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13.知らない真実

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みんな食事が終えると、またソファー席に移動して、昨日と同じように座ると祖父が話し始めた。

「ナタリー、話せる範囲でいい。
今までどのように過ごしてきたのか、君の事を聞かせて貰えないかい?」

そういわれてどう答えればいいのか戸惑いながら私は今までの事を話した。
途中何を言えばいいのか迷うと、お祖父様が質問し、続きを促してくれる。
途中おばあさまにも質問されながら話していく。

もういいのか、話が止まり、お祖父様とお祖母様が震えている気がする。
あまりの私の不甲斐なさに呆れていらっしゃるのかしら……

呆れられていても仕方がない。
貴族なのにその責任さえ果たせていない。

社交界にも出る事ができていないし、辛うじてマナー教育は終えてはいるけれどそれを活かすこともできていない。
それだけ教育費も無駄にしてしまっているという事。

考えれば考えるほど自分が情けない。

そう考えているとお祖父様が口を開いた。

「ルド!」

あぁ………執事に頼んで私は家に送り返されるのだろうか。
こんな娘、マリアの子ではないと罵られるかしら。
それとも………

ギュッと目をつむり、お祖父様の次の言葉を待っていると私の予想とは反した言葉が紡がれる。

「今すぐにパレドス家の実情を調べてくれ。
領地経営から財政状況、使用人たちに後妻の女にその娘。すべてに関して調べてくれ。
それからナタリーがいない事で問題が起こっているのなら、我が家で保護していると伝えてくれ。必要なさそうなら伝える必要はない」

その言葉に反応してルドさんはすぐに部屋を出ていく。
どういう事だろうと祖父を見ると、私の覚悟した呆れたような視線ではなく、変わらず優しい視線を向けてくれていた。

「ナタリー、これからは私たちの話を少し聞いてもらえるかい?」

そう言って話された内容は私が覚悟していた内容とはまったく異なるものだった。

義母と籍を入れると言ったとき、猛反対してくれていたこと。
後妻を迎えるつもりなら私は引き取ると伝えたこと。
でも、私が新しい母を望んでいると聞いたから許したのだという事。

母が亡くなってからもずっと祖父母は手紙を送り続けていてくれていたこと。
母の月命日には流行りのケーキを調べては送り、領地で取れる新鮮なフルーツも一緒に送ってくれていたこと。

誕生日には毎年ドレスを送ってくれていたこと。

返ってくることはなかったがそれでも月に2度は手紙を送っていたこと。
そのたびに逢いたい旨を書いていたという事。
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