も知ったばかりなのよと口角を上げるマリアーナに、訝し気な視線を向けてしまう。
卒業と冠するのだから、数か月後に控えた王立学術院の卒業式典関連の催しであることぐらいは流石に判る。しかし、例年通りならばアーデルハイド王国の伝統を重んじた長ったらしいご祝辞をご来賓の皆様に頂戴する只管に退屈でお堅いだけの式典だったはずだ。それが何をどう間違えれば、華やかな舞踏会に変貌を遂げるというのか?
あまりにも眉唾な情報に、疑いの眼を向けると「ちょっと…疑うなんて失礼ねぇ!これは今朝妃殿下から直接伺った話なんだからね⁈」とプリプリと怒られた。
そう言えば、彼女は早朝から聖女の公務で王宮へ出向いていた。その日の公務を終え、学術院へ戻る際に偶然妃殿下と会話をする機会があり、今年度は特例として生徒会が主催する全校生徒参加の卒業祝賀舞踏会の開催が決定された事を告げられたそうだ。
「別に例年通り、堅苦しい卒業式典だけで十分だと思うけれど? 何で態々金をかけてまで大規模な舞踏会を開催する運びになったんだろう?」
しかも生徒会が主催するなど、前代未聞だ。意味が解らず首を傾げていると、察しの悪い私に肩を竦めると、マリアーナは深々と溜息を吐いた。
「………本っっ当に世俗の噂に疎いのねぇ。今年度の卒業生が在校生にとって“高嶺の花”の存在扱いを受けていることも知らないの? 一貴族にとっては自国の王太子殿下に、奇跡の聖女の私、将来の宰相に殿下お抱えの王宮騎士が同じ学び舎で時を過ごすなんて、類まれなる幸運なのよ。そんな“高嶺の花”が卒業目前だから、みんな慌てて伝手づくりや、見初められたいと必死になっているんじゃない。でもイベントでも無ければそんな機会は中々ないからと、在校生の一部が生徒会に【意中の相手に告白できる機会が欲しい。出来れば距離も縮めたい】って嘆願書を出したのが切っ掛けらしいわよ。中々直情的な内容だけれど、それが瞬く間に噂で広まって同様の手紙が殺到したせいで、生徒会長も重い腰を上げて妃殿下に謁見を申し込んだみたい。しかも謁見の間で堂々と『学術院の教育理念は“身分の偏見を排し創造力及び幅広い知識を身に付ける”こととありますが、従来通りの行事でこれを成し得ることは不可能といっても過言ではありません。新たな扉を開き、幅広い交友関係を築くためにも全校規模の舞踏会……卒業祝賀舞踏会の開催を望みます』と練り上げた舞踏会の計画書や嘆願書の束を叩きつけたって言うから、立ち会った文官達もあまりのやり手ぶりに舌を巻いていたらしいわ。内容も優れていたから、その場で計画書を読み終えた妃殿下が即決断、承認したってわけ」
………さもありなん。その話を聞くだけでも妃殿下が即決した理由が判るし、周りの文官達もさぞや驚いた事だろう。
確かに一度社会に出てしまえば、家格や大人たちの思惑に翻弄されて自由恋愛はほぼ不可能と言える。たとえサロンや舞踏会で望む異性と出会えたとしても、互いに一目で見初め合う事等相当に困難だし、既に婚約者がいる可能性も高い。やはり身分差の関係ない学生のうちに恋人になって、何れは玉の輿に……と夢見る乙女心も理解はできる。
私だってもし貴族令嬢のまま入学していたら、誰か素敵な殿方に見初められて恋に落ちていた可能性だって無くはない………と、思いたい。
別にディミトリ殿下が嫌だとかそんな話ではなく、恋愛小説を嗜む者としては初めて出会った素敵な殿方と恋に恋するラブ・ロマンスという奴も体験してみたいという淡い願望だったりするのだが。
(………あれ? もしかして私は男装していたせいでそんな夢さえも自らぶち壊していた……?)
