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71 王宮晩餐会

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「ルイ―セ、無事に晩餐会の支度が整ったようね」

 呆然と鏡を見つめていると、いつの間に部屋には行ってきたのか、不意に王妃殿下の声が真後ろで聞こえる。

「…晩餐会…?」

 エビリズ国の外交団が王宮に滞在しているこの状況で、私にディミトリ殿下の色を纏わせ、晩餐会に参列させる意味…。

(あああ…そう言う事ね~~~っ‼クッソ…最悪じゃないのっ‼)

 思わず天を仰いで罵詈雑言を並べ立てたくなった私の気持ちも察して欲しい。

「…何で最初から説明して下さらないのですか…。せめて理由ぐらいは言ってくれても」
「オホホ…言ったら絶対に来なかったくせに。もうここまで来たのだから諦めなさいな」

 本当に王妃殿下は性格が悪い…しかも私の性格を読んでいるところも非常にムカつく。

 ――今回、私が無理やり王宮に参集させられたのは、晩餐会場でディミトリ殿下の正式な婚約者としてエビリズ外交団…一番は縁談相手の第二王女の前でお披露目をするのが目的という事だ。
 通りで、こんな気合の入った化粧に、殿下の色のドレスまで念入りに準備する訳だよ。
 …こんなの、前もってわかっていたら、仮病でも何でも使って逃げるに決まっているじゃないか。

「今回のエビリズ国外交団の目的はわが国との同盟交渉を重視していると聞きました。それ故、縁談話は然程重要視されていないとも。…無理に婚約者を仕立て上げて、彼女を牽制するより、国王陛下から直接お断りすれば済む話ではないのですか?」
「腐っても他国の王族からの政略結婚となると、簡単にはいかないものよ。ましてや、アデリーナ第二王女は、ディミトリに一目惚れをしたらしくて、我が国に到着した日から、四六時中ベッタリと傍に侍っているの。おかげで、マリアーナ聖女の公務にディミトリが同行すれば、彼女を威嚇するし、政務の邪魔をするしで、王宮議会からも王女の行動を問題視する声が上がっているくらいなの」

 …おおう…そこまで苛烈な王女様だとは思わなかった。
 いくら嫉妬に狂ったとはいえ、崇められる立場の聖女様を相手に他国の王族が非難される行動を取るのは外交問題に発展するとは考えが至らないのだろうか。

「それで、腹に据えかねたディミトリが『私が愛しているのは婚約者だけだ‼貴女とは婚姻するつもりは無い‼』って、王女を相手に怒鳴ったのよねぇ。それを聞いた王女が『じゃあ、私とその令嬢のどちらが殿下に相応しいのか会って確かめる‼』って言い出してね…」

 王妃殿下は若干遠い目をしながら、深々とため息を吐いているけれど、私だって許されるのなら、この場で頭を抱えて蹲りたい気分だ。

 ――結局、此処で私が晩餐会に参列して、婚約者だとお披露目しても、恋に狂ったアデリーナ王女への抑止力には到底なり得ない。
 むしろ嫉妬に狂った彼女が、暴走する可能性は否めないけれど、公的な場――公賓の招かれる晩餐会場に姿を現すことで、エビリズ国外交団に私を認知させ、王女へ縁談を諦めて帰国するように進言させる事が王妃殿下の狙いなわけだ。
 これが上手くいけば、エビリズ国との縁談話は恙なく終了するし、失敗すれば火に油を注いで、嫉妬に狂った王女が強硬手段に出るかもしれない。

(グダグダと悩んでいても仕方ないわ。…王女が王宮に居る限り、私に嫌がらせも出来ないだろうし、ここは婚約者として演技を全うしてさっさと帰ろう)

「…判りました。私は晩餐会でディミトリ殿下のお傍で微笑んでいれば良いんですね?」
「流石はルイ―セね 話が早くて助かるわぁ。…私が貴女の紹介をするから、動揺せずに品よく微笑んでいて頂戴ね?」

 …ニンマリと口角を上げる王妃殿下に、嫌な予感しかしない。
 しかし、この時の私には、頷く以外の道は有り得ないのだった。



 王妃殿下に続いて白い大理石の大階段を上ると、そこには賓客専用のダイニングルームがあった。
 その重厚な装飾扉の前には、揃いのお仕着せを着た幾人もの使用人と、ディミトリ殿下、そして執事のジアンの姿がある。
 蕩けるような甘い眼差しで、私を出迎えてくれたディミトリ殿下にエスコートされながら、装飾扉をくぐると、想像以上に激しい好奇と憎しみの視線に晒されることになった。

 眩いばかりの白い壁にはギルディングのアートワークが施され、天井から下がるクリスタルのシャンデリアが一際目を引く。
 中央に設えられた、バルボスレッグ細工の重厚なダイニングテーブルには、既に国王陛下並びに、マリアーナ聖女が着席し、その対面にずらりと並ぶ物々しい一団がエビリズ国の外交団であろうことは聞かなくても判った。

「大変お待たせして申し訳ございません。彼女が我が息子ディミトリの婚約者ルイ―セでございます。他国の侯爵家令嬢ですが、エビリズ国の皆様にいち早くお披露目する為に本日は無理を言って呼び寄せましたの。まだ正式に婚約披露の場を設けていない関係上、彼女の家名については伏せさせていただきますわ」

 王妃殿下に目視で促され、カーテシーを披露すると、周りから微かなざわめきが起きる。
 明らかに王太子殿下の色を纏った婚約者の出現に、エビリズ国の外交団は動揺した様子で、チラリチラリと主賓席に座る女性に視線を飛ばすけれど、その場ではそれ以上の騒ぎになることも無いままに、無事に晩餐会は始まった。

(王妃殿下の嘘八百にも困ったものね。誰が他国の侯爵家令嬢なのよ。…他国の外交官相手にこんな大嘘を吐いて、後で大問題に発展しても私は責任取れないわよ…)

 コッソリとため息を吐きつつも、疑われている様子が無い事に安堵する。
 しかし、先ほどからエビリズ外交団の主賓席に座る、クリムゾンレッドの髪色のグラマラスな美女が、激しい憤りの視線を向けてくるのが居たたまれない。

(…恐らく彼女がアデリーナ第二王女よね…。確かに蠱惑的な美女だわ…)

 クリムゾンレッドの髪に、エキゾチックな顔立ちは、そのグラマラスなボディをより魅力的に見せている。その上、真っ赤なイブニングドレスは大胆に胸元を露出させ、足元にも深いスリットが入ったセクシーな姿を惜しげもなく晒していた。
 これだけの美女ならば、確かに真面目な文官でもイチコロだろう。

(自分に絶対的な自信があるから、大胆な恰好で殿下を誘惑しようとしたんでしょうに…。)

 …そのお目当ての男性はと言えば、先ほどから鬱陶しいまでの熱視線を私に向けてきていて、王女には目もくれないのだけれど。

 晩餐会では最上級の貴腐ワインが振舞われ、次々と給仕されるビーフ・コンソメの冷製や、子羊のカツレツ等のフルコース料理に、エビリズ国の外交団たちは上機嫌で舌鼓を打っている。
 でも、真横からは甘い囁きと共に、蕩けるような視線を投げかけられ、主賓席からはギリギリと歯ぎしりが聞こえてきそうなぐらいの、憎悪を向けられていては食欲が湧くはずもなく…。

 私は只管に晩餐会の一刻も早い終了だけを願っていたのだった。



 晩餐会が恙なく終了すると、漸くこれで解放されると思っていた私の願いも虚しく、今度はダンスホールへと場を移すことが告げられた。

 賓客専用のホールは、通常使用されている大広間の半分ほどの広さ程度しかないが、楕円のドーム型になった天井には優美なフレスコ画が描かれ、豪華絢爛な幾つものシャンデリアが眩いばかりの輝きを放っている贅の限りを尽くした場所だった。

 宮廷楽団が生演奏するワルツに併せ、ダンスを申し込まれた様子のマリアーナ聖女が、エビリズ外交団の重鎮と共にホールで踊り出すのが視界に映る。
 彼女を取り巻くように、ホールに進み出たアーデルハイド外交官の令嬢たちが旋律に併せて踊る姿は、まるで咲き誇る花のように優美で美しい。

「…ディミトリ殿下はアデリーナ王女様とワルツを踊られないのですか?」
「ルイ―セが踊ってくれるのだったら、いくらでも。でも目を離した隙にいつも貴女は逃げて行ってしまうから、他の誰かと踊るつもりは無いよ」

 こんな会話をしている間も国王両陛下と談笑しているアデリーナ王女からの熱視線はディミトリ殿下にチラチラと飛ばされているのだけれど…。
 当の本人は、それを全く意に介さず、ホールの壁際に設えられたビロード張りの猫脚ソファに座って、素知らぬふりを決め込んでいるのだから質が悪い。

「エビリズ国が、我が国との同盟交渉の為に滞在していることは知っているだろう?今回の彼らの目的が、発現した聖女の見定めと同盟交渉にある以上、私があの王女のご機嫌取りをする必要は感じないな」
「でも、アデリーナ王女様は殿下にご執心なようですわ。せめて儀礼的な外交ぐらいは殿下もお立場的に果たされた方が宜しいのではなくて?」
「どうしてそんなにつれない事ばかり言うの?別の女性の元へ向かうのを貴女の口から強く勧められると、温厚な私も苛立ってしまいそうだよ。…まさか、私がいない間に別の男の手を取ろうなどと、不埒な想いを抱いている訳では無いよね?」

 怖っっっ‼
 するりと手を絡ませてくるディミトリ殿下の口角は上がっているのに、目が全く笑っていないところに若干の狂気を感じる。

「意地悪ばかり仰いますのね。私は…殿下のお立場が悪くなってはいけないと思っただけで他意はございません。それに、聖女様が外交をなさっているのにディミトリ殿下がお休みになってばかりでは示しが尽きませんでしょう?」
「ルイ―セは私の為を思って進言してくれたんだね?それならば尚の事、今夜だけは私の傍に居て欲しいな。こんなに鮮やかな“共鳴紋”まで見せられて、貴女を放っておけるほど多情な男ではないつもりだから」

 そう言うと、その唇をあの碧薔薇の痣に押し当てるのだから思わず体が強張ってしまう。

 ――共鳴紋…?

 聞いたことも無い言葉に、眉をしかめたものの、殿下はこれ以上、この話題を続けるつもりがないようで、私の肩に凭れ掛かると微笑みを深めた。

「アデリーナ王女のおかげでルイ―セにも会うことが出来たから、少しは感謝しても良いな。彼女には毎日政務を邪魔されるし、あられもない姿で寝所に潜り込もうとされて、我慢も限界だったけれど…」
「えっ⁈…そんな、事が…」

 あれ程のグラマラスボディを持つアデリーナ王女が、そんな大胆な真似をしたという事実に、自分でも驚くほど衝撃を受ける。
 彼女が薄い夜着一枚でディミトリ殿下に迫っている姿が一瞬脳裏を過ぎると、胸がギュッと掴まれたように痛んだ。
 シャルルやジョゼルも蠱惑的な美女には興味津々と言った様子だったし、やはり男性はグラマラスな女性が好みなのかしら――そうグルグル悩んでいると、不意に頬に柔らかな温もりが触れた。

「…ねえ、ルイ―セ…今の貴女がどんな表情をしているのか、自分でも判っているの?」

 そう囁くディミトリ殿下は、何故か嬉しそうに目を細めている。

「…どんな…顔を…して、いますか…?」
「今にも泣き出しそうな、心細そうな表情。もしかして、私がアデリーナ王女に誘惑されたんじゃないかって“嫉妬”してくれたんだよね?」

 ――嫉妬…?

 殿下の言葉を反芻すると、思わず自分でも恥ずかしいくらい顔が火照るのが判る。

「今までどれだけ私の想いを伝えても、全然響いていなかった貴女が、こんな表情を見せてくれるなんて…。どれだけ私が幸せなのか、ルイ―セには伝わっているのかな?」

 ギュッと抱き竦める彼の鼓動はドキンドキンと早鐘を打っていて、どれだけディミトリ殿下が緊張しているのかが伝わってくる。
 そっと背中に手を回すと、耳元で『愛している』と囁く声が聞こえて、思わずポロリと涙が零れた。
 ――殿下の香りに包まれて、理性までが融けかかった頃、頭上から降ってきたのは怒りに満ちた、聞きなれた女性の声だった。

「ハァ…人がエビリズ国のもてなしに奔走しているというのに、当の王太子殿下は役割を放棄して、イチャイチャイチャイチャとっ‼」
「恋人同士の語らいに割り込もうなんて聖女様は無粋だなぁ。折角の機会だし、ダンス外交をもっと楽しんで来たらどうだい?」
「五月蠅いですわよっ⁈こんな公賓の前で婚約者とイチャつく暇があるんだったら、一度ぐらいはアデリーナ王女とワルツを踊ってきなさいよ。さっきからエビリズ外交団も困った顔で様子を覗っているのよ⁈」
「自分の婚約者と仲睦まじくて何が悪いんだい?そうそう、彼女が私の婚約者のルイ―セだよ。マリアーナと会うのは初めてだよね?」

 その声に、漸く我に返った私は、慌てて殿下の腕を引きはがすと、マリアーナに目配せしながらカーテシーを披露する。
「は、初めまして‼…ルイ―セと申します。聖女様の素晴らしい功績は噂で聞き及んでおりますわ」
「初め…まし、て…⁈ はっ⁈…んん…ゴホン…、マリアーナ・アウレイアでございます。まさか殿下に婚約者がいたとは存じ上げず、ご挨拶が遅れ、大変失礼いたしました」

 何とか初対面のフリをする意図は汲み取ってくれたようだけれど、その目には”どう言う事よ⁈”とあからさまな好奇の色が浮かんでいた。
 …これは、早めに二人きりになって話さないと、後が不味そうだ。
 マリアーナの両手をそっと握ると、彼女の瞳を覗き込みながら微笑みを浮かべる。

「…こうして聖女様とお会いできたのも神のお導きですわ‼是非、ゆっくりとお話をさせて頂くお時間はございませんこと?」

 その言葉に『はっ⁈私は⁈』と反応したディミトリ殿下の事は綺麗に無視しておく。
 すると、私の意図を察したのか、マリアーナも口角を上げるとクスクス笑いだした。

「ええ、是非‼ 私もルイ―セ様と親睦を深めたいですわ。後の外交は、王太子殿下にお任せして、お部屋でゆっくりとお話を致しましょう‼」

 勝手に二人で盛り上がっていると、そこに水を差そうとした殿下が口を開くよりも先に、女性の声が響いた。

「年頃の女性は仲良くなるのも早いわね。聖女様にも偶には息抜きが必要だし、十分に外交は果たして貰ったわ。後の事は我々に任せて、二人でゆっくりと語り合うと良いわね」 

 会話に割り込んできた王妃殿下を相手に、流石のディミトリ殿下も黙り込む。

 その隙に、私たち二人は笑顔で王妃殿下にカーテシーを披露すると、足早にダンスホールを後にしたのであった。


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