10 / 46
8
しおりを挟む「ちょっ、なんでよ!!
えっと、アイザック様?姉はいつも私を虐めてくるのです。身体が弱い私に両親や婚約者が優しくしてくれるからと、私を疎ましく思って私を虐めてくるのです。
そんな女は公爵家にはふさわしくありません!ちょっと、、、どいて。さぁ私を抱きしめてくださいまし」
………………………ザックの腕の中にいた私を身体で押しどけて、ザックに向かってナディアが手を広げています………
久しぶりに会いますが、私の妹はこんな子だったのでしょうか。
「いや、君はスティーブ・レイズ伯爵令息の婚約者だよね。人の婚約者を抱きしめたりしないよ。なにより私は自分の愛おしい人以外は抱きしめたいとも思わない。
それから君はマリアは公爵家にふさわしくないと言ったね?ならばどういう人ならばふさわしいとお考えかな?」
「スティーブ様とは、その、まだ正式には婚約しておりませんので、私はまだ誰の物でもございません。私はみんなのナディアなのです。
えと、公爵家には姉のように人を虐めて喜ぶような人ではなく、私のように可愛くて、皆に愛されて、将来温かい家庭が作れる人がふさわしいのです!!」
ナディアは私が家を出てからも勉強はあまりしなかったのでしょうね。自由恋愛も増えてきましたが、今でも高位貴族では政略結婚は普通にあります。だから可愛いだけでできることなどありません。もしもその令嬢がとても裕福ならばそれだけでいいのかもしれませんが、基本的に貴族である以上、温かい家庭が作れる人が第1条件、なんてありえないのです。
それよりも、スティーブ様と婚約していないなんて公言してしまってもよかったのでしょうか。きっとあちらからはお金を今まで融資してもらっていると思います。それがもし、婚約できないなんてことになれば我が家は大変なのではないでしょうか。
「まず、公爵夫人として求められるものに可愛さなんてものはない!別に可愛くて不利になることもないだろうが、それよりも知識の方が重要だ。それに対応力。それこそが今の公爵夫人に求められるものだ。君にはそのどちらも無理だろう。
それに、温かい家庭って、君は身体が弱いんだろう?それって子どもができるかもわからないじゃないか。温かい家庭には子どももいてほしいと思っている。その点からも君はふさわしくないよね。
そして、皆のナディアなんて勘違いしているような女は絶対に公爵夫人にはふさわしくない!これだけは断言しておこう」
「なっ!
………スティーブさまぁ、私姉に騙されている公爵令息様を救って差し上げたかっただけなのに、こんな酷いことをいうなんて。あぁ、私眩暈がしてまいりました。」
………………どうしましょう。
これは本当に私の妹なのでしょうか。
他人にしか思えなくなってきました………
74
お気に入りに追加
6,458
あなたにおすすめの小説
王太子から婚約破棄……さぁ始まりました! 制限時間は1時間 皆様……今までの恨みを晴らす時です!
Ryo-k
恋愛
王太子が婚約破棄したので、1時間限定でボコボコにできるわ♪
……今までの鬱憤、晴らして差し上げましょう!!
双子の妹は私から全てを奪う予定でいたらしい
佐倉ミズキ
恋愛
双子の妹リリアナは小さい頃から私のものを奪っていった。
お人形に靴、ドレスにアクセサリー、そして婚約者の侯爵家のエリオットまで…。
しかし、私がやっと結婚を決めたとき、リリアナは激怒した。
「どういうことなのこれは!」
そう、私の新しい婚約者は……。
とある令嬢の婚約破棄
あみにあ
恋愛
とある街で、王子と令嬢が出会いある約束を交わしました。
彼女と王子は仲睦まじく過ごしていましたが・・・
学園に通う事になると、王子は彼女をほって他の女にかかりきりになってしまいました。
その女はなんと彼女の妹でした。
これはそんな彼女が婚約破棄から幸せになるお話です。
婚約なんてするんじゃなかったが口癖の貴方なんて要りませんわ
神々廻
恋愛
「天使様...?」
初対面の時の婚約者様からは『天使様』などと言われた事もあった
「なんでお前はそんなに可愛げが無いんだろうな。昔のお前は可愛かったのに。そんなに細いから肉付きが悪く、頬も薄い。まぁ、お前が太ったらそれこそ醜すぎるがな。あーあ、婚約なんて結ぶんじゃなかった」
そうですか、なら婚約破棄しましょう。
愚者(バカ)は不要ですから、お好きになさって?
海野真珠
恋愛
「ついにアレは捨てられたか」嘲笑を隠さない言葉は、一体誰が発したのか。
「救いようがないな」救う気もないが、と漏れた本音。
「早く消えればよろしいのですわ」コレでやっと解放されるのですもの。
「女神の承認が下りたか」白銀に輝く光が降り注ぐ。
婚約破棄ならもうしましたよ?
春先 あみ
恋愛
リリア・ラテフィール伯爵令嬢の元にお約束の婚約破棄を突き付けてきたビーツ侯爵家嫡男とピピ男爵令嬢
しかし、彼等の断罪イベントは国家転覆を目論む巧妙な罠!?…だったらよかったなぁ!!
リリアの親友、フィーナが主観でお送りします
「なんで今日の今なのよ!!婚約破棄ならとっくにしたじゃない!!」
………
初投稿作品です
恋愛コメディは初めて書きます
楽しんで頂ければ幸いです
感想等いただけるととても嬉しいです!
2019年3月25日、完結致しました!
ありがとうございます!
【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
もふきゅな
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる