上 下
84 / 102

83 身から出た監禁

しおりを挟む
 
 事の始まりから、今もなお続く我が家と王家との隔たりを聞き終えたものの、思わず頭を抱えて蹲りたい衝動に駆られる………。

 王妃殿下も両親も、私の動向を固唾を飲んで見守っているのは判るのだけれど、自分の中で気持ちと情報処理が追いつかない。
 ……先ず一番気になっていることを聞いてみるかと顔を上げれば、真剣な眼差しの王妃殿下の目元が緩んだ。

「あの……一応確認なんですが、今まで“身代わり”だとお聞きしていた殿下の初恋相手は、私……という事でお間違いないですか…?」

「………はっ⁈………えっ、あの…今までの話を全部聞いていて、むしろ別人の可能性があると思うの⁈」

 ………ですよね?

 やっぱり私で間違いないのかぁ…そう思うと安堵のような、空恐ろしいような不思議な感覚が胸に広がる。
 ウーンと唸っている私にチラリと視線を合わせ、王妃殿下は恨めしそうに溜息を吐いた。

「……ティーセル男爵に貴女を連れ去られてからの一週間は正直、地獄の様だったわ。ディミトリが精神的に不安定になって睡眠も食事も受け付けずにやせ細っていってね、そのせいで発動したばかりの“精神領域干渉能力”が制御できず、周りにまで影響を及ぼし始めたから、最終的に記憶を封じ込めてルイ―セとの出会いを全て忘れさせたのよ。貴女も一度あの子が精神不安に陥ったのを見たと思うけれど、幼かった分、苛烈度合いは凄まじかったわぁ………」

 今もその時の光景がありありと浮かぶのか、若干遠い目をしている。
 勿論、そんな話を聞かされた両親も……そして私も同じ表情をしているのだろう。

 ………ディミトリ殿下の愛情が激重感情おも過ぎて受け止め切れない……

 恐らく、王立学術院で初めての夏季休暇で“婚約者と会えないのが辛い‼”と、勝手に殿下が焦燥していた時の事を差しているのだと理解はできるけれど、それ以上に苛烈な状況となると、想像するのさえ恐ろしい……。

 幼いが故に直ぐに感情と直結し、“精神領域干渉能力”が全く制御できなくなったのだとすれば、王家の一族以外は誰も傍に寄りつくことが出来ない事になる。
 医師の看護も身の回りの世話さえも受け付けずに衰弱していく五歳児に、力を行使して記憶を封じたことは最早英断と言えるだろう。

「私の左胸の青痣……これがディミトリ殿下の刻んだ妃華ひばなであることは確実なのでしょうか?」

「ええ、そうね。誘拐の惨状に触発され、ディミトリが“精神領域干渉能力”を発現したのも事実だし、同時にルイ―セに“妃華”――伴侶の証を刻んだことも事実よ。まあ、当時五歳のディミトリが、本当に能力の真価を理解して、それを遂行したのかは判らないけれど」

「この青痣……“妃華”は見た目が変化することがありました。此処から魅了の力が勝手に発動しているというのも、事実ですか?」

「……ええ。“妃華”は伴侶からの想いが強い分だけ、より鮮やかに姿を変えるの。金色に変化するのは互いの能力が発動している時のみだけれど。それも全て、伴侶を国王の隣に並び立つ正妃に据えるために必要な力だからなの。魅了で有力な貴族からの絶大な支持を得るのは、その身を暗殺から守る為……と言えば判るかしら?……そのせいで、望まぬ求愛を受けてしまう事も多々あるけれど…」

 国で高い権力を持つ貴族ほど、自家繁栄の為に己の娘を正妃に据えたいと望む。
 その時邪魔になるのは国王自身が選んだ令嬢であり、命を奪ってでも排除しようとすることは世の常であろう。

 “妃華”に魅了された者は、敵愾心を抱き続けることが難しくなり、次第に敬慕、そして情愛へと気持ちを変えていく。
 敬愛する女性が正妃の座に就くため尽力する……それこそが伴侶の身を守る為に与えられた“妃華”の真価でもあった。

 ……そして、その能力は同時に“妃華”を持つが故に愛される――即ち、他者からの好意が本物か紛い物かを見抜くことが出来ないという“愛の呪い”でもある。

 “妃華”を身に刻む女性は、伴侶からは受け止め切れぬ愛で縛り付けられ、他者からは溺れるほどの情愛を向けられる分、孤独を深めるという呪縛でもあった。

 まだ善悪の判断すら覚束ない幼子が、誘拐という非日常の中で心を搔き乱され、傍に居た私の手を取り勢い込んで能力を発動してしまったとしたら………。

 ―――それが過ちであったと気づいた時にはやり直す術などどこにも無い。

 そして、ルイ―セの身には永遠の孤独と共に“妃華”が呪縛となり残るのだ。



 この世界が“金色のSALUSこんじきのサルース”というゲームの舞台だとマリアーナから話を聞いたことがあるけれど、彼女曰く攻略対象者であるディミトリ・アーデルハイド第一王子には聖女のヒロインと祝福されるべきシナリオ――未来が存在していた。

 王宮舞踏会で初めての出会いをする二人が、王立学術院で再び邂逅するドラマチックな筋書きもあったわけだ。
 そのルートだとエレノア・ルマール侯爵令嬢が悪役としてヒロインの前に立ちはだかり、紆余曲折する訳だが、恐らくヒロインと結ばれない場合は、殿下がエレノアと結ばれていたという事だろう。

 ゲームが始まる前に“妃華”の能力を意図せず手にしてしまった私が、エレノアを殿下の婚約者に据える未来を潰し、その上社交デビュタントしたての彼女と踊り歓心まで買ってしまった。

 ……ここまで来ればまるで喜劇のようだとさえ思うが、恐らく“妃華”の魅了に中てられたせいでエレノアから妄執とも呼べる執着を受けたことは想像に難くない。

 どう考えても“妃華”のせいで、私がゲーム世界を搔き乱すバグに成り下がった事は確定したけれど、そうなると今後も同じことがいくらでも起こり得るという事では無いか。

 ―――最早溜息しか出ない………。



 ふと、消える直前に使い魔のエリクが言っていたことが思い起こされる。

『世界の管理者に君がバグだと認識され、君の存在をこの世から抹消しようとする“物語の強制力”が働く危険性がある』と……。

 あの直後に起きたエビリズ国関連の縁談話や外交が、世界の管理者によって引き起こされたバグを排除する為の強制力だとすれば、ルイ―セが王立学術院に居る限り、何度でも繰り返される可能性が高い。

 ………それがじわりじわりとディミトリ殿下の心を侵食し心を疲弊させ続けるのだとしても。


 考えろ 考えろ 考えろ

 どうすれば物語の強制力から逃れることが出来る?

『ゲームが終了する王立学術院の卒業式典までがタイムリミットだ。そこさえ過ぎてしまえばシナリオの影響は無くなり、恐らく強制力も働かなくなる』

 ――たしか、エリクはそう言っていた。

 ゲームの舞台“王立学術院”にシナリオを搔き乱すバグが存在しているから、それを排除すべく物語の強制力が働くのだとすれば、いっそのこと、バグが舞台から降板してしまえば解決するのではないだろうか?

 解決はしないまでも、タイムリミットさえ超えることが出来れば、強制力は消え去り私はバグと認識されなくなる………。


 自分一人では到底解決できそうにない問題と、だからこそ誰にも打ち明けられない悩みに悶々とするあまり、自分でも気づかぬうちに顔色を真っ青に変えていたらしい。  
 不意に体を抱きすくめられると、甘くやわらかな香りが鼻孔を擽った。

「何でルイ―セばかりがこんな目に……。大怪我をして辛いというのに、こんな話で混乱させて……不甲斐ない母様でごめんなさい……」

「お前が不幸になる婚姻なら断ろう。卒業後も、暫くは家族水入らずで暮らしてから、ゆっくりと将来を決めればいい。………もう離れ離れでいる必要は無いのだから……」

 口々に慰めの言葉を呟き、私を守るように抱きしめてくれる両親の声は苦渋に満ちている。

 その声に、両親も深い葛藤を抱いたまま長い年月を過ごしていた事を知ると、これ以上苦しむぐらいならティーセル領へ引き籠ってしまいたい衝動に駆られるぐらいに私は疲れていた。

「……一度に全てを知ったルイ―セが混乱する気持ちも分かるわ。それに今は大怪我を負った身ですもの……気持ちに整理がつかなくて当然よ。時間を掛けて飲み込んでいくしか、今の貴女に出来ることは無いの。だから無理やりルイ―セを邸宅に連れ帰るような真似は止めて頂戴ね」
 
 王妃殿下から掛けられた言葉は、この場にそぐわない程に明るく、そして反論は許さないと言わんばかりの圧に満ちている。

 口を開く暇さえ与えず「今回の事件の後始末が終わり、ルイ―セの怪我が完治するまでの間は王宮内で療養する事。理事としてこれに反論は認めないわ」とまで言われてしまえば、流石の両親も黙ることしか出来ない。
 
 王立学術院に復学し、物語の強制力がどれだけの脅威となるのかを見定める前に英気を養わないと……。
 私は来るべき時に備え、謹んでこの休学を受け入れた―――はずだったのだが。

 

(おかしい……どうしてこうなったのかしら………?)
 
 思えば、若葉萌えいずる春の日にあの忌まわしい事件が起こった。
 しかし、窓の外には強い日差しが照り付け、気が付けば初夏の訪れを感じる今日この頃……。
 
 貴族達の社交シーズンも終わりを迎え、避暑の為にカントリーハウスへ一大移住が始まる季節。

(………おかしい……何で……?) 
 
 あまりの苛立ちに、手元にあったクッションを手あたり次第に放り投げてみたものの、当然それぐらいでは何の気晴らしにもならない。

「……何で……何でこんなに長い事休学させられなくちゃならないのぉ~~~⁈」

 ―――ブルーノの魔の手から逃れた日から早三か月が経った今も、私は何故か王宮内で療養という名の軟禁を受けていた………。



 事の発端は、両親が邸宅へ帰ってから一週間後のお茶の時間に“そろそろ怪我の状態も良さそうね”…と、考えなしに私が口を開いたことから始まった。

「この一か月間、王宮で療養させていただいたご恩情に感謝申し上げます。おかげ様で怪我もほぼ完治した頃合いですし、そろそろ王立学術院への復学許可をお願いします」

 その頃には、目に見える傷は殆ど無く、肋骨の痛みも感じられないまでには回復していた。

 だから、当然のように復学許可が貰えるだろうと確信した私は、意気揚々と目の前でお茶を楽しむ王妃殿下に復学許可を申し出た訳だ。

 現状、休学扱いで授業を免除して貰っているとはいえ、これ以上の遅れは卒業にも差し障る。

 理由が無ければ帰宅が許されないはずの学術院から毎週末帰宮しては、何故か満面の笑みを浮かべて顔を見せてくれるディミトリ殿下が勉強を見てくれているとはいっても、これ以上休学が長引くのはどう考えても迷惑極まりないだろう。
 とっとと日常生活に戻って、その上で王立学術院から逃げ出すのか否かを見極めたいと願った言葉は、予期せぬ方向から拒絶されることとなった。

「………駄目だ。ルウの復学は認められない」

 王妃殿下より早く拒絶の言葉を口にしたのは、今日も今日とて部屋へ顔を出し私の真横にベッタリと寄り添うディミトリ殿下だった。

「怪我というのは見た目だけでは判らない。素人判断で後遺症を残すことが問題だと理解すべきだ」

「本人が外傷も身体の不調も無いと言っているのに? 王宮医師には聖女様から聖魔力の癒しを受けた私の体はかなり治癒力が高まり、内部の損傷は問題無いと聞いています。それの何処に問題が? 今日にも復学できそうなぐらい元気ですが」

「……それを素人判断と言うのだよ。王宮医師からは完治の話を聞いていない以上、復学させるつもりは無い」

「でも……」

「これ以上の議論の余地はない。ほら、ルウも早くお茶を飲んでしまわないと勉強の時間が足りなくなるだろう?」

 ………そこからは話し合いにもならず、どれだけ宥めすかしても頑として首を振られ続けた。
 ……解せぬ……。

 頼みの綱の王妃殿下にチラリと助けを求めてみても「あー……まあ、王宮医師に判断を委ねましょうか」と苦笑いするのみ。

 挙句の果て、それまで経過は良好だと笑みを見せていた王宮医師たちからまで「完治に至っていないお体で出歩くことは危険です」と、目を逸らされたのだから納得いかないにも程がある。

 何で?ほぼ治癒したと言っていたはずでは…⁈と、焦りのあまり医師達に詰め寄ったのが気に入らなかったのか、殿下は胡散臭いキラキラした微笑みを浮かべると「無理をしては体に障るだろう。医師もこう言っているのだから、指示に従い大人しく療養しなさい」と、何故か部屋前に立つ警備兵まで増やされることになった。

「えっ⁈ ………何で警備まで増やすの……?」

「ルウが部屋で大人しくしていれば良いが、万が一王宮内をうろついて廊下で倒れたりしたら大変だからな。予防措置を取っただけで、何の問題も無いはずだが?」

「わ、私如きにそこまで厳重な警備は必要ないと思うのっ‼ ……そんな監視みたいな…」

「監視?……ルウは大げさだな。これはあくまでも予防措置だと言っただろう? ルウが脱走を目論まずに大人しく療養していれば、何も気にすることは無いだろう」

 ………やっぱり監禁目的じゃないか………。

 警備を増やして、漸く安心したのかディミトリ殿下は王立学術院へと帰って行ったけれど、それ以来、私には常に二人の監視が付いて王宮内ですら満足に移動が許されなくなった。

 …こうして、気が付けば私は王宮に監禁されたまま、長い療養期間を過ごす事となったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

男装少女、呪いの刀を片手に異世界を旅します~周囲を魅了していることには、まったく気がつきません~

色彩和
ファンタジー
樹神葵羽は、高校三年生。普段から男性のような話し方をし、制服以外は男装している少女であった。 ある日、友人を助けたことにより、命を落としてしまった。 しかし、そんな彼女が次に目を開ければ、そこは自分の知らない世界、異世界であった。呪いの刀に気に入られてしまった彼女は、それを片手に異世界を旅する。呪いの刀を封印しようと考える彼女は、様々な場所を巡り、仲間たちと出会っていくのだった――。 男装少女の異世界転生ファンタジー、どうぞお楽しみください。

悪役令嬢はやめて、侯爵子息になります

立風花
恋愛
第八回 アイリス恋愛ファンタジー大賞 一次選考通過作品に入りました!  完結しました。ありがとうございます  シナリオが進む事のなくなった世界。誰も知らないゲーム後の世界が動き出す。  大崩落、王城陥落。聖女と祈り。シナリオ分岐の真実。 激動する王国で、想い合うノエルとアレックス王子。  大切な人の迷いと大きな決断を迫られる最終章! ーあらすじー  8歳のお誕生日を前に、秘密の場所で小さな出逢いを迎えたキャロル。秘密を約束して別れた直後、頭部に怪我をしてしまう。  巡る記憶は遠い遠い過去。生まれる前の自分。  そして、知る自分がゲームの悪役令嬢であること。  戸惑いの中、最悪の結末を回避するために、今度こそ後悔なく幸せになる道を探しはじめる。  子息になった悪役令嬢の成長と繋がる絆、戸惑う恋。 侯爵子息になって、ゲームのシナリオ通りにはさせません!<序章 侯爵子息になります!編> 子息になったキャロルの前に現れる攻略対象。育つ友情、恋に揺れる気持<二章 大切な人!社交デビュー編> 学園入学でゲームの世界へ。ヒロイン登場。シナリオの変化。絆は波乱を迎える「転」章<三章 恋する学園編> ※複数投稿サイト、またはブログに同じ作品を掲載しております

言い訳は結構ですよ? 全て見ていましたから。

紗綺
恋愛
私の婚約者は別の女性を好いている。 学園内のこととはいえ、複数の男性を侍らす女性の取り巻きになるなんて名が泣いているわよ? 婚約は破棄します。これは両家でもう決まったことですから。 邪魔な婚約者をサクッと婚約破棄して、かねてから用意していた相手と婚約を結びます。 新しい婚約者は私にとって理想の相手。 私の邪魔をしないという点が素晴らしい。 でもべた惚れしてたとか聞いてないわ。 都合の良い相手でいいなんて……、おかしな人ね。 ◆本編 5話  ◆番外編 2話  番外編1話はちょっと暗めのお話です。 入学初日の婚約破棄~の原型はこんな感じでした。 もったいないのでこちらも投稿してしまいます。 また少し違う男装(?)令嬢を楽しんでもらえたら嬉しいです。

浮気されて婚約破棄されて実家に戻ったら、兄から戦争の名代を押し付けられたので男装騎士になります。

しろいるか
恋愛
夫になるはずだった人に浮気されたあげく、頬に傷を負ったことで婚約破棄までされてしまった令嬢、アイシャ。失意のうちに実家へ戻ったが、待っていたのは過酷な運命だった。戦が起こるたび、実の兄から名代を押し付けられて出陣することに。男装して騎士として過ごす中、傷を癒せずにいると、心優しき王子と出会う――。

【完結】男装の麗人が私の婚約者を欲しがっているご様子ですが…

恋愛
伯爵令嬢のグラシャは同じ女学校のシルビアと婚約者で侯爵家のアシュレイが両想いであるという噂を耳にする。シルビアは彼の幼馴染、しかもその長身と整った顔立ちから『男装の麗人』として人気を集めている。 お互いが想い合っているなら潔く身を引こう、心に決めたグラシャはアシュレイを呼び出し別れを告げようとするが…… 「俺が君を手放すと、そう思っているのか?」 勘違いした令嬢と不器用な婚約者がある噂をきっかけに急接近?!ざまぁ要素あり、基本溺愛系です。 ※ノベルバでも投稿しております。

処理中です...