元を正せば、入学式前に妃殿下の着せ替え人形扱いをされた私のドレス姿をディミトリ殿下が見初めたことからこの歪な関係は始まったのだ。彼のあまりの執着ぶりに「貴女の正体がディミトリにバレたら、直ぐに食べられちゃうわよ」と恐ろしい宣告を受け、仕方なく男装したまま王立学術院に入学する事となった。
……確かにあの時はそれが最善の策だと思えたし、傍に居なければ殿下の気持ちも冷めるだろうと簡単に考え、承諾したのは私だ。無事に三年間さえ乗り切れば、後は野となれ山となれと気楽に考えていたあの時の自分を殴りたい。
しかし、蓋を開けてみればディミトリ殿下との関係は雁字搦め状態で。その上、貴族社会を形成すると言っても過言ではない王立学術院内で、私は王太子殿下のお気に入り“ティーセル男爵家の双子の令息の片割れ”とすっかり浸透してしまった。こうなればルイ―セを相手に婚姻を申し込む貴族などいないに等しいのではあるまいか………?
嘘を最初に吐いた方が悪いと言われてしまえば返す言葉もないが、誰が一生涯独身を貫くほどの大嘘に発展すると思うだろう。いくら心優しいフランツでも行き遅れの幼馴染を同情で娶るほどの心の広さは持ち合わせていないだろうし、これは完全に詰んだ予感がする。
まさか、妃殿下が全てを見越して入学させたとは言わないが、思い起こせばあの時も妙に手続きが素早かった。あの時から本気で私を着せ替え人形もとい殿下の嫁にと画策していたとすれば、とんでもない策士ぶりに手の上で転がされたとしか思えない………まあ、それは些か穿ったものの見方過ぎるか。まあ、今更嘆いたところで時間が巻き戻るわけではない以上、諦める以外選択肢は無いのだが。
溜息を吐きつつ、先ほどまで興奮気味に卒業祝賀舞踏会について語っていたはずのマリアーナに視線を向けると、いつの間にか眉間にしわを寄せて何やら思案している。
腕を組んでウンウンと唸っていたかと思うと、暫くしてパッと表情を変えた彼女はとんでもない爆弾発言を投下した。
「そっか~っ‼ ずーっと何だか覚えがあるなぁって頭の隅に引っかかっていたんだけれど、確か卒業祝賀舞踏会って乙女ゲームの重要イベントだったんだわぁ‼」
「は………⁈」
「このイベントを熟さないと攻略対象者とのハッピーエンドが迎えられないのに。すっかり忘れていたわ☆」
いやいやいや、待て待て待て‼詳しく話を聞こうじゃないかと思わず彼女の肩を掴んで引き攣った笑みを浮かべた私は悪くないと思う。
なんと、この卒業祝賀舞踏会は乙女ゲームの最終イベントで、この場で最も愛を深めたお相手から愛の告白を受ける最重要山場だと言うではないか。何で早く言わないの⁈と詰め寄ると「さっき思い出したんだから仕方ないでしょう。ごめんねぇ~」と呑気な一言で返されて暫し脱力する事となった。
詳細を尋ねたところ、この卒業祝賀舞踏会は本当にゲームの終盤のイベントのようで、全ての攻略対象者の中で最も好感度が高く、かつ攻略条件を満たした者から舞踏会で着用する衣装一式が贈られるらしい。
ヒロインを自分好みに仕立て上げるべく、ドレスのみならず宝飾品やハイヒールに至るまでイメージカラーで統一し、寸法に一部の狂いもない品が届けられると教えられた時は、流石に恐怖を感じたけれど。
さらに、舞踏会の参加者は同伴する相手と同じ“花”を模した装飾品を身に付けることが規定なので、入場の際にはそれを提示しなければならないそうだ。
一度入場してしまえば、会場内では別行動も許されるらしいが、一曲目とラストワルツだけは同じ“花”を身に付けた相手と踊らなくてはならない。態々そんな縛りを設けた理由も、ゲームのイベントが発生する条件だったかららしい。
ダンスフロア内でイベントが発生する攻略対象者が殆どだが、ディミトリ殿下の場合はヒロインとの初めての出会いの場―――本来ならば社交デビュタントの王宮舞踏会で初めて邂逅した月夜のバルコニーと同じ状況で、再び微かに聞こえるワルツに乗せて二人はラストワルツを踊る―――という状況を作り出さなくてはならないそうだ。薄いドレスに身を包み、春先とはいえ凍えそうな夜のバルコニーで一人待っていると、そこに殿下が登場して「まるで初めて会った夜の再来では無いか。……あの晩も貴女は一人寂しそうな表情をしていたね」とかなんとか口説きながら、月明かりの下でワルツを踊るらしい。歯が浮きそうな台詞ではあるものの、マリアーナ曰く「月明かりに照らされたディミトリ王子の金の髪と吸い込まれそうな碧い瞳に射貫かれて、最高に盛り上がるシチュエーションなのよ~‼ 本当、性格さえ知らなかったら今も憧れていられたのに」だそうだ。
ただ、今回マリアーナが攻略する対象は、ゲーム中では王立学術院に在籍すらしていなかった兄の為、イベント自体が存在するのかも未確認だと悩んでいるらしい。
まあ、どうせ“物語の強制力”とやらでシナリオは新たに構築されるのだろうが。
卒業舞踏会の開催を聞かされた時には大いに慌てたものの、元々シナリオに組み込まれていたものであればそこまで警戒する必要はないかもしれない。此処さえ乗り切ればゲームは無事終了し、私も“物語の強制力”に怯える必要は無くなる。
何としてでも穏やかに余生を過ごしたいと、決意も新たにしていると隣では「ルイス様の選ぶドレスはどんなデザインかしら。彼の瞳のようなエバーグリーンの……もしかしたら胸元の大胆なドレスだったらどうしよう」とマリアーナが声を弾ませた。
「うーん……意外と露出の少ないクラシカルなドレス好みかもね。レースがたっぷりの……まあ、私は不参加の予定だから当日の様子が見れないのは残念だけれどね」
伝手も見初められるのも不要な自分が参加する理由はない。その上異性を同伴するのが参加条件では、フランツでも誘って美味しい料理を堪能しようという訳にもいかないだろうと言葉を続けると、「えっ⁈ ………でも、全校生徒が強制参加だって聞いたわよ?」と無情な一言が告げられる。
「たしか生徒会長が『舞踏会の開催趣旨が教育理念に基づいていることを踏まえ、学術院に在籍する全ての生徒は強制参加とします。古い価値観に囚われ、身分差や美醜を理由に欠席するなど以ての外。重篤な病欠以外、例外は認めません……たとえ王太子殿下であっても』って取り決めたそうよ」
………何がそこまで生徒会長を突き動かすのか……これではどうやっても逃げられない。
「だったら、当日はマリ―――」
「舞踏会の参加者は一対一が原則なの。特に今回は出会いの場を提供する事を目的としているから、二重予約は禁止、その為の揃いの“花”だしね」
ニッコリと笑みを浮かべると「私はここでルイス様と結ばれなくちゃ後が無いの。アンタと同伴したせいで、万が一にもハッピーエンドを逃したら、義弟と婚姻させられかねないんだからね⁈」と先次て釘を刺された。
「じゃあ、当日は一人で参加するのは? 同伴者が見つからなかったから一人寂しく参加しますってのはどうだろう?」
「アンタに限ってその言い訳が通用するとは思えないわね。一人の相手も見つけられない場合は、生徒会が間に入って参加者の最終調整するとまで言っていたもの」
………なんでそこまで。生徒会長の仲人精神が凄すぎて引く………。
大体、ディミトリ殿下やマリアーナのように“高嶺の花”扱いをされている人物だけ強制参加で良くないか?私みたいに脛に傷持つ身としては、迂闊に未婚の令嬢と距離を詰めるような危険な真似は御免被りたいだけなのだが。
「あー………面倒くさい。いっそ私に興味はないけれど、壁の花になるよりマシだから同伴するって令嬢はいないかなぁ……。後腐れなし、その場限りのお付き合いですってね」
すっかり嫌になってそうぼやくと「女誑しの台詞じゃないんだから。まあ精々頑張ってね」と無情な一言。
明日からが思いやられるなと溜息を吐くその予測は、案の定正しかった。
マリアーナとの会話から数日後、遂に卒業祝賀舞踏会の開催決定が生徒会長から発表されると、瞬く間に学術院中で蜂の巣をつついたような大騒ぎが巻き起こった。
今までは尻込みしていたらしき慎ましやかな令嬢も、舞踏会の同伴を申し込むぐらいなら断られても傷は浅いと判断したのか、早朝から放課後まで暇さえあれば“高嶺の花”の元へとひらりひらりと蝶が蜜を求めるがごとく群がっている。
おかげで友人たちはそれぞれに呼び出しを受けては席を外すため、未だに卒業祝賀舞踏会について話す暇がない。
今まで無頓着でいたが、自分もディミトリ殿下と親しいところが魅力的に映るのか、何人もの令嬢から舞踏会の同伴相手を申し込まれた。
……ただ、申し込んで来た全員が卒業後も将来の婚姻相手を前提とした関係を匂わせてきたので、丁重にお断りをさせて頂いているのだが。
如何やらそれは殿下やフランツも同じようで「休む間さえ与えられずひっきりなしに呼び出されるのは流石に公務にも支障が出るな」と死んだ目で呟いているのが気の毒であった。
そんな日々に疲れ果て、放課後の人もまばらな教室の机でボンヤリと夕焼け空を眺めていると、扉がガタリと音を立て開く気配がした。
誰が戻って来たのだろうと、振り返るとそこに立ち優雅な笑みを浮かべる女生徒の姿に、気持がどんどんと沈んでいくのを感じる。あからさまに嫌悪の表情を浮かべる私に平然と近づくと、彼女は見事なカーテシーを披露した。
「こうして間近でお顔を拝見するのは久方ぶりですわね。カール様におかれましてはご機嫌いかがかしら?」
「………良い、訳がないだろう。私にはもう二度と話しかけるなと言ったはずだけれど?」
彼女―――エレノア・ルマール侯爵令嬢はかつて偽りの噂で婚姻を迫って来た令嬢だった。
一方的で利己的な愛の押し付けと、妄執に満ちた彼女の傲慢な態度に嫌気がさし、私がマリアーナに惚れていると嘘の情報を流して、彼女を拒絶したのはもう二年近く前の事だろうか。
あれ以来、一度も彼女から声を掛けられる事は無かったのだが。
「本当につれない御方ですわね。別に取って食おうとしている訳でもあるまいし、小娘のように怯える必要はありませんわ」
こんな安い挑発に乗るつもりは無いけれど、態々教室まで訪ねてきておいて、喧嘩を売って帰るつもりなのだろうか。しかも頼れる友人もいないこんなタイミングを見計らってまで。
見たところ彼女に変わったところも鬼気迫る様子もない。これなら話ぐらいは冷静にできるだろうと、エレノアの榛色の瞳をジッと見つめると「場所を変えて、二人だけでお話ししませんか」と可愛らしく小首を傾げられる。
「用があるなら此処で聞く。不要な話だと判断したら、悪いが帰らせて―――」
「貴女の大切な“ルイ―セ様”の件、と申し上げたらお判りかしら。人前で話されるのはカール様にとって都合が悪いのでは無くて?」
―――エレノアは今、何と言った………?
その刹那、周りの微かなざわめきさえもが消失したような錯覚に陥る。バクリバクリと鼓動だけがいやに耳につき、狼狽えるあまり血の気が引いているであろう顔からポタリ、と一滴の汗が零れた。
「な……んで、エレノアがその名前を……?」
弱みを見せては駄目だと判っているのに、口から出るのは掠れた声だけで。それを聞いたエレノアの瞳が確信の色を浮かべる。
「フフフ ねぇ?二人きりでお話しする気持ちになって下さって嬉しいわ」
右腕を引かれ、フラリと立ち上がる。絡みついた指に力が籠るたび、自分が蜘蛛の巣にかかった獲物のような錯覚を覚える………彼女の前で、私は完全な被食者でしかない。
そんな姿に満足したような笑みを浮かべると、エレノアは私にしな垂れかかりながら歩きだした。
一体どこへ向かうのか、それさえも尋ねられないまま私は黄昏時の教室を後にしたのだった。
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